湿度計について
  エレキジャック誌の記事の中では、乾湿球湿度計を作成し、後は気象庁のWebから乾湿球湿度計の読みから湿度を求める方法を説明しました。
 培養箱の中の湿度は、種麹を蒸し米に植えてから麹の増殖が始まるまでの間は高湿度に保つ必要があります。その確認のため、湿度の測定を行い湿度の値がモニタできると安心です。
 ここでは、湿度の監視と実際に湿度を計算で求める方法について説明します。

湿度は乾湿球の温度差で概略の値はわかる
  「気象庁の気象観測の手引き」の通風しない乾湿計用湿度表を次に示します。

adr420010.jpg

 湿度は上記の表から実測した乾球と湿球との温度差を求め、乾球の温度との交点から湿度を求めます。表にない乾球の温度については按分して求めます。
 この表に示されるように、乾球の温度は極端に変化しなければ湿度の値に大きな影響はありません。
 今回の乾球の温度の範囲は30℃から35℃から大きくは離れません。そのため、乾球と湿球の温度差がわかれば数%のバラツキの範囲内で湿度の値が決まってしまいます。今回の範囲では、乾球と湿球の温度差が0.5℃以内なら95%以上、1℃以内なら90%以上の湿度になり、乾湿球の温度差で管理できます。

エレキジャックNo.13のサポートページのスケッチのリスト
   エレキジャックNo.13サポートページのリスト2-1は本文のリスト2-1に湿度の計算処理を追加してあります。追加した湿度の計算処理は連載(36)から連載(37-2)で説明したものが元になっています。湿度の計算について次に示します。

乾湿球の温度から湿度を計算する場合
   乾湿球湿度計の読みから湿度を求めるために、乾湿計の公式Pernterの式を利用して通風のないアウグスト乾湿計の読みから湿度を求めます。通風乾湿計では湿球温度からスプルングの式で水蒸気分圧を求めています。
 この二つの式から湿度を求める計算方法を、連載36から再掲して次に示します。

アウグスト乾湿計の湿度の計算
 湿度の計算は、

(1) 乾球温度における飽和水蒸気分圧 Psを乾球温度から求めます。
   Ps = 6.11 ×10累乗(7.5×td/(273.3+td))
(2) 湿球温度における飽和水蒸気圧 Pwsを湿球温度から求めます。
       Pws = 6.11 ×10累乗(7.5×tw/(273.3+tw)
(3) ペルンターの式で湿球温度における飽和水蒸気圧と湿球温度から
   現在の水蒸気圧 Ptを求めます。
     Pt = Pws - 0.0012×1013.25×(td-tw)×(1+tw/610);
(4) Pt/Ps×100で相対湿度が求められます。
     td  乾球温度
     tw  湿球温度

 この計算は、Arudinoのスケッチで記述することができます。、乾湿球の温度を測定し計算結果をUSB経由でArduino IDEのモニタでPCの画面に表示します。そのモニタ画面には、参考のために次に示す通風式の場合の計算結果もあわせて表示しました。

通風式の乾湿計の計算
 通風乾湿球計で2.5m/s以上の通風で使用するスプルングの公式では、水蒸気分圧は次のようになります。

  Ptsp=Pws-0.000662×1013.25×(td-tw)
    Ps  乾球温度の飽和水蒸気圧(hP)
    Pws 湿球温度における飽和水蒸気圧(hP)
    Pt  ペルンターの式により求めた 水蒸気圧(hP)
    Pssp スプルングの式により求めた 水蒸気圧(hP)

 この、計算をスケッチに組み込む手順は連載(37-1)で各行ごとに説明し、連載(37-2)でデータの桁落ちの説明を行い、麹の培養の例を示しています。

湿度のモニタができる培養箱の温度制御スケッチ

  サポート・ページのリスト2-1は以上の処理が組み込まれ、湿度のモニタができる培養箱の温度制御スケッチとなっています。このスケッチを使用すると、温度制御に追加して湿度のモニタができるようになります。

夏の麹の培養

  最近は、梅雨の中休みもあって気温の高い日が続いています。本文の執筆時はまだ気温が20℃にならない日が多いころ麹の培養結果を示しました。次は、この気温の高い時期の麹作りの実際を報告します。

<神崎康宏>


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