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LTSPICE入門(連載15) ブリッジ・ダイオードの全波整流回路して±安定化電源を作る

 整流回路、平滑回路、三端子のレギュレータICを使用して構成した±2電源の安定化電源についてシミュレートしてみます。

 センタ・タップ付きのトランス、ブリッジ整流回路、コンデンサによる平滑回路、±の三端子レギュレータで構成します。
 三端子レギュレータは、リニアテクノロジー製で電圧出力が固定のものは12Vが最大でしたので、±12Vの安定化電源にしました。

LTSP150010.jpg

プラス電源
  プラス電源はLT1086-12を使用しました。負荷は0.5Aの電流を流すため24Ωの抵抗にしました。
マイナス電源
  マイナス電源は、可変出力のLT1964-SDをコンポーネントのPower Productsの中から選びました。最大電流200mAのものです。

コンポーネントの配置を変える
 マイナス電源LT1964-SDの配置は次のようにして上記のように配置します。

 

LTSP150020.jpg

 コンポーネントを取り出したときは、GNDが下になっています(図の左端)。このコンポーネントを確定する前にCtrlキーとRキーを押して配置を90度回転します。これを2回続けて180度回転し上下が変わります(図の中央)。この状態ではINとOUTが反対になっていますので、確定せずCtrlキーとEキーを押して左右反転(ミラー)します。これで右端の状態になります。
 途中で確定した場合は、ツールバーの移動コマンドを選択し、コンポーネントをマウスでクリックするとコンポーネントはグレイの表示になり、回転やミラー反転ができる状態になります。

シミュレーション結果
 プラス電源のシミュレーション結果を次に示します。


LTSP150030.jpg

 緑色のラインがプラス電源の出力のOUT+のポイントの電圧の変化です。赤がレギュレータへの入力ポイントV+2の電圧の変化です。平滑コンデンサの容量によってリプルの大きさが変わっています。

 この回路では、1200μF以上の平滑コンデンサの容量が必要なのがわかります。600μFの平滑コンデンサの場合、リプルの谷は12V以下になるので、安定化出力にもリプルが現れているのが確認できます。

マイナス電源のシミュレーション
 負荷電流が0.2Aですのでリプルは小さく、安定化出力を維持できないような状態にはなりません。

 

LTSP150040.jpg ただし、リプルが大きい場合出力にも微小なリプルが現れています。リプルの大きい平滑コンデンサ600μFのシミュレーション・ステップの縦軸を拡大してみます。
 グラフの軸のメモリの上にマウス・ポインタを持っていくと、マウスが物差しの形になります。この状態で左ボタンをクリックするとスケールの上限値、刻み幅、下限値を設定するダイアログが表示されます。上限値を-11V、刻み幅を0.5V、下限値を-17.5Vに設定した結果です。


LTSP150045.jpg

 出力には、減衰していますがリプルが残っています。また最初の出力電圧は-12Vより少し絶対値で小さい値になっています。出力が安定するまで少し時間がかかります。

リプルが少ない場合にも同様な結果
 次に示すのは、画面でマウスの右ボタンをクリックし、Select Stepsでステップ動作の、平滑コンデンサの容量の大きいもを選びました。この場合は4800μFを選んだ結果です。シミュレーション時間を少し長く、500msにして安定化する様子も確認しました。


LTSP150050.jpg 平滑コンデンサが4800μFになると、リプルも小さくなります。併せて出力の微小なリプルも小さくなっています。出力電圧は300ms位から-12Vに収斂し以後安定しています。回路シミュレータがあると、実際の回路を組み立てる前に随分いろんなことがわかります。

 次回から、ダイオード、トランジスタの動作を確認してみます。

<神崎康宏>


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