循環ポンプの運転制御 C-R回路による時間計測
前回は、手作業でも測定できるように、高抵抗と大容量のコンデンサのC-R回路を利用しました。今回は47μFの積層セラミック・コンデンサと100kΩの抵抗を用いたC-R回路で測定してみます。前回より充放電の速度が速いので、ディジタル・マルチメータの目視では測定ができません。
SANWAのディジタル・マルチメータをPCにつなぐ
SANWAのディジタル・マルチメータのうち、頭にPCの付くPC20からPC5000までのPCシリーズのディジタル・マルチメータは、PCと接続して測定データをPCのEXCELファイルに記録することができます。シリアル通信とUSBのケーブルが用意されています。
フィールドで使用する場合、RS232CのインターフェースをもたないノートPCを利用します。そのため、少し高価ですがUSBケーブルを使用します。
測定間隔
測定間隔は最小設定では、1秒間隔で測定することができます。測定間隔の設定をゼロにすると、連続測定になります。ただし連続測定した場合でも、経過時間の記録は最小単位が1秒ですので同じ測定時刻で異なった値の記録となります。
PC5000によるオンライン測定
前回使用した470μFの電解コンデンサの代わりに、47μFの積層セラミック・コンデンサを置き換え、コンデンサを放電した後、100kΩの抵抗を介して、乾電池4本(5.95V)の電源でコンデンサを充電した結果を次に示します。
PC5000とPCを接続して測定する方法は三和のディジタル・マルチメータの紹介で示しましたので、そちらを参考にしてください。ここでは測定間隔を1秒で測定しています。
C-R回路の充放電時間
前回に電解コンデンサを使用したときに比べ、今回の積層コンデンサでは充放電の時間が大幅に短くなっています。C-R回路の充放電の時間は、コンデンサの容量と抵抗の値に依存しています。コンデンサの容量の値と抵抗値を掛け合わせた時定数がC-R回路の充放電時間の目安となります。
時定数(秒)=抵抗値(Ω)×容量(F)
通常時定数はτで表します。C-R回路の充電時間は電源電圧に依存しなく、この時定数の値によってその進行状況が表されます。充電が完了した時が1.000となります。
τ時間後 0.632
2τ時間後 0.8671
3τ時間後 0.9502
4τ時間後 0.9823
C-R回路の充放電時のコンデンサの電圧(Ec)はそれぞれ次の式で得られます。
放電時
Ec = E×exp(-t/RC)
充電時
Ec = E(1-exp(-t/RC))
E:電源電圧(V)
t :経過時間(秒)
R:抵抗値(Ω)
C:コンデンサの容量(F)
今回測定に利用した積層コンデンサの表示値は47μFで抵抗の表示値は100kΩの物を利用しました。この組み合わせの時定数は、
時定数=0.000047F×100000Ω=4.7秒
となります。ただし、ディジタル。マルチメータでこれらの値を測定すると、
コンデンサ 50.46μF 抵抗 98.13kΩ
となりました。この値を用いて充電の様子を計算し実測値と合わせてグラフ化しました。
前回の電解コンデンサを用いたC-R回路の充電の計算値と実測値もグラフ化してみます。
電解コンデンサ、抵抗の値もディジタル・マルチメータ(PC5000)で測定し、その値を用いて充電時の電圧の値を計算しています。
C:553μF R:98.21kΩ 電源電圧5.95V
積層セラミック・コンデンサについて、測定精度を上げるため、テクトロニクスのディジタル・オシロスコープで測定した結果と計算値を比較してみました。
充電電圧が電源電圧に達しない
コンデンサの端子間に直接ディジタル・マルチメータのプラス/マイナスのテスト・リードを当てて測定を行っていると、積層セラミック・コンデンサと100kΩの抵抗の場合で電源電圧5.95Vに対して5.89V、電解コンデンサの場合、電源電圧5.88Vに対して5.74Vで定常状態なります。この差について次回考えます。
<神崎康宏>
