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容量の測定、その他 (連載 第10回 完)
ディジタル・マルチメータは、電圧、抵抗、電流のほかにコンデンサの容量を測定できるものが多くなっています。最近のコンデンサは形状が小さくなり、容量の表示の文字も小さいので、いつも容量の値の確認に手間取っています。ディジタル・マルチメータで容量がチェックできるようになり助かっています。その点、抵抗のカラー・コードはわかりやすく重宝しています。
●コンデンサの容量の測定単位
通常コンデンサの容量は、μF(マイクロ・ファラッド)またはその百万分の一のpF(ピコ・ファラッド)が用いられます。しかし、ディジタル・マルチメータで容量を測定する場合pFの単位では容量が少なすぎます。そのため、pFの1000倍のnF(ナノ・ファラッド)を使用しています。ディジタル・マルチメータの容量測定ではじめて目にして、最初は少し戸惑いました。nFはμFの1/1000でもあります。
測定の最小レンジは40nFから50nFで、少数以下2桁表示されます。今回測定した積層セラミック・コンデンサを示します。

上に表示されているのが、コンデンサに表示されている容量表示です。
最後の桁の値は、容量の桁数を示す値で10の累乗の累乗を示す値となります。
容量は、
表示 abc の場合 ab×10のc乗 となり単位はpFです。
472は4700pF、104は100,000pF、105は1,000,000pFで1μFまたは1000nFとなります。最近は106と10μFの積層セラミック・コンデンサも発売され重宝しています。
各コンデンサの下のほうにディジタル・マルチメータで測定した結果を示します。
●極性のあるコンデンサ
数μF以上のコンデンサは電解コンデンサが多く使われています。10Vの耐圧で100μFと50V耐圧で1000μFの電解コンデンサを次に示します。

電解コンデンサなどの極性の表示のあるコンデンサの容量を測定する場合は、必ず、黒のCOMに接続されたテスト・ピンをコンデンサの-の表示のあるリードに接続し、赤のテスト・ピンを反対にコンデンサの+リードに接続します。
●コンデンサの充電時間で容量を測定
1000μFの測定を行うと、テスト・ピンをリードに当てて測定を開始しても、7秒くらい表示が現れません。これはコンデンサの容量測定が次のような手順で行われるためです。
(1) コンデンサの電荷をゼロにする。
(2) 一定の電流でコンデンサを充電する
(3) 所定の電圧に達するまでの充電時間を計測する
(4) 充電時間から容量を算出し表示し、以後(1)から繰り返す。
このような処理を行っているため、1000μFのような大容量のコンデンサを測定する場合、規定の電圧まで充電する時間が長くなり7秒近くかかるようになります。容量の小さいセラミック・コンデンサの場合は測定時間が短いので遅れは感じていません。
念のため、手元にあったアナログのオシロスコープで容量測定時のコンデンサの二つのリード線の間の電圧を測定すると、一定の角度で電圧が上昇し、上昇の終点で0Vに戻る直角三角形のように波形が観測されました。
●ダイオードのテスト
ダイオードの良否をチェックする機能が、テスタに用意されています。PC5000ではファンクション・スイッチでダイオードのマークを選択し、PC20ではファンクション・スイッチを抵抗の項目に合わせて、SELECTボタンでダイオード・テストを選択します。
(1) 赤のテスト・ピンをダイオードのアノードに、黒のテスト・ピンをダイオードのカソードに接続します(順方向の荷電)-
(2) ◆良好なダイオードの場合
順方向電圧として0.48から0.55、0.6の値が表示されます。
◆不良なダイオードの場合
0が表示された場合、ダイオードがショートしていることを示します。
OLが表示されている場合、ダイオードがオープンになっている。
(3) 逆方向の荷電
(2) のテストで良好と判断されたダイオードについて、このテストを行い導通がないことを確認すれば、ダイオードは良好と判断できる。
赤のテスト・ピンをダイオードのカソード、黒のテスト・ピンをダイオードのアノードに接続する(上記の(1) とは逆の接続)。
導通が無なOLと表示されると、良好と判断できる。それ以外は何らかの欠陥があることを示します。
●その他の機能
PC5000では電流、電圧の測定値について、最大値、最小値を表示と記録の機能が用意されています。
◆最大値、最小値の表示
CPTUREボタンを押すと、MAX、MIN、MAX-MINと順番に表示されます。希望の表示で選択しておくと、指定された値が表示され、それらの値が更新されるとブザーがなります。
◆最大値、最小値の記録
RECORDボタンを押すと、レコード・モードになり、MAX(最大値)、MIN(最小値)の記録が続きます。RECORDボタンを押すと記録された値が表示されます。この期間オート・パワーオフの機能が外れます。レコード・モードを解除するにはRECORDボタンを1秒以上長押しします。
周波数の測定の機能も用意されています。AC電源を測定したら49.68Hzと表示されました。
●トランジスタのhfeの測定
ほかの多機能のディジタル・マルチメータの中には、トランジスタの電流増幅率hfeの測定ができるものもあります。以前、ホーム・センタで購入したオーム電機製のディジタル・マルチメータに、トランジスタの電流増幅率を測るために2SC1815をセットしています。電流増幅率は174となっていました。

手元にある最も多機能なディジタル・マルチメータはMASTECH社のMS8209で電圧、電流、抵抗、コンデンサの容量などのほかに、温度、湿度、音圧、明るさも測れます。 秋月電子通商で購入しました。

今回は主に手元にあったディジタル・マルチメータを例に説明しました。ディジタル・マルチメータはフルーク社が多くのシリーズを発売しています。また日置電機もディジタル・ハイテスタ 3801-50などの高性能なディジタル・マルチメータを発売しています。
いままでの説明で、電子工作などで利用する場面での基本的な事項は大方カバーできたのでないかと思っています。しかし、ディジタル・マルチメータの構成している多くの技術について、いままで説明し切れなかった事項も多くあります。それらについては、次の機会にと考えています。
テスタとディジタル・マルチメータに関する参考書として、
改定新版 テスタとディジタル・マルチメータの使い方
金沢 敏保・藤原 章雄 共著 CQ出版 1800円
があります。参考にしてください。
本連載の作成に当たって、PC20、PC Link、クランプ・センサを三和電気計測(株)にお借りしました。お蔭様で内容を充実させることができました。ありがとうございます。
神崎康宏
タグ:
コンデンサ
ディジタル・マルチメータ
投稿者: news 日時: 2007年04月16日 09:43 | パーマリンク |TOPページへ ▲画面上へ
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