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連載 GPSによるナビゲーション(7) 現在位置の決定方法 

GPSの測位方法

GPSによる現在位置の決定方法は次のような手順で行います。

(1) 最低4個のGPS衛星からの時刻信号を受信し、衛星から現在地までの到達時間により衛星から現在位置までの距離を算出します。

(2) GPS衛星は定められた軌道を周回しているため、電波を発信した時点の座標は既知の値となります。ここでGPS衛星、現在位置を表すために、地球の重心を原点とした3次元の直交座標系を用います。
(3) GPS受信機の現在位置(X、Y、Z)の値を未知数とし四つの衛星からの距離を既知の値とした連立方程式から算出します。この際、GPS受信機の時刻の誤差も大きいのでこの誤差も未知数とします。四つの未知数に対して四つの衛星からの距離に基づく四つの連立方程式が得られますので、ECEFの直交座標系による現在位置の(X、Y、Z)の値が決まります。
(4) 求められた直交座標系の値を緯度経度標高の値に変換します。
WGS-84などの地球楕円体の緯度、経度、楕円体の表面からの標高の値に変換します。この変換で緯度経度は特に問題ないのですが、 標高については次回説明するジオイドと呼ばれる値との差で示されます。  GPSで表示されるのは楕円体表面からの差でとなり実際の標高と差がある場合があります。 そのため、GPSmap 60CSxなどでは、気圧高度計を内蔵し標高データを補正しています。


直交座標系

この直交座標系はECEF(Earth Centered Earth Fixed)呼ばれています。ECEFはX,Y,Zのそれぞれの軸を次のように定め、原点が地球の重心となる直行座標軸です。原点を地球の重心とするのは、人工衛星の軌道の中心が万有引力の法則により地球の重心となっているため、人工衛星の軌道を表現するために便利なためです。

   X軸 :グリニッジ子午線と赤道面が交差する方向をX軸とする。
   Y軸 :X軸に対して赤道面で東に向かった方向で直交する軸をY軸とする。
   Z軸 :地球の自転軸をZ軸とする。北極方向が正としている。

GPS衛星の軌道

GPS衛星は赤道面に対して55度の角度で交差し、軌道半径 26561.7km、周回時間は約11時間58分02秒で0.5恒星日となっています。地球の自転一回に対して2回周回しています。地球が太陽の周りを公転しているため、太陽を基準にした1日は地球の自転時間に対して1/365自転時間だけ長くなっています。 各軌道面には4個、六つの軌道面で計24個の衛星が飛行しています。そのため常時天空には4個以上の衛星を観測できるようになっています。

  

GPS12020.jpg

空が開けた場所では多くの衛星が補足できる


衛星には、ルビジュームまたはセシュームの原子時計が搭載され、正確な時刻と位置情報を発信しています。

地上の管制センタで軌道および時計の精度が管理されています。

GPSのシステムは周回している衛星だけでなく、アメリカのコロラドにある主制御局、南大西洋、インド洋、南太平洋、ハワイにあるモニタ局が重要な役割を担っています。これらの基地から衛星を追跡制御します。追跡によって各衛星の軌道と搭載されている原子時計などの誤差の情報を得ます。追跡によって得られた情報に基づき、衛星の軌道制御を行うと共に、位置計算のために必要な最新の軌道情報と原子時計の誤差情報を衛星に送ります。

この内容は、GPS衛星から最新のデータとして発信されます。そのためGPS受信機では管制センタで管理された精度に応じた位置計算が行えます。

次回は、軌道計算のための連立方程式について検討してみます。

 

次の書籍を参考にしました。

  GPS測量技術 佐田達典 オーム社 2003年
  図解これでわかったGPS(第2版) ITS情報通信システム推進会議編 森北出版


訂正:2007/10/10 標高について...に誤りがあったので訂正した。

 

〈神崎康宏〉

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