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連載キットで作る OPアンプによる信号増幅回路について(2) 連載(5-2)

今回は、OPアンプの動作を説明し、その説明をブレッドボード上で確かめてみます。
これから使用するLM358は反転入力、非反転入力、出力の三つの端子をもっています。
増幅器は入力信号(反転入力信号電圧-非反転入力電圧)を増幅し出力端子に出力します。

 kt0210010.jpg

OPアンプに何も回路を付加しないで、入力信号をどれだけ増幅できるか試してみます。
ブレッドボードにLM358をセットし2番ピン、3番ピンに10kΩの半固定抵抗の中間タップを接続します。半固定抵抗の両端は電源とグラウンドに接続し、OPアンプの2、3番ピンに加わる電圧が0Vから電源電圧まで半固定抵抗を調整して変化できるようにします。
電源は、乾電池を4本利用して約6Vの電源を供給します。ICの8番ピンには電源電圧を接続し、4番ピンにマイナス電源のグラウンドを接続します。

kt0210020.jpg

 kt0210025.jpg

ブレッドボードの一番上のラインをプラスの電源ラインに、下のラインをマイナスの電源ラインに設定します。出力の抵抗とLEDは動作確認のための物で、後で説明します。

OPアンプのみの増幅率を確かめる

3番ピンの非反転入力に加わる電圧を電源電圧の半分くらいに設定します。次に2番ピンの反転入力端子に3番ピンに加えた電圧より0.1Vくらい少ない電圧を加えます。次に、その状態の出力電圧を測定します。

次に0.05Vくらい少ない値、次に非反転入力(3番ピン)に加わる電圧より0.05Vくらい大きい電圧を加えてみます。また、反転入力端子の電圧が非反転入力端子の近辺に設定したときに、出力がどうなるかも確認してみてください。確認は各端子のマイナス電源からの電圧を測定することで行えます。 


kt0210030.jpg出力は、プラスとマイナスに振れるだけで中間の値になりません

この回路で、入力電圧をどのように調整しても出力は電源側か、マイナス電源側に振れてしまいます。非反転入力(+)が反転入力(-)より大きい場合は電源のプラス側に出力が振り切れます。反転入力(-)が非反転入力(+)より大きい場合は電源のマイナス側に振り切れます。
二つの入力に僅かでも差があると出力がプラス側かマイナス側に振れます。増幅率を確認してみます。 

kt0210040.jpg

最後に両方の入力を3.04Vに併せても
それ以下の桁の差で大小を判定しています。


OPアンプの増幅率

この増幅率は利得(ゲイン)とも呼ばれ、dB(デシベル)と呼ばれる単位で表されます。
具体的な増幅率は次の式で定義されていて、LM358のデータシートでは利得は100dBとなります。

  利得=20×log(出力信号電圧/入力信号電圧)dB
  100dB=20×log(出力信号電圧/入力信号電圧)dB
     5=log(出力信号電圧/入力信号電圧)
  (出力信号電圧/入力信号電圧)=100000

20dBで信号電圧は10倍になります。LM358の利得は100dBですので、入力信号は10万倍されて出力に現れます。
入力信号(反転入力信号電圧-非反転入力電圧)が0.1mVの入力で出力が10Vとなります。この回路を利用すると、反転入力と非反転入力の電圧レベルの比較回路となります。OPアンプも信号の大小を判定する比較回路(コンパレータ)として利用される場合もあります。


比較回路(コンパレータ)

出力に取り付けたLEDと1kΩの抵抗は、出力が”L”になったときにLEDが点灯するように接続し、二つの入力の大小に応じてLEDが点灯するようになっています。二つの入力の値を変化させLEDの点滅との状況を確認してみてください。LEDを点灯させると出力に数mAの電流が流れるので、ほぼ0Vだった出力が0.8Vくらいになります。

出力が”H”の状態で点灯するようにすると、同様にLEDに出力から電流が流れ4.76Vだった電圧が4.56Vくらいになります。

実際の増幅器はネガティブ・フィードバック回路で増幅率が決まる

OPアンプを利用した増幅回路ではネガティブ・フィードバック回路(負帰還回路)を付加して必要とする増幅器の特性を得ています。このOPアンプの増幅器には反転増幅器と非反転増幅器の二つがあります。
次回では、反転増幅器の動作を確認します。

〔神崎康宏〕

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