最近、大容量のDC電源はスイッチング・レギュレータが普通になっていますが、AC100Vの商用電源をトランスで低電圧化して整流・平滑化する従来タイプの電源も、小容量の電源の場合は簡便に利用できるので、まだまだ利用価値があります。
今回は、実験回路などで利用するDC電源の回路を考えます。AC電源100Vの電源からトランスで十数ボルトの低電圧AC電圧を取り出し、ダイオードを利用した整流回路、コンデンサによる平滑回路で実験用のDC電源を得る場合の各回路の動作状況を検討します。
シミュレーションは、トランスの出力の低電圧のAC電源から始めます。AC電源はVoltageを正弦波出力に設定したものを用います。
AC電圧と周波数の設定を行います。周波数は東日本の50Hzを設定します。Amplitudeの値は、DCオフセットが0Vのときの最初の波形のピーク値と等しい値を設定します。Amplitudeにマイナスの値をセットすると、次に示すように位相が180度、半波長分ずれます。
AC電圧の表示は通常実効値
通常、交流の電圧はここでAmplitudeに設定した波高値でなく、実効値と呼ばれる値を用います。抵抗負荷に消費される電力は電流×電圧と等しくなります。実効値とは、所定の直流電圧を抵抗負荷に加え消費される電力と同等になる交流電圧の平均値となります。この平均値は、瞬時ごとの波高値を二乗した総和の平均値を求め、その平方根となり、RMS(Root Mean Square value)と表示します。正弦波の場合、実効値と波高値の間には、次の関係があります。
実効値=波高値/1.414
電力会社から供給されるAC100Vの100Vは実効値の値で、波高値は実効値の2の平方根倍して141Vのピーク電圧となります。
ダイオードによる整流回路
ダイオード1本による整流回路の動作を確認します。ダイオードのリストの中にローム社の整流用のダイオードがありましたので、そのダイオードを選択しました。1Aの平均電流が流せる、耐圧40Vのショットキー・バリア・ダイオードです。このダイオードに加わる電圧を確認するために、ダイオードの前後にラベルD-INとD-OUTを用意しました。
グラフの軸の目盛りの変更
電流の軸の目盛りを変更して、電圧、電流のラインが両方見えるようにします。
グラフの電流軸をクリックすると、次のグラフの軸の設定ダイアログが表示されます。マウス・ポインタをグラフの電流軸の上に持って行くとマウスポインタの形がスケールに変わります。マウス・ポインタがスケールの状態で左ボタンをクリックすると表示されます。
グラフ表示のペインを追加
次に、グラフ表示のためのペインを追加し、D-IN-D-OUTのダイオードに加わる電圧を表示してみます。
順方向の電圧は0.4Vくらいですが、正弦波がマイナス側に触れているときは逆方向の18V以上の電圧が加わっているのがよくわかります。
Traceを一つしか追加しませんでしたが、複数の項目を選択表示できます。また、グラフ表示できるのは、各測定ポイントの値だけでなく差のデータ、比率などの計算値なども表示できます。
次回は、コンデンサを追加して平滑回路について考えます。
<神崎康宏>
