入出力信号の比較について
今回は、フィルタ回路の入力信号と出力信号を比較する方法を検討します。回路としてはCRのフィルタ回路について考えます。今回も、次に示す抵抗とコンデンサのフィルタ回路を例に考えます。
AC解析
AC信号を1Vに設定します。V1をマウスの右ボタンでクリックし、ADVANCED を選択し、電圧源の詳細を設定するウィンドウでAC解析用の信号電圧を1Vに設定してあります。AC解析の設定は掃引タイプをデフォルトのOCT、掃引開始周波数を10Hzから1MHzまで掃引します。
シミュレーションを行い、その結果を次に示します。
AC解析の結果
まず、OUTのラベルをマウスでクリックして、OUTの部分の電圧を表示します。周波数が高くなるにつれて、出力電圧が減少しています。位相のずれが赤い点線で表示されています。10kHzの周波数の位相が-81度と読み取れました。この位相のずれが実際にどのようなものか後で確認します。
マウスでドラッグして差を求める
回路図のINとOUTの電圧の差(R1の電圧降下)をマウスのドラッグだけで求めることができます。図に示すように、マウスポインタをINの配線のところにもって行きプローブになったことを確認しマウスのドラッグを開始します。ドラッグの開始点には赤いプローブが残り、マウスの移動に応じて黒いプローブが移動します。
電圧の差を求めるポイント(OUT)でドラッグを終えると、図に示すようにV(IN、OUT)のシミュレーション結果が表示されます。ドラッグを終了する際、プローブが黒になっていることを確認します。回路図の測定点からずれて配線のノードを指していない場合にはプローブはグレイの表示になっています。図のように黒いプローブが確認してあればその2点間の差が表示されます。
入力と出力の波形を比べる
次に、V1の電圧源から10kHz、1Vの正弦波を出力しOUTでの出力波形を確認します。上記の図から、10kHz の信号の場合は-16dbで-90度の位相の遅れがあります。
過渡解析(Transient)設定
V1の出力を10kHz、1Vの正弦波出力と設定し、シミュレーション時間を10msに設定しました。この状態でシミュレーションを実行し、OUTの電圧をグラフ表示しました。
グラフの先頭部分をドラッグすると次に示すように、ドラッグした部分がグラフ表示エリア全体に拡大表示されます。マウスの操作だけで拡大表示でき便利な機能です。
ツールバーのUNDOをクリックするとグラフ表示も元に戻るので、試行錯誤を何回でも繰り返すことができ安心です。
新しいデータ表示の追加
グラフ画面をマウスの右ボタンでクリックし、プルダウン・リストのAdd Tracesを選択します。
入力信号を出力信号と位相の比較ができるように、入力信号を出力信号と同じ大きさになるよう縮小して表示します。そのために0.15倍します。
V(in)*0.15
と設定します。実際は*0.15を追加します。その後OKボタンをクリックした結果を次に示します。
(22.5/100)*360=81度
となりAC解析で確認した値と一致します。
<神崎康宏>
