コンポーネントのリストにないデバイスの追加
LTSPICEシミュレーションで使用するデバイスのシミュレーション・モデルは、トランジスタやダイオードなどのように.modelステートメントで指定するパラメータ・モデルと、.subcktステートメントにより、OPアンプなど内部に複数のデバイスや回路をもつデバイスを対象としたSPICE用マクロ・モデルがあります。
SPICE用マクロ・モデル
トランジスタなどと異なり集積化されたOPアンプ、その各種IC化されたデバイスは内部に多くのデバイスをもっています。この内蔵された全デバイスについてシミュレーションすると回路規模が膨大になり実用的でなくなります。そのため、内部の回路を等価回路に置き換え、コンパクト化を図ったSPICEモデルがマクロ・モデルとして各社から提供されています。
標準で用意されていないデバイスについても、このSPICE用のマクロ・モデルがメーカから提供されている場合、マクロ・モデルをLTSPICEに組み込むことで、LTSPICEでシミュレーションできるようになります。
新たなOPアンプのSPICEモデルを組み込む方法
LM358のSPICEモデルの準備 ダウンロード
今回は、電子工作でよく利用される汎用のOPアンプLM358をLTSPICEで利用できるようにします。SPICEモデルはナショナルセミコンダクター社のWebサイトに公開されています。ダウンロードしておきます。ダウンロード・サイトは日本語化されてわかりやすくなっています。
NSのホームページから、アンプを選択し、見出しの設計ツールの中にあるSPICEをクリックすると、次のNS社のアンプのデバイスについてのSPICEのマクロ・モデルのダウンロード・ページになります。
Program files\LTC\SwCADIII\lib\sub\mylib
mylibフォルダとなります。
LM358のシンボルの設定
ツール・バーのコンポーネントをクリックし、次にOpampsのフォルダを選択します。Opampsのフォルダの中のopamp2をLM358のシンボルとして利用します。
opamp2のカスタマイズ
opamp2のシンボルをマウスの右ボタンでクリックすると、次に示すコンポーネントの仕様を編集するダイアログが表示されます。このダイアログ・ウィンドウを使用してopamp2のカスタマイズを行います。
コンポーネントの名前の変更
Valueの欄のopamp2の名称をLM358//NSとダウンロードしたLM358のSPICEモデルの「」の後に示されているデバイスの名称と同じにします。ダウンロードしたモデルには、次のように示されています。
.SUBCKT LM358/NS 1 2 99 50 28
マウスでValueを選択すると、上記のように、上部のテキスト・ボックスに変更する名称が入力できるようになります。
名称を変更した後は、SPICEモデルが格納されているファイル名をフォルダ名も含めて
.includeステートメントで指定します。
.include mylib\lm358.lib
と示します。フォルダ名はドライブ名からの絶対アドレスで指定もできます。上記のようにsubフォルダ内にフォルダ、ファイルをセットする場合は、相対アドレスで指定が簡単でわかりやすくなります。
LTSPICEに登録されていない5ピンのOPアンプを使用する場合は、
SPICEモデルをmylibフォルダ内にlibファイルとして登録する
opamp2のシンボルをセットし名称をSPICEモデル内で定義された名称にかえる
.includeステートメントでlibファイルの読み込みを指定する
以上で利用できるようになります。
次回は、新しく追加したLM358/NSのシンボルを登録する方法を示し、より利用しやすくします。
<神崎康宏>
