ディジタル選局仕様のエレキジャック・ラジオ(前編)の続きです.前回「ディジタル選局仕様のエレキジャック・ラジオ Report(前編)」はこちらから→http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/06/report.html
●USBインターフェースを使ってD-Aコンバータを駆動する
次はパソコンからUSB接続を通じて,電圧コントロールを行います.USBインターフェースはテクノキット社のUSB-IOを使用し,参考書(手作りUSB機器-USB-IOで作る電子ルーレットからWebカメラまで,オーム社,2005年)を勉強してハードウェアとソフトウェアを組みました.
まずハードウェアは,USB-IOからのディジタル出力を用いて上記のD-Aコンバータを駆動させるために,以下のような回路にしました.
USB-IOからのディジタル出力は電流値が少ないので,ロジックICの74HC541を用いて電流を稼いでいます.また,D-Aコンバータは10ビットのうち7ビットのみを使うことにしました.8ビット以内にしておかないとロジックICが2個必要になるため,また実際にデジタル選局には7ビットくらいの精度で充分だったからです.
●ソフトウェアを使って「ラジオ関西」を聞く
ソフトウェアはフリーウェアのActiveBasicを使って作りました.ActiveBasicは公式サイトから,
http://www.activebasic.com/
USB-IOのコントロールに必要な vbausbio.dll とその定義ファイル bas_vbausbio.basは,
http://bake-san.com/ab_soft.htm
上記のURLからそれぞれダウンロードできます.
パソコン画面のコントロール・ウインドウは下記の写真のようにしました.大阪に住んでいるので,ラジオ局は関西のものです.
ActiveBasicを用いると,このようなパソコン選局画面が簡単に作れます.またイベント・プロシージャは次のとおりです.
例えば Button1 を押した場合(上から15行目,つまり三つ目の Sub のところ),
uio_out(1,4,0)
uio_out(0,2,0)
が実行されます.このうち uio_out(1,4,0) は,「ポート1に4(十進法)を出力」の意味です.最後の0は,ストローブ付きではないことを表しています.
さて十進法で4は,二進法で100を意味するため,P13 P12 P11 P10 の出力は順に 0 1 0 0 となります(0とは0V,1とは5V出力のことです).uio_out(0,2,0) のコマンドも同じようにポート0に2(十進法),すなわち10(二進法)を出力させることなので,P02 P01 P00は順に 0 1 0 の出力です.
これらのことからD-AコンバータのD9 D8 D7 D6 D5 D4 D3 へは,0 1 0 0 0 1 0 が入力されることになり,それに対応するアナログ電圧が得られます.ほかのボタンを押した場合も,それぞれ設定したアナログ電圧が発生し,選局ができます.なお D2 D1 D0 は接地して0Vにしてあります.
ここから下は,イベントプロシージャを記述するための領域になります.
Sub MainWnd_Destroy()
DigitalTuning_DestroyObjects()
PostQuitMessage(0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton1_Click()
uio_out(1,0,0)
uio_out(0,2,0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton2_Click()
uio_out(1,4,0)
uio_out(0,2,0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton3_Click()
uio_out(1,8,0)
uio_out(0,0,0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton4_Click()
uio_out(1,10,0)
uio_out(0,0,0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton5_Click()
uio_out(1,12,0)
uio_out(0,1,0)
End Sub
Sub MainWnd_CommandButton6_Click()
uio_out(1,13,0)
uio_out(0,2,0)
End Sub
●立派なディジタル選局ラジオのできあがり
できあがったそれぞれの基板を,ケースに入れて完成です.さっそく聞いてみると,ラジオ関西以外はすべてきれいに聴取することができました.ラジオ関西が聞けなかったのは,オリジナルの可変抵抗による選局のときと同じです.コイルを調整すればよいのですが,せっかく苦労して選んだ放送局の周波数を同調するディジタル数値が使えなくなるので,まだコイルは触っていません.朝日放送については,オリジナルの可変抵抗による選局では混信してきれいに聞けませんでしたが,ディジタル選局では混信がなくなっています.
このように立派なディジタル選局ラジオができあがりました.ケース内にまだまだ余裕があるのは,今後,受信周波数のディジタル表示などの拡張を考えているからです.
<塩山 洋>