次の全波整流回路をブレッドボード上に組み立て、前回のLTSPICEでのシミュレーション結果と比較してみます。
電源は、連載(36)で使用した9Vの積層乾電池二つで作ったプラス/マイナスの電源を使用します。回路図には描いてありませんが、LM358の8番ピンに+9V、4番ピンに-9Vの電源を供給します。
同じ値の抵抗を揃える
R1からR10の抵抗の値をできるだけ揃えると、プラス/マイナスの波形の増幅率を同じにできます。そのため、10kΩの100本の袋の中からディジタル・マルチメータで抵抗値を測定して選びました。9.84k±0.003kの範囲で揃えることができました。
袋の中の10kΩの抵抗は、9.81から9.93の範囲に収まっていました。
抵抗は(茶、黒、橙、金)で5%の精度です。製造されたロットごとのばらつきは5%で管理されていますが、購入した同じ袋の中のばらつきは、かなり小さい値になっているようです。
回路をブレッドボードに組む
回路を組み込んだブレッドボードを、次に示します。
ジャンパ線はスズ・メッキ線なので、写真では少し見にくいですが、回路図を参照するとわかります。ブレッドボードの制限された条件でどのように配線をつなぐか考えるのも少し楽しいパズルです。併せて少し楽しんでください。
回路の出力結果
オシロスコープで確認した結果です。
マイナスの波形を整流された結果の青い波形はきれいに反転しています。しかし、プラスの波形は0V近くで少し乱れがあります。シミュレーションの時も、整流結果は元の波形がプラスの波形の開始時に数十mVですがオーバシュートが生じていました。周波数を50Hzくらいに下げるとオーバーシュートもなくなっています。
当面の音声スイッチの目的には大きな影響を与えませんが、高速のアナログ信号の増幅では、対象となる信号の周波数などの特性とOPアンプの周波数特性など高速のデータ処理の性能が結果に大きく影響をあたえます。これらについては別の機会に詳しく検討する予定です。
単一電源での全波整流回路
最近は、OPアンプも単一電源で動作するものも多くなり、できれば単一の電源で済ましたくなります。次は、単一電源での全波整流回路を少し検討します。
<神崎康宏>
