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連載(14)LTSPICEで回路の検討  オーディオ用テスト信号を作る(1)

 LTspiceでは、任意の波形の信号を作成できます。また、作成した信号をPCのオーディオ・システムから出力し音として確認することができます。
 オーディオ・システムのテスト信号として、オーディオ・テストCD-1と呼ばれるテスト信号を記録したCDがあります。このCDに記録されているテスト信号をLTspiceで作成し、シミュレーションを実行しWAVEファイルに保存し実際のオーディオ・システムで再生してみます。

CD-1に含まれている信号
 ピンク・ノイズ、正弦波基準信号、スポット正弦波信号、スイープ信号、ステップ信号、混変調ひずみ測定用複合波信号、ホワイト・ノイズ、バンド・ノイズ、バースト信号、インパルス信号などがあります。これらの信号の仕様を調べ、LTspiceのVoltageやBVなどの電圧源を組み合わせて作成してみます。
 まず、1kHz の正弦波基準信号を作成します。

1kHz正弦波基準信号
 1kHzの基準信号としてL、R、L+Rの信号を作成します。L、Rは信号レベル-20dBでそれぞれ2分間出力されます。
 L+Rは-20dB、-10dB、0dBと出力レベルを変化させて10秒間出力します、各信号の間には2秒間の休止期間を置きます。以上の条件で、各信号の出力のシミュレーションを行います。


1kHzの正弦波Lチャネルの出力の作成
 正弦波の作成ですから、電圧源Voltageで出力を0.1V、周波数を1kHzに設定します。次に示すように、600Ωの負荷抵抗を接続しています。この負荷抵抗の値はどのような値でもかまわないのですが、オーディオ信号の負荷抵抗として利用される600Ωの値に合わせました。

 

LTSP2140010.jpgWAVEファイルの設定
  WAVEファイルの設定の書式は、
     .WAVE <ファイル名> <Nbits> <SampleRate> V(out)、V(out2)
        Nbits 1から32までのAD変換の分解能を設定する 16、24などが一般的
        SampleRate サンプリング・レート CDにあわせると44.1kHz、96kHzも利用される
                              ようになっている。
         V(out)が左チャネル、V(out2)が右チャネルとなる。Waveを音源としての互換性が
            なくなりますが、出力のチャネルを65535まで増やすことができます。多数の
     測定ポイントのデータをWAVEファイルに保存して、ほかのシミュレーションで
      利用することもできます。

   ファイル名はドライブ名から指定する絶対アドレスを指定するか、ファイル名を指定してカレント・フォルダに設定することができます。ファイルがない場合は、シミュレーションを実行する際新しくファイルが作られます。

無信号の右チャネル分も用意
  次のように左チャネルのみの出力とすると、ステレオでなくモノラルとして再生されます。
        .Wave cd102050.wav 16 44.1k V(OUT-L)
 そのため、右チャネル用の信号源としてbv(Arbitray Behavioral Voltage)で0Vの電圧源を作成します。
         .Wave cd102050.wav 16 44.1k V(OUT-L) V(OUT-R)
 120秒とシミュレーション時間が長いので、計算が終わるまでの時間も長くなります。結果は次に示すようになります。

作成されるWAVEファイル
   シミュレーションが終わると、次に示すように約20MBの正弦波の基準信号のWAVEファイルが作られます。


LTSP2140030.jpg  このファイルをダブルクリックするとメディアプレーヤが起動し、左側のスピーカからのみ信号音が聞こえるはずです。試してみてください。

 次回、PCから出力される信号のレベルを確認して、次の信号の作成に進みます。
<神崎康宏>


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