前回、C-R回路のコンデンサへの充電が終わっても、電源電圧と端子間電圧の間に若干の差がありました。この原因について考えます。
前回のコンデンサの充電状況を確認した回路について、ディジタル・マルチメータで、どの電圧を測定していたかを示します。
測定器にも少ないけれど電流が流れる
前回の測定では、コンデンサの充電に伴う電圧の変化を直接コンデンサの端子にテスト・リードを当てて測定しています。そのため、僅かですがディジタル・マルチメータのテスト・リードを介して電流が漏洩しています。
ディジタル・マルチメータなどの測定器の仕様にある入力抵抗という項目で示される値が、この漏れ電流の大きさを示します。PC5000の場合はこの入力抵抗は10MΩとなります。
上記の積層セラミック・コンデンサの場合
コンデンサに並列に10MΩの抵抗があり、充電完了後はコンデンサに電流が流れない場合、電源電圧(5.95V)を充電抵抗 R1 と内部抵抗 R2で分割した値となります。
コンデンサの端子電圧
= 5.95×((10MΩ/(10MΩ+0.09813MΩ))=5.8921
前回測定値
電源電圧 5.95V
コンデンサ端子電圧 5.89V
今回計算値 5.89V
実測値と計算値がほぼ一致していますので、電源電圧との差は、ディジタル・マルチメータの内部抵抗によるものと推定できます。
電解コンデンサの場合
前回同様の回路で、コンデンサが電解コンデンサの実測の場合、
電源電圧 5.88V
コンデンサ端子電圧 5.74V
となりました。抵抗値は積層セラミック・コンデンサと同じですから、電解コンデンサに充電完了後には電流が流れないとすると、
コンデンサの端子電圧
= 5.88×((10MΩ/(10MΩ+0.09813MΩ))=5.8223
実測値との間で
5.8223-5.74 = 0.0823V
の差があります。
この差は、ディジタル・マルチメータ以外にも電解コンデンサ内部の漏洩電流が流れるために生じます。
この漏洩電流を計算します。
漏洩電流=R1に流れる電流-ディジタル・マルチメータに流れる電流
=(5.88V-5.74V)/98130Ω-5.74/10MΩ
=0.14/98130-0.574μA
=1.427μA-0.574μA
=0.853μA
1μA以下の電流でしたが、電解コンデンサの漏洩電流が確認できました。長時間の時間を計測する場合、この漏れ電流が計測に無視できない値になります。
電解コンデンサは、この他に極性に注意しなければならない、液漏れや時には破裂するなど、使い方に注意が必要なデバイスです。最近は10μF以上の積層セラミック・コンデンサが利用できるので少し助かります。
次回は、C-R回路でタイムラグのあるスイッチを試し、その後タイマICの仕組みについて調べてみます。
<神崎康宏>
