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連載(4)LTSPICEで回路の検討 ウィーンブリッジ発振回路(3)

   前回、ウィーンブリッジ発振回路の正帰還回路で使用されているフィルタ回路の周波数特性のシミュレーションを行いました。その結果の検討を行います。
  次に示すウィーンブリッジ発振回路の正帰還回路にある周波数選択回路で発振周波数の信号が選択され、同じ位相の信号として増幅器のプラス入力に加わります。ここで、信号が周波数選択回路での損失以上に、増幅器で信号が増幅すると、信号はどんどん大きくなります。マイクロホンの設定が悪いとハウリングを起こすように回路が発振します。

LTSP2040010.jpg

周波数選択回路の損失を補うための増幅度
  今回は、周波数選択回路の損失をシミュレーションで確認します。まず、正帰還回路の全体の周波数特性と、ローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタの個別の周波数特性を合わせて調べてみました。


LTSP2040020.jpg 上記のグラフで、ローパス・フィルタ(FL)で高域部がカットされ、ハイパス・フィルタ(FH)で低域部がカットされ、その結果、中間部が通過領域となっているのがよくわかります。

ピークの周波数の減衰率を調べる

  IN+の周波数特性のみ表示して、電圧のスケールをdb表示からリニアの表示に変更します。電圧のスケールの表示の変更は、縦軸をマウスでクリックするとスケールの変更ウィンドウが表示され、Linearをチェックするとリニアの10進表示になります。
   「V(in+)」の表示をマウスでクリックすると次のような表示になり、グラフ表示の画面いっぱいの十字の点線のカーソル1(Cursor 1)が表示されます。このカーソルの交点がV(in+)の周波数特性の曲線に接しています。交点の周波数、電圧値、位相などが表示されます。カーソルをマウスでクリックすると、図に示すようにマウスポインタが1となり、Cursor 1が選択されたことを示します。


LTSP2040030.jpgピークを検出するために拡大表示する
  曲線のピークを検出するために、周波数特性曲線をドラッグして拡大表示します。


LTSP2040040.jpg 拡大すると周波数特性の曲線が折れ線グラフで示す曲線になっています。これは、次に示すようにオクターブ当りのシミュレーション・ポイントを10と設定しているため、周波数の間隔を大きく拡大したためのものです。

  .ac oct 10 1 1000k

 拡大時もスムーズなグラフが得られるように、オクターブあたりのシミュレーション・ポイントを100に変更します。

  .ac oct 100 1 1000k

  AC解析をオクターブあたり100ポイントでシミュレーションの計算を行い、1Hzから1000kHzまで掃引すると指定しています。Cursor1を左右にドラッグして電圧値がピークで、位相がゼロの周波数を決めます。

 


LTSP2040050.jpg

結果は 
電圧 : 333.333mV   (1V/3)
位相 : 0
周波数: 1.59kHz

 入力信号電圧 1Vに対して、0.3333333Vのフィルタ出力です。1/3に減衰した結果となりました。この回路で正弦波を発振するには3倍以上のアンプ(増幅器)の増幅率が必要なことがわかります。この結果は、入手力の関係を計算して得られた結果と一致しています。
 シミュレーションの結果を今回のようにグラフから読み取るほかに、Dot Commandsの「.MEASURE」を使用してグラフのピークの値を得てみます。
                                                                                                       <神﨑康宏>

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