全波整流回路について、直流電源として利用できるようにコンデンサを挿入して整流した出力を平滑化します。その際、コンデンサの容量をどの程度の大きさにすればよいか検討します。
検討の条件として、前回の整流回路の出力をコンデンサによる平滑回路で平準化し、プラス15Vの安定化電源出力を得るものとします。
その際、全体の回路をシンプルにするために、三端子の固定出力のレギュレータICを使用して、安定化電源を得るものとします。
この三端子レギュレータの電圧降下分を3Vとして、平滑化出力の最低電圧は、
安定化出力の電圧(15V)+ レギュレータの電圧降下分(3V)
= 15 + 3 = 18V となります。
ブレッドボードで電子回路のテストを行うときの電源を想定して、0.5Aの最大電流を満足するものとします。
以上の条件をまとめると、
安定化出力 15V
レギュレータのドロップ電圧 3V
最大消費電流 0.5A
負荷を 36Ω
として、平滑回路のコンデンサの容量を確認します。
コンデンサの容量をパラメータ変数CXとして定義します。コンデンサの容量を800μFから倍々で増加し6400μFまで増加させます。倍に増加させる間のシミュレーション・ポイントを1点に設定します。
以上のパラメータを変更して行うシミュレーションを.stepコマンドで指定しています。
.step oct param CX 800u 6400u 1
シミュレーションの結果は、次に示すようになります。
電圧表示のこの部分を細かく確認するために、1200μFから2400μFまで200μの刻みで増加してシミュレーションを行ってみます。
.step param CX 1200u 2400u 200u
と指定して再度シミュレーションを実行します。
シミュレーション結果そのままのグラフ表示の画面では、マイナス2Vから22Vのレンジの表示になっています。16Vから20Vの範囲を拡大表示してこの範囲での変化を詳細に検討します。そのために、連載11で示した表示軸の上限、下限の値を変更する方法と、拡大表示したい範囲をドラッグする方法があります。
ここでは、マウスで0msの15V、21Vと100msの15V、21Vの範囲をドラッグしました。その結果、次に示すようにドラッグした範囲が拡大表示され、リプルの18V以上になるコンデンサの容量を求めることができます。
ステップ動作のトレースの選択
ステップ動作でステップごとにラインの表示のオン/オフが行え、ステップ動作の変化を各ラインごとに追うことができます。グラフ表示の画面上でマウスの右ボタンをクリックするとメニューのリストが表示されます。
マウスで表示したい項目の欄をクリックすると、クリックされた項目のみ青に反転します。複数のステップの表示を行う場合、Ctrlキーを押しながらマウスでクリックすることで複数の表示ができます。CXの値が1600μF、1800μF、2000μFの容量を選択し表示しました。
2000μFでリプルは18V以上になっています。このようにパラメトリック解析を行うと、比較的容易にデバイスの適正な値を求めることができます。
