前回の最後に次回は反転増幅器の説明をすると書きましたが、非反転増幅器のほうがデータを測定しその結果を解釈するのにわかかりやすいことに気が付きましたので、予定を変え非反転増幅回路から説明します。
非反転増幅回路
次図に非反転増幅回路を示します。OPアンプ(LM358N)の非反転入力(プラス入力)に増幅する信号を入力し、反転入力(マイナス入力)はR1を介してマイナス電源に接続します。併せて、出力とマイナス入力をR2の負帰還抵抗で接続します。
ブレッドボードの部分を次に示します。
右下の青いブロックは多回転の半固定抵抗VR1です。頭のネジを調整して3番ピンの+入力の電圧を変化させます。半固定抵抗の両端のピンにそれぞれ+電源、-電源を加え、中間のピンをLM358Nの3番ピンの+入力信号端子に接続しています。
茶、黒、緑、金色のカラーコードが表示されている1MΩ(1000k)の抵抗で、1番ピンの出力と2番ピンのマイナス入力の間を接続します。1番ピンと2番ピンは隣ですが抵抗を横にして使用しているので、出力をジャンパ線で横に伸ばして接続しています。茶、黒、黄、金色の100kΩの抵抗で2番ピンのマイナス入力とマイナス電源を接続しています。このR1とR2の二つの抵抗で負帰還回路を構成し、後で説明しますが、この増幅回路の増幅率を決めています。
ディジタル・マルチメータで測定した結果
半固定抵抗のネジを調整して、2番ピンの+入力端子へ加わる電圧を変化させます。測定結果を表にしたものを次に示します。

ゼロV近辺から0.48Vくらいまでは変化させたときの出力電圧、出力電圧/入力電圧の値も示してあります。次に、入力電圧と出力電圧の関係のグラフを示します。
入力電圧ゼロから0.43Vくらいまで直線を示しています。出力は約4.8Vで上限となり、それ以上入力電圧を増やしても出力電圧をそれ以上増加しません。
(出力電圧/入力電圧)の値が約11の値になっています。この非反転増幅器の増幅率は約11と考えられます。次に、非反転増幅器の増幅率について考えます。
非反転増幅器の増幅率
非反転増幅器は、出力を負帰還抵抗R2で-入力端子に戻しています。また-入力端子はR1でマイナス電源(グラウンド)に接続されています。そのため出力電圧VoとV‐の値の関係は、VoをR1、R2で分圧した値がV‐の値になります。次の式で示されます。
V‐ = Vo×(R1/(R1+R2))
負帰還回路でV-とV+が同じになる
V+<V-の場合、出力Voは小さくなる方向に働きます。出力Voが小さくなるとV‐も小さくなります。そしてV+>V-になると今度は反対に、出力Voは増加する方向に働きます。Voが増加するとV‐も増加し最終的にはV+=V-で安定します。
増幅率=Vo/V‐=Vo/((R1/(R1+R2))×Vo)
= (R1+R2) /R1
R1=100K、R2=1000K
増幅率=(100+1000)/100=11
抵抗の値をディジタル・マルチメータで測定すると、
R1=97.49kΩ、R2=994.3kΩ
増幅率 =(97.49+994.3)/97.49 =11.199
実測した増幅率とよく一致しています。
このように、負帰還回路をもつ増幅器の増幅率は、負帰還回路によって決定します。
次回は、反転増幅器について考えます。
