今回は、ディジタル・マルチメータの測定値がどの程度、確かなのか検討してみます。ディジタル・マルチメータの性能は、表示桁数の大きさ、測定値の確度が良いこと、表示のばらつきが少ないことで表されます。
●表示桁数
表示桁数については、最近は安価なものでも4000まで表示できます。少し高価なPC5000では直流電圧とカウンタは最高500000表示まで表示でき、その他の測定でも5000までの表示ができます。表示桁の最上位は必ずしも9までの表示でなく5または4などの値になっています。これは、ディジタル・マルチメータの内部でデータ処理を行うカウンタなどが2進数の体系になっていて、桁数の増加が10進数表示桁数の増加と一致していないためです。概ね次のようになります。
10進数 1桁 2桁 3桁 4桁
2進数 4ビット 7ビット 11ビット 13ビット
そのため、たとえば12ビットのA-Dコンバータを使用して、電圧などのアナログ・データをディジタルの値に変換すると、最大で4095となり、9999までは表示できません。4000までなどの表示となります。

スタンダード・タイプの多くはこの表示のように4桁のディジタル表示となっています。しかし、最上位の桁が4以上の場合はオーバフローを起こすので、この桁に表示されません。最上位の桁は0となります。これは表示桁数の多い高級機でも同様になります。

PC5000の場合には最大表示は6桁表示も可能です。その場合も500000以上では上図のように最上の桁は0となります。
乾電池3本を直列で接続したものを6桁表示で測定してみました。4.77642Vと6桁すべてが表示されます。

通常の測定では5桁の50000で十分で、サンプリング・タイムも短く表示が安定するのが短時間ですみます。そのためPC5000でも標準の使用条件では50000までの5桁表示となっています。
電池の場合は、負荷を接続していない場合は変動も少なく、ディジタル・マルチメータの安定度もよく図の最小桁の2が少し変動するだけで、5桁表示にした場合は全桁安定し変化しません。

ディジタル・マルチメータで多数の桁数が安定して表示されます。具体的に細かい値の数字が示されるとその値が真の値のように感じます。手元にあった2台のディジタル・マルチメータで同じ無負荷の乾電池の端子間の電圧を測定しました。その結果、わずかですが異なった値が示されました。アナログのテスタでは区別できない差ですが、ディジタル・マルチメータでは差が具体的な数値で示されます。次回には、このバラツキ、測定した乾電池の真の値をどのように推定すればよいかなどを考えます。
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Posted by: 工作 | 2007年03月06日 21:06
日時: : 2007年03月06日 21:06