前回まで、正弦波のテスト信号発生回路ができましたので、これらを利用してマイクロフォンから手を打った音などを増幅してスイッチなどのオンオフを行う、音声スイッチの検討を行います。
(1) AC信号増幅回路のまとめ、(2) マイクロフォン信号の増幅、(3) 音声信号からスイッチのオン/オフ信号作成方法を、5回くらいで考えていきます。
テスト信号用ケーブルの作成
信号伝達用のためのケーブルを作成しました。使用しなくなったRCAピン・プラグの赤白のオーディオ・ケーブルを切断して0.6か0.7mmφのスズ・メッキ線を取り付けました。以前はケーブルとスズ・メッキ線をはんだ付していました。しかし、すぐにはんだ付した場所が折れてしまいますので、今回は電線の圧着チューブを使って次に示すようにケーブルとスズ・メッキ線を圧着しました。
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AC信号の測定
直流信号または直流電圧はその時点の電圧を測定し電圧とします。しかし、交流の場合は電圧が変化します。そのため、交流信号の大きさを示すための代表値が必要になります。テスタやディジタル・マルチメータなどで表示されるACレンジで表示される値は、「実効値」またはRMS(root mean square value)呼ばれる値です。この値は信号の各瞬間ごとの値を二乗してその平均値を求め、その平均値をルートで開いた値となります。
正弦波の場合Vを中心にプラス側、マイナス側同じ波形が繰り返されるので単純に平均値を取ると0になります。実効値はプラス側、マイナス側の0Vからの波形のピークの値をVpとすると、
実効値=Vp/√2=0.707×Vp
となります。マイクロホンからの音声信号は複雑な波形をしています。その大きさの代表値はテスタやディジタル・マルチメータの測定値とは必ずしも一致しません。そのため、アンプの増幅率などを測定するためには、普通は正弦波信号を加え測定します。
前回までの正弦波回路からの信号を利用してOPアンプを利用した増幅回路の増幅率を確認し、その増幅器でマイクロホンから信号を増幅してみます。
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マイクの出力を増幅
コンデンサ・マイクの出力を、次のOPアンプ(LM358)の反転増幅回路で増幅します。

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ダイオードとOPアンプを組み合わせることで、ダイオードの0.6Vから0.8Vくらいの範囲の非直線性が改善され、0Vから整流されることが、前回確認できました。今回は、全波整流回路をダイオードとOPアンプで確認してみます。
一般的な全波整流回路は、次のような構成になっています。
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次の全波整流回路をブレッドボード上に組み立て、前回のLTSPICEでのシミュレーション結果と比較してみます。
電源は、連載(36)で使用した9Vの積層乾電池二つで作ったプラス/マイナスの電源を使用します。回路図には描いてありませんが、LM358の8番ピンに+9V、4番ピンに-9Vの電源を供給します。
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コンデンサ・マイクロフォンのシミュレーション
OPアンプの増幅回路、整流回路などを調べてきました。それらの結果を前提に、コンデンサ・マイクロフォンとLM358のOPアンプを用いてできるだけシンプルな音声スイッチを作成します。
LTSPICEのシミュレーション例の中にコンデンサ・マイクロフォンの例がありました。その例を基にマイクロフォンの信号源を用意し、LM358のOPアンプを利用した音声スイッチを作ります。
今回はその中で、コンデンサ・マイクロフォンのシミュレーションを確認します。
コンデンサ・マイクロフォンのシミュレート
コンデンサ・マイクロフォンのシミュレートは、次に示すように、コンデンサ(C1)と抵抗(R1)を直列に接続し電源から抵抗を介してコンデンサを充電しておきます。コンデンサ・マイクロフォンは、ダイヤフラムが音圧を受けて振動するときにコンデンサの容量が変動します。充電されている電荷は変わらないので、コンデンサの容量の変化はコンデンサの端子電圧の変化となります。
実際のコンデンサ・マイクロフォンは、インピーダンス変換のためのアンプなどが内蔵されています。しかしここではそれらの素子は省いて、基本となる機能により再現しています。
続きを読む "連載キットで作る(46) 音声スイッチの作成(1)" »
コンデンサ・マイクロフォンの入力信号の合成
拍手や拍子木のような音声スイッチの入力信号のシミュレーションの方法を考えました。
コンデンサ・マイクロフォンの容量の変化を関数の式、式の演算で表すことができます。また、使用できる関数も数式以外にif関数のような条件式も設定できます。
IF関数式
if(x,y,z) x>0.5のとき xにyをセットし x>0.5でないときはxにzをセットします。
この関数を使用して5msまで出力信号が抑制され、その後は正弦波の出力が生じる方法を考えます。
次のif関数は、
if(time*100,1,0)
timeが5ms(0.005)を超えると time*100>0.5となるので 関数は 1となります。
timeが0から5msまではtime*100<=0.5 となり 関数は0となります。
サイン関数の中にこの条件関数式を組み込み、
SIN(2*pi*1k*time*if(time*100,1,0)
とします。
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コンデンサ・マイクで収録した音声をOPアンプで増幅することは、LTSPICEのシミュレータや、連載33回のOPアンプLM358のテスト回路などで確認しています。
今回は、増幅された信号でどのように処理するか検討します。
音声スイッチで起動が想定されるもの
例1 音を検出して、所定の時間モータや照明のスイッチがオンになり、所定の時間を
経過したらスイッチがオフになる。
例2 音声を検出したパルスでカウンタをカウント・アップする。
例3 マイコンなどの入力ポートにパルスを入力する。入力数に応じて、プログラムで
自由な設定が可能になる。
これらの例を可能にするためには、次に示すように、マイクからの数mV多くても10mV以下の音声信号をOPアンプの増幅器で数百倍に増幅します。
増幅された音声の信号は、複数のパルスで構成されています。
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ブレッドボードで実際に回路を組む
実際にブレッドボードに組んだ回路を次に示します。
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音声スイッチのパルスから制御信号を作る
前回の音声スイッチで出力するパルスをカウンタで数えると、カウンタは次のように変化します。
カウンタの出力の0で自走車のモータを停止し、1でモータを回転するように制御します。右、左二つのモータを使用しカウンタの1桁目(右)、2桁目(左)で夫々のモータを駆動します。
2ビットのカウンタを利用し、カウンタの出力が0でモータを停止し、1でモータを駆動するように決めると、次のよう制御が行えます。
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OPアンプ、タイマICなどの電源電圧
音声スイッチはOPアンプのLM358とタイマICのLMC555で構成します。それぞれのICの電源電圧は、OPアンプLM358は3V~32VDCで動作し、タイマICのLMC555は2V~15VDCで動作します。そのため、乾電池3本、充電乾電池4本の電源が利用できます。
DCモータ・コントロールICのTA7291Pは、制御用のロジック電源とモータ電源が分離されています。モータ電源は4.5V~20VDCです。IN1、IN2の入力信号レベルは、Lowは0.8V以下でHighは3.5V以上となります。
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テスト回路の回路図
音声回路に4ビットのカウンタを追加し、拍手の数を数えました。その具体的な回路図を次に示します。回路図は前回テストした回路をそのまま示しています。
LMC555の出力を。TC74HC161Pの2番ピンのCK(クロック入力)に接続しています。
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カウンタの出力とモータの制御
カウンタの出力のうちQA、QB、QCの出力を用いた場合の検討を行います。モータをコントロールするコントローラの入力は、左右のモータにそれぞれ2ビットの入力があります。
R0、R1(右のモータ)、L0、L1(左のモータ)と決めます。
カウンタの出力が4ビットで、モータ・コントローラの左右それぞれ2ビットですから、カウンタに2ビットずつ割り当てることもできます。しかし、4ビットですと16種類のパターンになるので制御が少し煩雑になります。
QA、QB、QCを使用すると
QA~QCの3ビットの場合8種類の組み合わせとなります。次に、カウンタの出力とモータ・コントローラの入力の組み合わせと制御の結果を示します。
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回路を集約する
入力端子の接続漏れがあると不安定になる
音声の検出回路とカウンタの回路を、次に示すEIC-801のブレッドボードに集約しました。テストを行うと次に示すように、入力パルスがあるにもかかわらずカウントアップできないことが起きます。
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音声スイッチで自走車を制御
前回のテストでは、電源がニッケル水素蓄電池4本で、4.8Vと5.6VのスイッチングAC-DCアダプタの電源で動作を確認しました。次に示す自走車は、制御部の電源が乾電池2本の3Vの電源になっています。
まず、3Vに電源電圧を下げて拍手をカウントするか確認しました。電圧を下げても拍手をカウントアップできたのを確認し、モータのコントロール部と接続します。
EIC-801のブレッドボードは連結できる
EIC-801のブレッドボードは次に示すように、連結して利用することができます。前回テストした音声スイッチとカウンタを1枚のEIC-801に収めたものと、自走車のモータ制御のEIC-801のブレッドボードと連結しました。
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音声スイッチで自走車を制御
前回のTA7291Pの回路での出力の状況
前回、TA7291Pと音声スイッチを組み合わせてテストを行いました。少々動きが鈍いのでモータに加わる電圧などを確認しました。前回の回路図では勘違いから制御部とモータ電源(VS)の電圧の値を逆に記入していました。訂正した回路図を次に示します。
前回(連載57)のテストでは、モータの駆動を乾電池2本で行っていました。そのため、動きに力不足を感じました。
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