音声スイッチで自走車を制御
前回のTA7291Pの回路での出力の状況
前回、TA7291Pと音声スイッチを組み合わせてテストを行いました。少々動きが鈍いのでモータに加わる電圧などを確認しました。前回の回路図では勘違いから制御部とモータ電源(VS)の電圧の値を逆に記入していました。訂正した回路図を次に示します。
前回(連載57)のテストでは、モータの駆動を乾電池2本で行っていました。そのため、動きに力不足を感じました。
TA7291Pの制御のためのロス電圧
TA7291Pは、次に示すように四つのスイッチの切り替えで、モータに加わる電流の方向を変えることによりモータの回転方向を変えています。
このスイッチはトランジスタによるスイッチイングで、0.9~1.2Vくらいの電圧降下があります。
データシートによると、
VS・プラス側出力間 : 1.0~1.3V
GND・マイナス側出力間 : 0.9~1.0V
したがって、VSの電圧から1.9~2.3V低い電圧がモータの駆動電圧となります。そのため、モータの駆動電源に3.0Vの乾電池を使用していると、モータに加わる電圧は0.7V~1.1Vほどになります。モータに3Vの電圧を加えるためには、乾電池は3本必要になります。
TA7291PのVref端子
TA7291Pの出力を定電圧出力にしてモータを駆動する機能も用意されています。そのためには、定電圧出力の基準電圧をVref端子に加えます。出力電圧は次のようになります。
出力電圧=Vref + 0.7V
この端子を使用しない場合、ノイズ対策のためVSと3kΩ以上の抵抗で接続しておきます。
モータの電源を乾電池3本にすると、自走車もガーガーと言いながら良く走ります。しかし、電池のエネルギーの1/3が制御のためのスイッチのために消費されているのが残念です。
音声によるスイッチの制御が確認できましたので、次回からはモータ制御などのバイポーラ・トランジスタやFETなどによるスイッチについて検討します。乾電池数本の電力でもスイッチによる損失を10%以下にできないか検討します。
