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小型AMラジオの製作(後編)

引き続き AMラジオの製作です。今回から本当の製作です。

(3) 製作する

組み立ては、基板が1cm×1cmと小さいので大変でした。説明書には「完成させるには技術より根性が必要ですぞ!!」と書かれています。エレキジャック誌などに書かれていますが、このような小型基板のはんだ付け作業は、写真のように大きなクリップで挟んで行うとよいようです。こうすると、基板が動かないのではんだ付けが楽にできます。

大きなクリップ

このキットは、コイルおよび電池がそれぞれ2種類あり、目的にあわせて製作することになります。たとえば、電波が強いところでは「小型コイル+ボタン電池」の構成、電波の弱いところでは「感度優先コイル+乾電池」で作るのが良いでしょう。
筆者のように、まず「小型コイル+乾電池」の構成で作って、状況に応じてコイルを交換するか、電池を交換するかと作った後に決める、という手もあるかと思います。
AMラジオの製作は説明書に沿って完成させていきます。

(a)部品はんだ付けの注意点
基板への部品については部品を間違えないようにします。トランジスタとICは同じ形なので、表面の表示を確認して取りつけはんだ付けします。
説明書記載の基板の実体配線図は向きが移動しています。
抵抗器はカラー・コード3番目の色がそれぞれ異なります。
トリマ用の基板穴は大きくなっていますが、トリマの足が広がっているので少し狭くします。

(b) コイルの取りつけは二つの方法がある
小さなサイズ優先コイルは取りつけましたが、ここでは(さいたま市旧大宮)ではあまり感度が良くありません。そのため、大きな感度優先コイルを取りかえました。

(c) 電池も二つの方法があります。
コイルを大きな感度優先コイルを使ったために、小さくする必要がありません。そのためにボタン電池ではなく電池ボックスを使うことにします。筆者の場合、単5電池がなく、また手持ちの単4電池ボックスがあったので、これを取りつけています。もし、小型コイルで十分な感度で受信できる場合は、ボタン電池を使ってください。ボタン電池は熱収縮チューブでケーブルを固定します。

(d) 電源スイッチの対応する
このままでは電源スイッチがないために、使わないときは電池を外しておくことになります。筆者の場合はステレオ・イヤホン・ジャックを使って、モノラルイヤホン・プラグが差し込まれたときだけ電源が入るようにしています。
先端は基板のTRのコレクタに、中央は基板の+電源部分、一番根元は電池ボックスの+端子に接続するようにイヤホン・ジャック端子を配線します。図はステレオ・プラグで書いてありますが、付属するのはモノラル・プラグです。
とくにボタン電池を使う場合は、「電池を取り外して、スイッチを切る」と言う方式が使えないので、この方法は有効かと思います。
 
ステレオ・プラグの各部分の接続先


(4) 調整と動作

まず、目視で部品の取りつけやはんだ付け、外部配線の誤りがないか確認します。その後に電池を電池ボックスに入れ、イヤホンを取りつけると電源をが入ります。イヤホンで聞きながらトリマを付属のドライバで回して希望のラジオ放送局を選局します。向きによって感度が変わります。また、基板を触ると選局がずれて聞こえなくなったり、ほかの局が聞こえたりします。
これはストレート受信のICを使っていますので、しかたがないようです。

次の写真は、AMラジオの完成版です。電池部分はオリジナルの単5電池を使わず、単4電池に電池ボックスを変更しています。また、イヤホン・ジャックは電源スイッチにするために別途入手しています。これを適当なケースにいれます。

AMラジオの完成


ラジオ放送局の電波が強い地域の方はコイルにサイズ優先コイルを使い、ボタン電池を接続することで、小さなAMラジオにすることができます。
スピーカ接続も可能のようですが、ボリュームもありませんし、ちょっと実用上このままでは使えないような気がします。

(5) 使用感

まず、このラジオはストレート受信ですので、普通のラジオのような性能を期待してはいけません。説明書には次のように断り事項があります。
「このラジオは地域、電波状態により、入りにくい場合があります」

小型コイルを使った場合、強力な電波のラジオ局のみ受信可能です。ラジオ局のアンテナが近くにあるというように、使用する場所によっては小型コイルで小さなラジオとして使えそうです。

小型コイルでは感度が良くなかった気がしたので、今回は大きな「感度優先コイル」にしてあります。これで、トリマを付属ドライバ回しで放送局に合わせれば、多くのラジオ放送が聞こえるようになりました。筆者の場合、同じ放送局の番組を聴いているので、聞く放送局を固定しても問題ありません。
ラジオの向き(アンテナの向き)によっては、ほかの放送局が後ろで聞こえる「混信」と呼ばれる現象が起こっています。また、そのまま後ろの放送局が後退して前に出たりします。
ストレート受信ゆえ、ラジオ放送局電波の選択度は悪いようです。

その後判明
どうやら、複数の局が同時に受信できてしまう、いわゆる混信になる理由は、電波が強すぎるためのようです。TBSラジオは川口送信所、NHKラジオは久喜市に送信所があり、いずれもこの送信所は隣の市です。

●最後に

このAMラジオは、もう少し大きな基板で作ったキットのほうが作りやすい気がします。しかし、ゲルマ・ラジオの次に行う、電子工作キットには良いのではないかと思います。
ちなみに、この会社で販売しているものに小型のFMラジオのキットもあります。


後田 敏

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