増幅回路や、フィルタ回路などアナログ回路の信号源の基本となるのが正弦波です。この正弦波をVoltage、batteryのコンポーネントで作成する方法を説明します。
正弦波の設定
Voltageのコンポーネントから正弦波を出力し、次に示すCR回路に正弦波を加えるテスト回路で正弦波の設定方法を説明します。
V1のVoltageのシンボルをマウスの右ボタンでクリックします。次のVoltageなど電圧源の設定ダイアログが表示されます。
電圧源の機能の選択、DC、AC電圧などの設定ウィンドウが表示されます。
次に示すように、正弦波の設定に必要な項目が入力できるようになります。
出力される正弦波については、信号の大きさ、シミュレーション開始から、信号が立ち上がるまでの遅延時間、任意の周波数を設定でき、信号を減衰するためのファクタの設定、位相の設定、出力信号の数なども設定できます。
設定項目
DC offset[V] 正弦波に直流成分が重畳している場合、ここにDC成分の電圧を設定します。Amplitude[V] 正弦波の出力電圧を設定します。正負の電圧の絶対値を設定します。
Freq[Hz] 正弦波の周波数を設定します。
Tdelay[s] 正弦波の出力に遅れがある場合、遅延時間。遅れがない場合0の設定か、空白にしてもよい。
Theta[1/s] 出力正弦波を時間とともに減衰させるときの減衰の速度を設定する定数
Phi[deg] 正弦波の位相が0から始まらない場合、開始位相をここで設定する。複数の位相のずれた正弦波が必要な場合ここで設定できる。
Ncycles 出力する正弦波のサイクル数をここで設定できる。設定しない場合連続して出力される
例1 1kHz 1Vの正弦波を連続で出力する
正弦波を1kHz、1Vで連続して出力する設定を行います。
その後ツール・バー人が走っているRUNをクリックすると、シミュレーションを実行します。シミュレーション実行後、V1とR1の間の配線をマウスの左ボタンでクリックして、V1からの正弦波をグラフ表示した結果を次に示します。
0Vを中心に、ピークが1Vの正弦波表示されます。正弦波の開始も0m秒から立ち上がっています。
また、V1のシンボルの横にSINE(0 1 1k)と先ほど設定したDC offset 0、Amplitude 1、 Freq 1Kと内容が表示されています。この設定条件を変更してみます。SINE以下の文字列をマウスの右ボタンでクリックすると、次のダイアログ・ウィンドウが表示されます。
例2 各機能を設定してみる
サイクル数を9と指定したので、9波長の出力で正弦波の出力は停止しています。シミュレーションは、.tran 15mで指定した15m秒間行っています。
減衰係数の指定
正弦波の減衰は、最初に設定したAmplitudeの値に次に示す自然対数に経過時間と減衰係数を乗算した値をマイナスの指数にした式で計算された値を乗算して決めます。
exp(-(経過時間―Tdelay)×Theta)
経過時間と減衰係数の乗算結果が1になると減衰値は約1/2.718=0.368 となります。
上記の例ではTheta=200(1/s)Tdelay=1ms
(経過時間―1ms)×200(1/s)=1
(経過時間―1ms)=1000(ms/s))/(200(1/s))
(経過時間―1ms)=5ms
経過時間=6ms
マウス・ポインタでグラフの座標が読み取れる
上記の正弦波のグラフで、6m秒の位置で前後の波形のマイナスピークを結んだ線と時間軸との交点に十字のマークになったマウスポインタをもって行くと、ウィンドウの下の欄に、
X=5.96ms Y=-0.164V
とマウスポインタのグラフ上の座標が表示されます。これにより、波形の任意の場所を読み取ることができます。
DCオフセット分0.2V+0.164V=0.364Vで減衰値とほぼ一致した値になります。
次回は、BIコンポーネントを使用してパルス波とこの正弦波合成し、シミュレーション用の信号源を作ることを考えます。
<神崎康宏>
