前回、音によるコントロールする事例を説明しました。順序が戻ってしまいますが、CdSセルによる方向コントロールの応用例を紹介します。
これまでキットとして発売されているライン・トレース・カーはもちろんのこと、電子工作の入門書籍で紹介されているものにも付いていない機能を付加し、ライン・トレース・カーを進化させることにしました。
その機能とは、ライン・トレースを一時的に解除する機能です。回路図は次のとおりです。もとのライン・トレース・カーにCdSセルの入力回路を付け加え、それに伴って74HC00の回路周辺に手を加えてあります。
本連載の第1回で記載したとおり、フォト・センサRPR220が床の黒いラインを検出すると、74HC00内のNAND回路からの出力(つまりモータ駆動用のTA7291Pへの入力)は"L"となってモータが止まりました。ところが今回の回路は、CdSセルに光照射した場合にはモータが止まらないようにしてあります。この仕組みをわかりやすいように表にしてみました。この表を見ながら、次の説明を読んでください。
懐中電灯を照射しないと、CdSセルからの出力(図中のD)は"L"なので、一つ目のNAND回路で作ったNOT回路を通すとその出力(図中のE)は"H"となります。それを二つ目のNAND回路の入力の一方に入れ、もう一方の入力(図中のF)をフォト・センサからの出力とつなぐと、フォト・センサが白地上にあって"L"のときは図中のGは"H"に、フォト・センサが黒線上にあるとGは"L"となります。
懐中電灯を照射すると、今度はCdSセルからの出力(図中のD)は"H"なので、一つ目のNAND回路で作ったNOT回路を通すと、その出力(図中のE)は"L"となります。それを二つ目のNAND回路の入力の一方に入れ、もう一方の入力(図中のF)をフォト・センサからの出力とつなぐと、フォト・センサが白地上にあって"L"のときは図中のGは"H"に、フォト・センサが黒線上にある場合もGは"H"となります。
つまり、懐中電灯をCdSセルに照射しない場合は通常のライン・トレース・カーとして動きますが、懐中電灯を照射するとフォト・センサが黒線上にあろうとモータは動き続けるのです。
このようにライン・トレース機能を一時的に解除することができ、この機能を上手に使うと隣のラインへジャンプさせることが可能となります。
なお、A地点で懐中電灯を照射するのは、黒線上が二つのフォト・センサの間にある状態から脱するため、B地点で懐中電灯を照射するのは、フォト・センサの間に黒線を入れるためです。後者の場合、照射しないとフォト・センサが二つとも黒線上に乗ってしまい、そこでライン・トレース・カーはストップしてしまいます。
