パラメータを変化させてシミュレートしてみる
半波整流回路にコンデンサを追加して、整流した電圧を平準化してみます。
コンデンサは電荷をためることができます。大きく変化する整流出力を、コンデンサを追加してほぼ一定の直流電圧にすることができます。
出力にコンデンサのみ接続
ダイオードからの整流された出力にコンデンサのみ接続されている場合、今回のシミュレーションではAC電源の内部抵抗を無視できるほど小さいとしています。そのため、内部抵抗は0として設定していません。
最初に整流された出力でコンデンサが充電されると、負荷が接続されていないため、ほかに放電される回路がないので、出力は、ピーク電圧18Vで維持されます。
コンデンサと抵抗の負荷を接続
前回のテストで設定した、20オームの抵抗負荷を接続してシミュレートした結果を次に示します。
緑色のラインがコンデンサのプラス端子の電圧で負荷に加わる電圧です。青色がAC電源の出力で、灰色がコンデンサの充放電電流です。プラスの電流値がコンデンサへの充電電流で、マイナスの値は負荷に供給されるコンデンサからの放電電流です。
赤色のラインは、負荷の抵抗に流れる電流です。
無負荷のときは、整流された電圧はピーク電圧と等しく平坦でしたが、負荷を接続すると出力に正弦波のピークと等しい山形の電圧の変動が現れます。この変動をリプル(リップル)と呼びます。この負荷リプルの大きさは、溜池の役割をしているコンデンサの容量を大きくすると小さくなり、負荷に流れる電流が増大すると大きくなります。
負荷を変化させてシミュレートする
ここでは、負荷の大きさを変化させてリプルの大きさがどのようになるかを確認してみます。
このためには、負荷として接続されているR1の抵抗の値を変化させてその結果を同じグラフ上に重ねて表示することができれば、目的が達成できます。
負荷の抵抗の値を変数にする
負荷の抵抗の値をparamで変数として指定し、.stepコマンドで変数の値をどのように変化させるか指定し、確認することにします。
まず次のlistを使用した.stepコマンドでシミュレートします。
コマンドの表記
.step param 変数名 list n1 n2 n3 ・・・
変数名は 対象となるデバイスの値を{}で囲い、変数として定義します。ここでは負荷抵抗R1の値を{R}として抵抗値の変数 Rを定義します。
ツール・バーの「.op」アイコンをクリックしてSPICEのコマンドの設定ダイアログを表示し、次のコマンドを回路図ウィンドウに設定します。
.step param R list 10 20 40 80 200 400 1000
list以下の数字の値を変数Rの設定値として順番にシミュレートします。このシミュレートの結果を次に示します。
OUT01の電圧の値と負荷R1に流れる電流の値が表示されています。リプルの大きさは、負荷に流れる電流の大きさに大きく依存していることが明確にわかります。
変数の指定方法
変数の値はリストで指定すると、任意の値をどのようにも設定できます。一方、多くの場合は、
開始値 終了値 刻み値
を指定するほうが目的にかないます。
.step param R 10 510 50
この場合、変数の初期値が10Ωで刻み幅50Ωで510Ωまで、10 60 110 160と順番に変数を増加させてシミュレートします。
オクターブの設定
AC解析で、周波数特性をオクターブで変化させたのと同様の指定も行えます。
.step oct param R 10 180 1
この設定は10Ωから倍々していき180Ωまで変化させます。オクターブ間は1ポイントですからオクターブの倍々された値がシミュレートのポイントとなります。最後の180Ωは倍々された値の160Ωの次に180Ωの値を設定してシミュレーションを行い終わります。
AC解析の場合の.acコマンドは、オクターブ間のシミュレーション・ポイントの数、開始周波数、終了周波数の順になっていて今回の設定と順番が異なっていて間違えてしまいました。注意してください。
このシミュレーション結果を次に示します。
半波整流は、交流入力の半分しか取り出されていません。残りの半分も直流として取り出す全波整流回路を次回考えます。
