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LTSPICE入門(連載18)新しいトランジスタのSPICEモデルの追加(1)

トランジスタのSPICEモデルを追加する
   LTSPICE/SwitcherCADIIIのユーザーズ・ガイドに、トランジスタなどのSPICEモデルの追加方法の解説があります。次の三つの方法が提示されています。
1. 回路図上に.Modelコマンドで指定
   回路図上に .Modelステートメント デバイスのSPICEモデル・データを記述して実行する方法。
2. Libファイルで .Modelを指定
 エクステントがLIBのデバイス・モデルを格納するファイルを用意します。新しく追加するトランジスタのSPICEモデルのデータをこのlibファイルに格納します。次のSPICE命令で回路図にライブラリ・ファイルの指定を行います。
   .include myltspice.lib 
3. standard.bjtファイルに格納する
 ¥lib\cmp\フォルダにあるstandard.pjtファイルにトランジスタのSPICEモデルを格納すると、あらかじめ設定されているデバイスと同じように、トランジスタの選択画面のリストに追加されます。


それぞれの方法について試してみる
 トランジスタは電子工作にもよく利用される2SC1815を使用します。この2SC1815のSPICEモデルは、「PSPICE入門編」CQ出版の付録に添付されたSPICEモデルを使用しました。

*2SC1815のSPICEモデルの入手方法  「電子回路シミュレータPSpice 入門編」棚木義則編著 CQ出版

の付録のCD-ROMのlibraryフォルダの中にある、toragi.libファイルにQS1815の名で.mdelのSPICEデータが定義されています。同じものがトラ技2005年10月号の付録にも格納されています。入手してください。


1. 回路図上に.Modelコマンドで指定
  前回の回路のトランジスタを2SC1815にするには、デフォルトのNPNトランジスタを、2SC1815に変更します。
(1) デバイス名の変更
 デバイス名のNPNをマウスの右ボタンでクリックし、名称を変更するダイアログ・ボックスを表示し、トランジスタの名称をNPNから2SC1815に変更します。
(2) .model命令の追加
 ツールバーの「.op」アイコンをクリックしてEdit Text on the Schematicの回路図にテキスト・データを書き込むダイアログを表示します。SPICE directiveのSPICE命令がオンになっていることを確認します。
 テキスト入力欄にtoragiribの2SC1815のSPICEモデル・データ「.MODEL QC1815 NPN ・・・」を設定します。

名称などを回路図の記述に合わせる
 元のデータは、SC1815がQC1815、VafがVAとなっていました。QCはトランジスタの名称をそのまま利用していますので、そこを2SC1815に変更しました。VAはSPICEのマニュアルおよびLTSPICEのユーザ・ズマニュアルのバイポーラ・トランジスタのパラメータの定義でVafとなっていたので、変更しました。
 2SC1815はデバイスの名称と.Modelで定義した名称が一致しなければエラーになります。パラメータはVAでもエラーは生じません。
 VA、VAF両方でこの値を変更し「コレクタ電流・(C-E)電圧」の変化についてパラメトリック解析を行い同じ結果が得られました。VAをVAFと解釈していると思われます。ユーザ・マニュアルの定義に合せてVafに変更しました。
 これらの設定を行い、シミュレーションを行った結果を次に示します。


LTSP180010.jpg  この条件では、デフォルトの理想的なトランジスタと同様に入力パルスに対して時間遅れもなく再現されています。

2. Libファイルで .Modelを指定
MyLTSPICE.libを作る場合
   LTSPICEが利用するシンボル、デバイスのモデル・データはインストール時に作成される
          c:\Program file\LTC\SCADIII\lib
のフォルダに格納されます。デバイスのSPICEモデルは、
           \lib\sub
のsubフォルダに格納されます。新しいデバイスのモデル・データの記述されたファイルをこのフォルダに格納しておき、
       .include ファイル名
を回路図に記述すると、シミュレーション開始時にこのファイルを参照し実行します。
 ここでは、subフォルダの中にmylibフォルダを作成しその中に各種のデバイスのSPICEモデル・データのファイルを格納しました。
 メモ帳を起動し、前項の1.で作成した「.model 2SC1815 ・・・」の記述をコピーします。このファイルを

      c:\Program file\LTC\SCADIII\lib\sub\mylib

のフォルダにmyltspice.libの名称で保存します。
 回路図の.modelのコマンドに代えて、 

    .include mylib\myltspice.lib

のファイルの読み込みの指定を行います。フォルダ・アドレスは、上記のように相対アドレスで指定するほかに、ドライブ名からの絶対アドレスで指定することもできます。
 この場合のシミュレーション結果を次に示します。パルスの幅を1/1000にして見ました。


LTSP180020.jpg   2SC1815は低周波電圧増幅用のトランジスタですので、1MHzくらいの周波数になると再現性が悪くなります。特にパルスの再生は基本周波数が1MHzでも高次の高調波を多く含んでいてこれらの高次高調波の再生ができないとパルスが再現されません。シミュレートしてみると、実在のデバイスの適用範囲がよくわかります。
    3の方法は、次回に説明します。

<神崎康宏>

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