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LTSPICE入門(20)OPアンプのマクロモデルの追加(1)

コンポーネントのリストにないデバイスの追加
 LTSPICEシミュレーションで使用するデバイスのシミュレーション・モデルは、トランジスタやダイオードなどのように.modelステートメントで指定するパラメータ・モデルと、.subcktステートメントにより、OPアンプなど内部に複数のデバイスや回路をもつデバイスを対象としたSPICE用マクロ・モデルがあります。

LTP2000080.jpgSPICE用マクロ・モデル
 トランジスタなどと異なり集積化されたOPアンプ、その各種IC化されたデバイスは内部に多くのデバイスをもっています。この内蔵された全デバイスについてシミュレーションすると回路規模が膨大になり実用的でなくなります。そのため、内部の回路を等価回路に置き換え、コンパクト化を図ったSPICEモデルがマクロ・モデルとして各社から提供されています。

 標準で用意されていないデバイスについても、このSPICE用のマクロ・モデルがメーカから提供されている場合、マクロ・モデルをLTSPICEに組み込むことで、LTSPICEでシミュレーションできるようになります。

新たなOPアンプのSPICEモデルを組み込む方法
LM358のSPICEモデルの準備 ダウンロード
   今回は、電子工作でよく利用される汎用のOPアンプLM358をLTSPICEで利用できるようにします。SPICEモデルはナショナルセミコンダクター社のWebサイトに公開されています。ダウンロードしておきます。ダウンロード・サイトは日本語化されてわかりやすくなっています。
 NSのホームページから、アンプを選択し、見出しの設計ツールの中にあるSPICEをクリックすると、次のNS社のアンプのデバイスについてのSPICEのマクロ・モデルのダウンロード・ページになります。


LTP2000010.jpg このページの続きに、次のSPICEモデルが用意されているデバイスの一覧表が現れます。

 

LTP2000020.jpg 表の中から、LM358をクリックするとデバイスの技術情報のページになり、LM358.MODをクリックすると次のSPICEモデルが表示されます。SPICEモデルのデータはテキスト・データですので、全データをメモ帳などにコピーしLM358.libのファイル名で保存します。

 

LTP2000030.jpgLM358.libの保存先のフォルダは、次に示す、
  Program files\LTC\SwCADIII\lib\sub\mylib

mylibフォルダとなります。

 

LTP2000040.jpg以上で、LM358のSPICEモデルの準備が完了します。

LM358のシンボルの設定
  ツール・バーのコンポーネントをクリックし、次にOpampsのフォルダを選択します。Opampsのフォルダの中のopamp2をLM358のシンボルとして利用します。


LTP2000050.jpg このOPアンプのシンボルは、5ピンのOPアンプを新たなに導入する場合のシンボルとして用意されています。このopamp2を次に示すように回路図上にセットします。コンポーネントの仕様を編集するウィンドウが表示されます。

 

LTP2000060.jpgopamp2のカスタマイズ
  opamp2のシンボルをマウスの右ボタンでクリックすると、次に示すコンポーネントの仕様を編集するダイアログが表示されます。このダイアログ・ウィンドウを使用してopamp2のカスタマイズを行います。

 

LTP2000070.jpgコンポーネントの名前の変更
  Valueの欄のopamp2の名称をLM358//NSとダウンロードしたLM358のSPICEモデルの「」の後に示されているデバイスの名称と同じにします。ダウンロードしたモデルには、次のように示されています。
  .SUBCKT LM358/NS 1 2 99 50 28
 マウスでValueを選択すると、上記のように、上部のテキスト・ボックスに変更する名称が入力できるようになります。


 名称を変更した後は、SPICEモデルが格納されているファイル名をフォルダ名も含めて
.includeステートメントで指定します。
  .include mylib\lm358.lib
と示します。フォルダ名はドライブ名からの絶対アドレスで指定もできます。上記のようにsubフォルダ内にフォルダ、ファイルをセットする場合は、相対アドレスで指定が簡単でわかりやすくなります。


  LTP2000090.jpg OPアンプを反転増幅器として1kHzの正弦波を加えてテストしてみました。LM358を単一電源で動作させました。そのため、+入力端子に加わる電源電圧の1/2の2.5Vの電圧を信号源の正弦波にオフセット電圧として加えています。オフセットを加えない場合は信号源V1と入力抵抗R2との間に直流成分をカットするコンデンサが必要になります。
 LTSPICEに登録されていない5ピンのOPアンプを使用する場合は、

 SPICEモデルをmylibフォルダ内にlibファイルとして登録する
 opamp2のシンボルをセットし名称をSPICEモデル内で定義された名称にかえる
 .includeステートメントでlibファイルの読み込みを指定する

以上で利用できるようになります。

 次回は、新しく追加したLM358/NSのシンボルを登録する方法を示し、より利用しやすくします。

<神崎康宏>

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