LTspiceでは、任意の波形の信号を作成できます。また、作成した信号をPCのオーディオ・システムから出力し音として確認することができます。
オーディオ・システムのテスト信号として、オーディオ・テストCD-1と呼ばれるテスト信号を記録したCDがあります。このCDに記録されているテスト信号をLTspiceで作成し、シミュレーションを実行しWAVEファイルに保存し実際のオーディオ・システムで再生してみます。
CD-1に含まれている信号
ピンク・ノイズ、正弦波基準信号、スポット正弦波信号、スイープ信号、ステップ信号、混変調ひずみ測定用複合波信号、ホワイト・ノイズ、バンド・ノイズ、バースト信号、インパルス信号などがあります。これらの信号の仕様を調べ、LTspiceのVoltageやBVなどの電圧源を組み合わせて作成してみます。
まず、1kHz の正弦波基準信号を作成します。
1kHz正弦波基準信号
1kHzの基準信号としてL、R、L+Rの信号を作成します。L、Rは信号レベル-20dBでそれぞれ2分間出力されます。
L+Rは-20dB、-10dB、0dBと出力レベルを変化させて10秒間出力します、各信号の間には2秒間の休止期間を置きます。以上の条件で、各信号の出力のシミュレーションを行います。
1kHzの正弦波Lチャネルの出力の作成
正弦波の作成ですから、電圧源Voltageで出力を0.1V、周波数を1kHzに設定します。次に示すように、600Ωの負荷抵抗を接続しています。この負荷抵抗の値はどのような値でもかまわないのですが、オーディオ信号の負荷抵抗として利用される600Ωの値に合わせました。
WAVEファイルの設定
WAVEファイルの設定の書式は、
.WAVE <ファイル名> <Nbits> <SampleRate> V(out)、V(out2)
Nbits 1から32までのAD変換の分解能を設定する 16、24などが一般的
SampleRate サンプリング・レート CDにあわせると44.1kHz、96kHzも利用される
ようになっている。
V(out)が左チャネル、V(out2)が右チャネルとなる。Waveを音源としての互換性が
なくなりますが、出力のチャネルを65535まで増やすことができます。多数の
測定ポイントのデータをWAVEファイルに保存して、ほかのシミュレーションで
利用することもできます。
ファイル名はドライブ名から指定する絶対アドレスを指定するか、ファイル名を指定してカレント・フォルダに設定することができます。ファイルがない場合は、シミュレーションを実行する際新しくファイルが作られます。
無信号の右チャネル分も用意
次のように左チャネルのみの出力とすると、ステレオでなくモノラルとして再生されます。
.Wave cd102050.wav 16 44.1k V(OUT-L)
そのため、右チャネル用の信号源としてbv(Arbitray Behavioral Voltage)で0Vの電圧源を作成します。
.Wave cd102050.wav 16 44.1k V(OUT-L) V(OUT-R)
120秒とシミュレーション時間が長いので、計算が終わるまでの時間も長くなります。結果は次に示すようになります。
作成されるWAVEファイル
シミュレーションが終わると、次に示すように約20MBの正弦波の基準信号のWAVEファイルが作られます。
次回、PCから出力される信号のレベルを確認して、次の信号の作成に進みます。
