ラジオの調整や修理に便利なシグナル・インジェクタを作りました。これはトランジスタ2石のマルチバイブレータ方式の発振器です。
マルチバイブレータの出力は、方形波という角ばった波形の信号です。方形波は基本となる周波数の信号に、その整数倍の周波数の信号がいくつも重ね合わさってできています。そのため、このシグナル・インジェクタ1台で、ラジオの高周波から低周波までのすべての回路の動作状態を調べることができます。
シグナル・インジェクタの回路を図1に、ブレッドボード上の配線図を図2に示します。
電源は乾電池1本の1.5Vですが、1Vくらいまで下がっても動作します。しかも消費電流は0.2mA程度ですから、電池は相当長持ちすると思い ます。組みあがったら出力端子にクリスタル・イヤホンをつないで「プー」と聞こえれば成功です。試作機では出力周波数が590Hzになりました。C1と C2を大きくすれば低い音に、小さくすれば高い音になります。
使い方は、ラジオの電源を入れ、本機のアース端子をラジオのアース側(電池のマイナス極など)につなぎ、出力端子に付けたリード線でラジオの各部 分に触れていきます。壊れて音が出ないラジオの場合は、出力回路(スピーカに近いところ)から順に調べると良いでしょう。前段へ行くにしたがって音が大 きくなるので、信号を増幅していることが実感できます。なお、真空管ラジオの試験をするときは、C3を耐圧が500Vのものと交換してください。
ブレッドボードでうまくいったら、ペンライトなどのケースに組み込んで、スズ・メッキ線の探針を付ければ使いやすいものに仕上がるでしょう。小さい ケースに入れたシグナル・インジェクタを手に持って使う場合は、アース側はラジオと接続しなくても信号が受信できると思います。
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ブレッドボードを用いて作るラジオについては、こちらの本をご覧ください。

