これまでライン・トレース・カーを簡単に製作する方法について紹介してきました。今回はこれをもとにして、新しい種類のモデル・カーを製作します。
センサとして利用が可能なものはいくつかありますが、ここでは「簡単」というコンセプトからCdSセルを選びました。このCdSセルというのは、抵抗の一種なのですが、上面に照射されている光の強さに応じて抵抗値が変わります。この性質を利用して、たとえば夕方になって暗くなると点灯する街灯の自動スイッチに使われているそうです。CdSという不思議な名前は、硫化カドミウムの化学式からきています。なおカドミウムは有害物質ですので、使用・廃棄する場合はくれぐれも注意してください。
今回作成したモデル・カーの回路図と完成品は次のとおりです。
そこで上の回路図のように半固定抵抗をつなぎ、たとえば600Ωの抵抗と直列にすれば、C点の電圧は懐中電灯照射した場合は約2.25 V( = 3×600/(200+600) )、懐中電灯を照射しない場合は約1 V( = 3×600/(1200+600) )となるはずです。すなわち前者は+3Vを電源としたディジタル回路でHigh (H)、後者はLow (L)となるわけです。
次の図を見ていただくと、よりわかりやすいと思います。
次に、左右それぞれのCdSセル下部の電圧を、ロジックIC(74HC00)内のNAND回路を用いて作ったNOT回路に入力すると、懐中電灯照射時にL、照射しないときにHの出力が得られます。これをモータ制御用IC(TA7291P)の5番ピンに入力すればよいわけです。照射した側のモータが止まり、モデル・カーはそちら側に曲がります。
使用する部品を減らす方法、つまり74HC00を使用しないという方法もあります。この場合、TA7291Pを取り付けている基板の配線を少し変更して、CdSセル下部から直接TA7291Pの6番ピンに入力します。5番ピンは、+3Vにしておくのを忘れないように。こうすることによっても先程と同様に、懐中電灯を照射した側のモータが照射している間だけ止まり、モデル・カーがそちら側に曲がります。
モデル・カーを走らせているところです。ラインなしで、走行をコントロールすることができます。このモデル・カーを走らせてみると、懐中電灯光をCdSセルに命中させるのが案外難しいことがわかりました。しかしコントロールは腕次第というのも、考え方によってはスラローム競技に発展できるかもしれません。
次回は、このCdSセルによってライン・トレース・カーに新しい機能を付加する方法を紹介します。
