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簡単ライン・トレース・カー (3)

 前回は、簡単ライン・トレース・カーが完成したところまで紹介しました。今回は、これを製作する際に小中学生でもチャレンジできるように、留意した点について補足します。
 
 この連載の第1回目には作動テスト用の回路図を示しましたが、ライン・トレース・カー実機の回路図もセンサとモータが左右1対となっているだけで、まったく同じです。ロジックICの74HC00にはNANDが4回路入っているので、そのうちの2回路を使います。
3-1.jpg
 動作の概要を、この回路図の上側部分を用いて説明します。
 まずフォト・センサが白地上にあるときは、PRP220の発光ダイオード部からの光が白い床で反射されてフォト・トランジスタに届きます。この場合フォト・トランジスタに電流が流れて、電圧降下のために回路図中に赤で示したA部はLow(“L”)となります。A部はNAND回路の一方の入力(74HC00の10番ピン)につながっており、もう一方の入力(74HC00の9番ピン)をHigh(“H”)にしておくと、NAND出力(回路図中では青で示したB部)は”H”となります。Bはモータ駆動用のTA7291Pの5番ピンにつながっており、この設定(TA7291Pの6番ピンが”L” )ではモータは動きます。

 逆にフォト・センサが黒い線上に来ると、発光ダイオードからの反射光がフォト・トランジスタに届かず、従って電流が流れないために電圧降下が起こらず、A部は”H”です。さらにNAND回路を通したB部は”L”となり、モータは止まります。反対側にも同じようにフォト・センサとモータがありますので、あらかじめこの二つのフォト・センサの間に黒線がある状態で動かし始めると、黒線を検知した側のモータが動かなくなり、従って黒線をトレースし続けるわけです。

 もうおわかりと思いますが、フォト・トランジスタのカソード(”C”)につないである可変抵抗と抵抗は、フォト・ダイオードからの反射光がフォト・トランジスタに届くときに、白地では”L”となり、黒線上では”H”となるように調整するためのものです。ロジックICを使う場合に、”H”と”L”の分かれ目(しきい値、スレッショルド)は、”H”はVccの75%以上、”L”はVccの20%以下なら確実と考えておけばまず間違いはありません。もちろんICの種類や使用する回路によって異なりますが。そういうことをわかった上で、試行錯誤(カット アンド トライ)して、ちゃんと動くようになればいいのです。筆者の作ったモデル・カーでは、可変抵抗値が10kΩ程度のときに調子が良いようです。

 さて実際の工作ですが、基板は三つに分けました。これは各部分の役割をよりわかりやすくし、工作にあたって今どの部分をはんだ付けしているか理解するためです。車体下に取り付けるセンサ部の基板は細長いものが望ましいのですが、手持ちの中には手頃なものがありませんでしたので、ユニバーサル基板を自分で切って使いました。


p3-1.jpg 二つ目と三つ目の基板は、サンハヤトのICB-91というものを用いました。この基板にICの足をはんだ付けするところだけ少し細かい作業になります。しかし先の細いはんだゴテと直径1mmくらいのはんだを使えば、案外簡単です。ここさえクリアすれば、その後は下の写真でわかるように広い部分で作業できるようになっています。

p3-2.jpg
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 完成品の写真は次のとおりです。走行中のところもご覧ください。

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動画




 なお、フォト・センサと床との距離ですが、筆者が作ったモデル・カーでは5mmから10mmくらいが良いようです。それより長すぎても短すぎても、モータが動かなくなります。フォト・ダイオードからの光がフォト・トランジスタにうまく届かないからです。この間隔は、RPR220のデータシートから読みとれる推奨値とほぼ同じでした。
 次回はこのライン・トレース・カーをもとに、車体上部に懐中電灯の光を照らすことによって方向転換させることのできるモデル・カーを製作します。


サンハヤト:電子工作でよく使う素材や薬品類を販売している会社。プリント基板や、感光基板など、全国の電子工作関連ショップにはおいてある。
 塩山 洋
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