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連載キットで作る(34)整流回路について(1) ダイオードを利用して半波、全波整流回路

整流回路について
 交流から直流を得るために整流回路が利用されます。拍手の信号の絶対値を増幅するに先立って、今回から数回に渡って整流回路について調べてみます。

ダイオードによる整流回路
 ダイオードは一方通行のデバイスで、反対方向には電流は流れません。交流信号をダイオードに加えるテストを行ってみます。まず回路シミュレータで動作を確認してみます。

半波整流回路
 ダイオード一つに正弦波を加えて、入力と出力の関係を調べてみます。

kt035030.jpg

 正弦波の信号をD1のダイオードを通してR1の抵抗へ流します。初期値3Vの信号を減衰させ、入出力の関係を確認します。入力が0.7V以下の場合出力は出てきていません。また全領域で入力と出力の間に0.7Vくらいの差があります。
 この関係を確認するため、ダイオードに加えた電圧と電流の関係を確認します。

 

kt035040.jpg ダイオードの端子間に0.7Vくらいの電圧を加えるまで、電流はほとんど流れません。また電圧0.7Vを超えると電流が流れ出し、それ以後ダイオードの端子間電圧の増加はほとんどありません。これにより、0.6から0.7V以下の信号は通すことができないことがわかります。
 そのため0.6から0.7V以上の信号しか整流できなく、マイクロホンからの出力などのような小信号は直接整流することができません。また、ダイオードを一つだけ使った半波整流回路では、正か負の一方の極性しか検出できません。絶対値が必要な場合は全波整流回路が必要になります。

全波整流回路
 ダイオードのみで全波整流を行う場合、四つのダイオードでブリッジを組むことで行えます。この場合、全波整流された出力電圧はブリッジの出力に渡した抵抗R1の両端の電圧差となります。両端の電圧を測定して差を求める必要があります。そのため今回はブリッジの出力に抵抗を渡し電流を表示し、両端の電圧を推定しました。

kt035050.jpg

 入力が、±1.2V以下では整流された出力が現れません。これは、交流がブリッジ経由で出力に現れるには、二つのダイオードを経由するため、0.6から0.7Vのダイオード電圧降下二つ分以上の電圧(役.1.3V)が加わらないと出力に現れないためです。オフセット1.2Vの差はありますが、電流は正の値だけになり絶対値を得ることができます。

拍手のような信号でシミュレート
 前回、拍手の信号をOPアンプで増幅しましたが、そのとき観測したパルス状で瞬間的に立ち上がり、必ずしも正負対称でない信号をLTSPICEのビヘビア・モデルの電源(bv)で作成しブリッジを通した結果を次に示します。

 

kt035060.jpg シミュレーション結果、全波整流回路で絶対値が得られることが確認できました。一方、ダイオードのみでは小信号の場合、処理できなかったり誤差が大きくなったります。そのため、次回にOPアンプと組み合わせて絶対値を求めるための整流回路を検討します。

<神崎康宏>

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