今回は、LEDのドライブを次に示すようにトランジスタで行ってみます。ディジタル・ポート7からの出力を抵抗を介してトランジスタのベース(B)に接続しています。FETの場合は、ゲートに電圧を加えてもゲート(G)の抵抗が大きく電流が流れ込まないので,ディジタル・ポートの出力を直接接続することができます。


M0070030.jpg

トランジスタの駆動は電流で駆動
 次の回路でトランジスタのベースに電圧を加えていくと,0Vから0.6Vくらいまでは電圧を上げても電流はほとんど流れません。0.6Vくらいを超えると電流が流れ出します。わずかの電圧の変化でも大きく電流が変化するので、ベースに加える電圧を制御して所定の電流を得ることは困難で、周囲の温度の影響も受けやすい不安定なものとなります。
 そのため、次に示すようにベースに直列に抵抗を接続して電圧を電流に変換し、ベースに電流の変化を信号として加えます。
 今回使用したトランジスタは2SC1740で、電子工作でよく利用されている2SC1815と同等のトランジスタです。


M0070010.jpg

電流増幅
 トランジスタに流れるベース-エミッタ間電流とコレクタ-エミッタ間電流との間には,
               hfe=Ic/Ib
        hfe : 電流増幅率
        Ic  : コレクタ電流
                  Ib  : ベース電流
 電流増幅率(hfe)はトランジスタの種類によって決まった値、30から700くらいの値になります。
 今回使用したトランジスタはデータシートから300くらいの値となります。

ベース電流
 ベース電流はR1の電圧降下(ディジタル・ポートのHIGHの電圧とトランジスタのベース電圧のと差)を抵抗R1で除算した値になります。
     ベース電流=(デジタルポートのHIGH電圧-べース電圧)/R1
     ベース電流=(3.3V-0.6V)/R1=2.7V/R1
 R1を2.7kΩにするとベース電流は最大1mAとなります。ディジタル出力は最大で3.3Vでそれより低い値になります。ディジタル出力が3.0VとするとR1の電圧降下が2.4Vで、R1の抵抗値が2kΩのとき、ベース電流は1.2mAとなります。
 ベース電流は1mAとしてもLEDを点灯する電流は300mAとなります。実際は今回使用するトランジスタの最大定格は150mAで、LEDも多くても20mAくらいまで流せればと考えていますので,ベース電流は1mAでも十分すぎます。
 実際は手元にあった3.3kΩの抵抗をR1として利用しています。
 2SC1740の端子は次のようになります。

M0070020.jpg

 実際の回路は次のようになります。前回のプログラムをそのまま利用しています。


M0070040.jpg

ベース電流
  R1の電圧降下 2.5Vでベース電流は2.5V/3.3kΩで0.75mAになります。ディジタル・ポートのHIGHの出力電圧は3.25Vとなりました。電源電圧は3.35Vでした。

コレクタ電流
 電流制限抵抗の電圧降下は0.202Vでコレクタ電流は0.202V/27Ωで0.00748A、7.48mAとなりました。LEDのVfは3.08Vで点灯時のコレクタ電圧は0.05Vくらいになりました。
 これらの電圧測定にはSANWAのPM33aを使用しました。次回、このトランジスタでもう少し大きな電流を流してみます。

<神崎康宏>


トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: ArduinoM0を使ってみる(7)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.eleki-jack.com/mt/mt-tb.cgi/11527







newハイパー・マイコンmbedでインターネット電子工作


マイコンと電子工作 No.6


マイコンと電子工作 No.4


マイコンと電子工作No.1
サポート・ページはこちら