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LTSPICE入門(41) トランジスタを使う2-4

発振回路のシミュレーション結果を実際の回路で試す
 次に示す前回のシミュレーションで発振を確認した、C-Rによる移相回路による一石発振回路を、ブレッドボード上に再現して実際の発振の様子を確かめます。

 
LTSP041013.jpg

抵抗、コンデンサの値を測定する
 今回使用した、コンデンサ、抵抗の値は、次に示すように、SANWAのディジタル・マルチメータPC5000でそれぞれ測定した値を回路図に記入してあります。


LTSP041010.jpg

 

LTSP041020.jpg コンデンサ、抵抗とも同じ袋に入っていたもの使用しましたので、部品間のばらつきは少なくなっていました。

ブレッドボードに回路を設定
 次に示すように、ブレッドボード上に回路を組み立てました。電源は、古い携帯電話充電用のスイッチング・レギュレータのACアダプタを使用しました。定格が出力電圧は5.6V、500mAのものです。電圧を測定すると、5.6Vで安定していました。

 

LTSP041030.jpg出力をオシロスコープで確認
 ブレッドボード上、OUTで示したトランジスタのコレクタ出力部分の波形を、テクトロニクスのTDS2004Bで測定した結果を次に示します。出力振幅が1.3Vくらいで507Hzくらいの発振周波数の波形が観測されました。

 

 


LTSP041040.jpgLTSPICEでのシミュレーション結果を、次に示します。

 

LTSP041063.jpg 波形の部分を拡大して表示すると、下の波形が少しつぶれた実測の波形と同じような波形が確認できます。波形のピークの大きさもほぼ同様です。

 

LTSP041065.jpgC-R回路による位相の遅れを確認
 前回、シミュレーションで位相の遅れ(移相)を確認しましたが、実際の回路での移相の様子を次に示します。出力(OUT)から各C-R回路の出力段のコンデンサの端子部分の波形です。OUTの波形が、C1、C2と順次、移送の遅れが生じて、C3のトランジスタの入力段で反転しているのがわかります。


LTSP041050.jpg出力波形のFFT解析
 実際の回路では発振周波数は500Hz強で、2次高調波の1kHzの波形の大きさは基本波に比べて-20dBくらいの値になっています。

 

LTSP041070.jpg LTSPICEのシミュレーションでは、基本波の周波数は440Hzくらいで実測値より少なくなっています。この周波数は、電源電圧を上げると周波数が上がり、約8Vの電源電圧で実測値と同じような値になります。周波数の軸は対数メモリでなく、リニアのメモリです。

 

LTSP041080.jpg 周波数のメモリが対数メモリなので、高調波の状況はオシロスコープの結果より高い周波数成分の値の減少が大きく見えます。
 今の段階で、今回の発振周波数の差をどのように評価していいのか悩ましいところですが、単純で安定化のための術も施していないにもかかわらず、思いのほかシミュレーション結果が実際の回路と同じで、今後の展開が楽しみになりました。


次回以後
 今回までの説明で、LTSPICEの基本的な操作、機能の主なものの説明をしてきました。LTSPICE入門では少しピッチを落とし、フォローとして必要な都度追加説明する予定です。
 一方、次回から「LTSPICEで回路の検討」として、電子工作などで利用する身近な電子回路の動作をLTSPICEでシミュレーションし、細部の動作確認を行うと共に、実際の回路をブレッドボードなどで再現することで、シミュレーション結果と比較検討を行います。

<神崎康宏>

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