■歩行するキット
今回は、車輪でなく4本足で歩行するメデューサIIを組み立ててみます。イーケイジャパンのMOVITのシリーズの一つです。メデューサの名前を見て、何でここにギリシャ神話のゴルゴン三姉妹のメデューサが出てくるのか不思議に思っていました。
組み立て説明書には、英語のくらげを示すMedusaに由来しペルセウスに首を切られたメデューサとは無関係とありました。実際足の数は少ないのですがクラゲを思わす形をしています。しかし、辞書を引くとクラゲ(jellyfish)の前にメデューサまだはメドゥーサと出てきます。このメデューサはベルサーチのシンボルともなっていて、その奇抜なベルサーチのコンセプトをよく現しています。
■拍手などの音に反応して歩き出す
電源は、乾電池一本の1.5Vの電源で、拍手などの音に反応して7、8歩歩いて止まります。また拍手などで促すと7,8歩エッチラ・オッチラ歩いて止まります。素手の拍手ですと手のひらが痛くなるので、蒲鉾の板、2枚で拍子木にしています。手も痛くなく、良く反応してくれます。
乾電池1本の1.5Vの電源ですので、制御はトランジスタだけで行っています。ディジタルICなどを使用すると乾電池を2本以上から4本くらい必要になります。
■クランクなどのメカニカルな部品が多く含まれている
電子部品はトランジスタ4本と抵抗、コンデンサで数は多くありません。はんだ付けの数もそれほど多くありません。その代わり、メカニカルな部品の数が多く、その組み立てのためのビスとナットが多く用意されています。
■取扱説明書の説明に従い部品をセット
トランジスタは形状が同じでも、2SC1815、2SA1015、2SD734と3種類のトランジスタを使用しています。取り違えると動作しないので、取扱説明書の指示に従い気をつけて部品をセットし、はんだ付けします。30分くらいで部品のセットからはんだ付けまで終わってしまいます。基板にも間違えないように部品の番号が印刷されています。
最初はこのようなキットで組み立てるのもよいのですが、部品の種類が何とか区別が付き、はんだ付けも慣れたら、ユニバーサル基板に各デバイスの動作の状況と回路図を念頭において組み立てることをお勧めします。
時間も完成するまで、何十倍の時間も係り、期待通りの動作にならず何日も頭を抱えることになります。しかし、これらを克服した後は電子回路の仕組みがしっかり身に付き新たな応用が自由自在になります。新たなアイデアも自然とわいてくるようになります。そんな電子工作の愛好者が増えることに役立てばと思っています。
■メカニカルな部品は精度が必要
左の2本が前足、右の2本が後ろ足でクランクに接続されモータで駆動されます。後ろ足の動きに合わせて前足を動かすために、金属のロットが前足の中間部に接続されます。これらの部品はスムーズな駆動のため精度のよい工作が必要です。
これを手作りしようとすると、上野の東照宮の陽明門の昇竜と降竜を彫った左甚五郎のような技術を磨くか、工作機械を用意する必要があります。その点、電子工作の制御部分は少し大きくなるきらいはありますが、ユニバーサル基板にはんだ付けすることで目的を達することができます。
電子回路以外のメカニカルな部品やモータなどの機構部品は、キットなどを大いに利用しようと思っています。
■完成した駆動部分
足のユニットにモータを取り付けた状態です。各部品の精度が良く、順番に組み立てるとビスの穴の取り付け位置もぴったり合い、無理に抑える必要もなくそれぞれぴったり収まりクランクなどの動きもスムーズです。いま乗っている車も消耗部品のクラッチの交換を行いましたが、6年以上まったく故障を知りません。工作精度の向上で暖機運転の必要もなくなったことを、この足を組み立てているときに思い出しました。
キットは1時間くらいで完成しまして、拍子木の音で動いています。電子工作の入門編としてはこれでめでたしめでたしですが、エレキジャックの読者には制御回路の仕組み、各デバイスの説明がなく少々不満ではないかと思っています。
メカニカルな工作の困難さを解消するためにキットを大いに利用することとしても、トランジスタや抵抗やコンデンサの働き、少し先に進んでマイコンの働きや使いこなすための方法の説明が必要になります。
そろそろ、それらの話を進めるに当たって題材に何がよいか考えています。
