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連載(15)LTSPICEで回路の検討 オーディオ用テスト信号を作る(2)

複数のWaveファイルを作る
  前回、ピーク0.1Vの大きさで1kHzの正弦波信号を2分間ステレオの左チャネルに出力するWaveファイルを作りました。今回はこの信号源を基に右チャネルのみ、左右両チャネル共に出力するファイルを作ります。


右チャネル用
 右チャネル用は、信号の大きさは前回作成した左チャネルと同じですので、次に示すようにV(OUT-L)とV(OUT-R)を入れ替え、ファイル名を変更して作成します。

    .Wave cd102060.wav 16 44.1k V(OUT-R) V(OUT-L)

L+Rのファイル
  両方に同じ信号を出力するので、次に示すようにチャネル1、2共にV(OUT-L)を設定します。
   .Wave cd102070.wav 16 44.1k V(OUT-L) V(OUT-L)
 このファイルを、一度のシミュレーションで書き出すように次のように設定します。

LTSP2150020.jpg

 シミュレーションを開始すると、次に示すようにステータスバーにシミュレーンの経過時間が表示されます。現在39.7756sまで進行し過渡解析が33.1%完了したことが示されています。あわせて、背景のエクスプローラでWaveファイルがシミュレーションの開始時にクリアされ、シミュレーションの進行にあわせてシミュレーション結果が書き込まれます。現在884KBまで書き込まれています。
 シミュレーションが完了すると、20MBのファイルになります。

 

LTSP2150025.jpg1kHzの-20dB、-10dB、0dBの出力
   次に1kHzの正弦波を、出力レベルを-20dB、-10dB、0dBと順番に増大させる信号を作成します。-20dBの正弦波を10秒間発振し、2秒間の休止期間を置いて-10dBの正弦波を10秒間発振します。その後2秒間の休止期間を置き0dBの正弦波を10秒間発振し出力を終了します。
 この発振処理を行うために、次に示すように、V1、V2、V3の三つの電圧源でそれぞれ開始時間と振幅を変えた正弦波を10秒間に相当する10000サイクルの発振を行うように設定します。

1kHz -20dB 10秒

   正弦波の出力は-20dBですから、次に示すように、正弦波のAmplitudeを0.1Vと設定します。後は周波数を1kHzとして発振期間を10000サイクルと指定します。


LTSP2150026.jpg1kHz -10dB 10秒
  -10dBですから、0.3162Vを設定し、発振の開始時間を12秒後とするためTdelayの値に12を設定します。

 

LTSP2150027.jpg0.3162Vの計算は
    (20×log(X/1V))dB=10dB
         log(X/1V)=10dB/20dB
         log(X/1V)=0.5    
             X/1V =Power(10,05)=0.3162
                             X =0.3162V
 Power関数はlog関数の逆関数でX/1Vの値が求まります。基準が1Vですからこの関数で
求めた値を1V倍して設定値を求めます。

1kHz 0dB 10秒
  0dBの場合の正弦波の振幅は、
       20×log(X/1V)=0 dB
         log(X/1V)=0
            X/1V =1
             X  =1V
 開始時間は24秒後に設定しています。


LTSP2150028.jpg このV1、V2、V3を組み合わせて一つにするためにBV(Arbitrary behavioral voltage sources)のB1を使用します。Arbitrary behavioral電圧源で複数の電圧源からの出力を加算して一つの出力(OUT)にし、その出力でWaveファイルを作っています。

 

LTSP2150029.jpg シミュレーション結果を次に示します。


LTSP2150030.jpg 次回は、その他のスポット信号とスイープ信号を作成します。
<神崎康宏>

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