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連載キットで作る(52) 音声スイッチの作成(7)

テスト回路の回路図
 音声回路に4ビットのカウンタを追加し、拍手の数を数えました。その具体的な回路図を次に示します。回路図は前回テストした回路をそのまま示しています。
 LMC555の出力を。TC74HC161Pの2番ピンのCK(クロック入力)に接続しています。

kt520010.jpg

TC74HC161の出力の能力
 TC74HC161の出力は流せる電流があまり多くありません。4mAくらいしか流せない場合もあります。ここでは、十分な余裕をもってトランジスタで電流増幅をしてLEDを点灯することにしました。
 トランジスタは、電子工作の本では2SC1815(東芝)のトランジスタを使用するのが定石ですが、ローム社の2SC1740を使用しました*注1


kt520020.jpg トランジスタは、トランジスタのベースに流れる電流の百倍から数百倍のコレクタ電流を流すことができます。
 この場合、カウンタからの出力はHの状態でほぼ電源電圧の5Vになります、ベースの電圧は0.7Vくらいになります。抵抗RBは、4.3Vでベースに0.5mAから0.1mAくらいの電流を流すために、10kΩから50kΩの抵抗を接続します。コレクタ電流は10mAくらいに制限しますので、LEDの電圧降下が2Vくらいで抵抗RC電圧降下分が約3Vとなります。
  3V/0.01mA で300Ωになり、
 一般的な330Ωを使用し約10mAに電流をが制限します。
 今回使用した2SC1740のランクがQでhfeは120~270ですから、十分な電流が流せます。


通常のICを駆動するための能力は十分ある 
 LEDを明るく点灯するためにはドライブ能力が少し物足りません。しかし、ほかのICを駆動するためには十分な能力を持っていますので安心して使用してください。

プリセット
 TC74HC161はカウンタをプリセットできます。A~Dに初期値のH、Lの値をセットしておくとロード端子2番ピンがLの状態でCKの立ち上がりに同期してプリセットされます。初期値を0にする場合は、1番ピン(リセット)端子をLにしてリセットまたはクリアすることができます。0以外の初期値をセットする場合は、このプリセット機能を利用します。

リセット回路を追加
 前回使用した上記の回路では、電源を投入するたびに初期状態のLEDの点灯状態が変わります。毎回電源を投入した後は全LEDが消灯している0にクリアするため、次のCRによるパワーオン・リセット回路を追加します。

 

kt520030.jpg TC74HC161の1番ピンは、Lになるとカウンタはリセットされます。1番ピンにコンデンサが接続され、コンデンサには電源から1kΩの抵抗を介して充電されますので、TC74HC161に電力が供給されてもこの1番ピンはLのままでカウンタがリセットされます。
 このリセット回路のコンデンサは、555タイマのC2の10μFのコンデンサを1.5μFに変更し、あまった10μFのコンデンサをリセット回路に利用すると、連続した拍手にも対応し、電源投入時にはカウンタが0から始まるようになります。
 次回は、このカウンタの3ビットを利用して自走車の運転制御を行う方法を検討します。


<神崎康宏>

注1
 汎用の小信号用トランジスタである2SC1815は、製造会社である東芝から回路シミュレータ用のSPICEモデルを入手できませんでした。ローム社の2SC1740はローム社がWebでSPICEモデル・データを公開し利用者の利便を図っています。どちらも一般増幅用の汎用品の位置づけなので、今後はメーカー発表のSPICEデータがある2SC1740を使用することとして50個ばかり購入してあります。
 東芝も新しいトランジスタのSPICEモデルは多くあり発表していますが、昔から使用されている汎用品についてはWebからは入手できていません。

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