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簡単ライン・トレース・カー (1)

 ライン・トレース・カーは、任意に引いた黒いラインをたどって進むモデル・カーのことです。最も簡単な自律型ロボットと位置付けすることもでき、また必要な電子工作自体もそれほど難しいものではありませんので、電子工作の入門書にはよく掲載されています。
 黒いラインを最低二つのセンサで検出し、その信号をマイコンなりロジックICなりで演算させ、左右の車輪の動きを制御することによってラインをたどって行きます。

 今回は、プログラミングの必要なマイコンなどは使わず、また部品点数も可能なかぎり少なくして、しかもディジタル回路の勉強に役立つようなライン・トレース・カーを作ってみました。工作も楽にできるようにアレンジしましたので、小中学生の入門用としても利用できると思います。

 まずは、次に示す動作テスト用の回路図を見てください。

イメージ-1.jpg

 床上のラインの検出は、発光ダイオードとフォト・トランジスタがセットになっている反射型フォト・センサRPR220を使います。床が白くて発光ダイオードからの光の反射がフォト・トランジスタに届く場合は、フォト・トランジスタのコレクタ側出力電圧はLow ("L")、逆に床が黒くて反射光が届かない場合はHigh ("H")です。
 フォト・トランジスタからの出力を、ロジックICである74HC00内に四つあるNAND回路の一つに入力します。もう一方の入力を常に"H"にしておくと、床が白い場合"L"と"H"のNAND回路入力で、出力は"H"となります。逆に床が黒いと、"H"と"H"のNAND回路入力で、出力は"L"となります。
 NAND回路からの出力を、次にモータ駆動制御用のICであるTA7291Pに入力します。このICの6番ピンを接地しておくと、5番ピンへの入力が"H"のときにモータが(正方向に)回転し、"L"のときにモータは回転しないという設定になります。すなわち、床が白いとモータが回転し、黒いと回転しないことになります。
 モデル・カーの前側の下向きにこの反射型フォト・センサを左右一つずつ設置しておくと、黒いラインを検出したセンサ側の後輪が回転せず、モデル・カーはラインをトレースすることができるはずです。
 この回路が本当に動作するかを確認するために、ブレッドボード上に組み上げてみました。

イメージ-2.jpg  このブレッドボード上の回路ではフォト・センサは上を向いています。白い紙にマジックで黒いラインを書き、黒い部分と白い部分を交互にセンサ面にかざしてみると、確かにモータは期待通りの動きをすることがわかりました。フォト・センサと紙の間隔は、どうやら5mmから10mmの間がよさそうです。この間隔は、RPR220のデータシートに示されている性能と一致しています。

 次回は、実際にモデル・カーに搭載したところを紹介します。

塩山 洋

  • ロジックIC:AND、OR、NOT、カウンタ、レジスタなどの論理演算をするIC。74シリーズなどが有名。
  • NAND:Not AND。すべての入力が"H"のとき出力が"L"。ほかの入力時には出力が"H"。
  • フォト・トランジスタ:光の入力によって電流を制御するトランジスタで、フォト・センサ、フォト・カプラとして使われる。
  • 発光ダイオード:LED。赤外線から紫外線までのいろいろな波長の製品が入手できる。

<部品入手先の例>
   RPR220(ローム):
    74HC00(各社):
    TA7291P(東芝):

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