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制御回路 モータ制御(4) 連載(4-4)

電池から放出された電力の消費内訳
TA7291Pのモータ制御時の損失について考えます。
前回のモータ駆動時供給電圧とTA7291Pの出力電圧の測定結果をもとに考えます。図に示すと次のようになります。
 
モータ制御時の損失

モータを流れる電流は実測した時は、0.250から多くても0.3Aの間を変動していました。
今回のTA7291Pの損失を検討するに当たっては、大きいほうの値の0.3Aと仮定します。

乾電池より取り出される電力
   0.816W=2.72V×0.3A
モータの消費電力
   0.288W=モータ入力電圧×モータの消費電流
        = 0.96V×0.3A
TA7291Pによる損失

モータの制御IC TA7291Pでプラス/マイナスの電源切り替えおよびオン/オフを行います。この制御をトランジスタを用いたスイッチング回路で行います。この回路も電力を消費します。この消費された電力はTA7291Pのデバイスの温度を上げます。
この電力の損失は、OUT1、OUT2の出力の電圧降下にこの回路に流れる電流を掛け合わせたものです。そして、この電流値は、モータに流れる電流値と等しくなります。
 OUT1の回路の損失;
    0.264W=0.88V×0.3A
 OUT2の回路の損失;
    0.264W=0.88V×0.3A
したがって、TA7291Pの損失は0.528Wとなります。この値は、電池から供給された電力0.816Wからモータの回転エネルギーなどに消費された電力0.288Wを引いたものと等しくなります。

デバイスで消費される電力はデバイスの温度を上げる
このTA7291Pの損失は、IC内部の温度上昇となります。この熱はデバイスの周囲の空気によって冷やされます。もし、空冷と損失(発熱量)のバランスが取れていないと、加熱によりIC内部の素子が破壊されてしまいます。多くは150℃が最大定格となっています。これ以上の温度上昇は許されません。

消費電力と放熱およびIC内部の温度上昇の関係
IC内部の発熱は、接合部(ジャンクション部)で起こります。この発生した熱はICケースを介して空中に放熱されます。効率よく放熱する場合は放熱板を設置し、ファンをまわして強制空冷します。
   TP7291Pの放熱板なしの単体の熱抵抗はθ(j-a)=65℃/W
この熱抵抗と半導体内部の発熱源のジャンクション温度(Tj)と周囲温度(Ta)と消費電力(W)の関係は、次のようになります。
 定常状態では、
   発熱量=放熱量=熱伝導度×温度差
     熱伝導度=1/熱抵抗

   温度差=ジャンクション温度-周囲温度
 データシートの熱抵抗で表現すると、
   発熱量(w)=(1/熱抵抗(θj-a))×(ジャンクション温度(Tj) - 周囲温度(Ta))
ここで、
    発熱量=0.528W
    放熱板なしの熱抵抗=65℃/W
    周囲温度(Ta)= 25℃
とすると、ジャンクション温度(Tj)、
   0.528W=(1/65℃/W)×(Tj-25℃)
   34.32W・(℃/W)=(Tj-25℃)
    Tj = 34.32℃ + 25℃
      = 59.32℃
Tjの上限の値は150℃ですが、安全を見て80℃位を想定しても十分余裕があります。これで今回の使用方法では放熱版が必要ないことが確認できました。
この他に、データシートには許容損失と周囲温度の関係がグラフで示されている場合があります。このグラフから放熱板の必要の有無、許容損失の範囲などを確認することができます。

許容損失と周囲温度の関係


次回は、基板からのコネクタの引き出しについて考えます。
神崎康宏

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