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LTSPICE入門 アーカイブ

2008年3月 3日

LTSPICE入門(連載1) はじめに

はじめに
 電子工作にも利用できる、無償で機能制限のない回路シミュレータがリニアテクノロジー社から提供されています。この回路シミュレータの利用法の入門編として初心者の方を対象に、通常電子工作で利用する電子回路のシミュレーションが独力でできるように説明する予定です。

ブレッドボードで実際に試すのは楽しいが
 今まで、テスト回路はブレッドボードに組んで動作を確認してきました。ところが、このテスト回路の確認をパソコン上で簡単に行える方法がありました。ブレッドボードのテストでは、実際のデバイスや抵抗やコンデンサの受動部品など必要な部品を全部集めなければなりません。その他に電源、テスト信号の発生装置などが必要になります。これら信号発生器や電源も電子工作の対象として面白い物です。それらを順番に作っていくのも電子工作の楽しみです。

LTP0100010.jpg

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2008年3月11日

LTSPICEのインストール

 LTSPICEのインストールに必要なファイルは、リニアテクノロジー社のホームページから無償でダウンロードできます。
インストールには、次の三つのファイルが必要になります。
  (1) Swcadiii.exe(実行形式のファイル)
    このファイルを実行すると回路シミュレータをインストールされ、利用できるようになる。
    このファイルを実行するとインストール作業が開始され問い合わせに答えるだけで
    自動的にインストールが進行します。デフォルトの設定で、ProgramFileのフォルダの下に
    LTCの名の専用フォルダが作られ、必要なファイルが格納されます。
  (2) scad3.pds (ドキュメント)
    英文のLTSPICE/SwitcherCADIIIのユーザーズガイド。
    LTSPICE/SwitcherCADIIIの具体的な取扱説明書。本シリーズの多くは
    このユーザーズ・ガイドを参照しています。
  (3) LtspiceGettingStartedGuide.pdf (ドキュメント)
    スタータ・ガイド、初めてLTSPICE/ SwitcherCADIIIを利用する人を対象としたガイド。
    全体像が簡潔にまとめられています。

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2008年3月17日

LTSPICE入門(連載2) LTSPICEのインストール その1

利用環境の整備
 インストールされたLTSPICE/SwitcherCADIIIを起動すると次のウィンドウが表示されます。インストール時にデスクトップに設定されたSWCDIIIのアイコンをダブルクリックするか、スタート>すべてのプログラムで表示されるインストールされているプログラムのリストからSWCDIIIを選択して起動します。

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2008年3月19日

LTSPICE入門(連載3) LTSPICEのインストール その2 標準で用意されている主な部品

回路図作成ための部品
 回路図の作成には、抵抗、コンデンサ、コイルの受動部品とトランジスタまたはFETの能動部品のほかに、ICなどのデバイスが必要となります。
 LTSPICEには、これらの回路図作成に必要なコンデンサ、抵抗、コイル以外に必要となる受動部品が数多く用意されています。また各種のトランジスタや汎用のOPアンプなど能動部品についても必要なものは用意されています。

 LTSPICEは無償の回路シミュレータでありながら、シミュレーションに必要となるデバイスがほとんどすべて用意されています。

CRなどの部品はツールバーからドラッグできる
 回路図作成に頻繁に利用される抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード、グラウンドのシンボルは、ツールバーからドラッグして利用できるようになっています。またこれらのデバイスの抵抗値、容量値などを細かく設定することができます。
 とくに実際のコンデンサは理想的なコンデンサと異なり、抵抗、インダクタンスの成分を含んでいます。実際のデバイスの特性に合せてこれら成分も設定できるようになっています。具体的には実際の回路作成時に説明します・

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2008年3月24日

LTSPICE入門(連載4) LTSPICEを使ってみる(1) 回路図編集ツール

 設定を回路図エディタ上で設定し、ツール・バーにある人の走っている姿のRUNボタンをクリックするとシミュレーションを開始し、シミュレーション結果を表示するウィンドウが開きます。マウスで回路図上の測定ポイントをクリックすると、結果が表示されます。

回路エディタの起動
 デスクトップのSwCDIIIのアイコンをダブルクリックしてLTSPICEを起動します。起動直後の初期画面でツール・バーのNew Schematicをクリックするか、メニュー・バーのFile>New Schematicを選択すると、新しい回路図を作成するための回路エディタのウィンドウになります。

edit010005.jpg


 

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2008年3月27日

LTSPICE入門(連載5) LTSPICEを使ってみる(2) 回路を作成する

 例題として、C-Rフィルタの回路図を作成し、その回路の周波数特性のシミュレートをLTSPICEで行ってみます。
 まず、C-R回路の回路図をSwitcherCADIIIを使って作成します。

デバイス・シンボルの設定
(1) LTSPICE/SwitcherCADIIIを起動し、New Schematic(新規回路図)を選択して回路図エディタを起動します。抵抗を一つ回路図に設定します。
(2) 抵抗の呼び出し
 ツール・バーの抵抗アイコンをクリックすると、マウス・ポインタが抵抗のシンボルに変化します。抵抗をウィンドウの中心にもってきたのが、次の回路図エディタのウィンドウです。

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2008年4月 1日

LTSPICE入門(連載6) LTSPICEを使ってみる(3) OPアンプ回路を作成する

 OPアンプ使用した増幅回路の増幅度、アクティブ・フィルタの周波数特性などを調べてみます。


リニアテクノロジー社のOPアンプのモデルのほか汎用のモデルも用意
  LTSPICEのOPアンプのライブラリには、リニアテクノロジー社のOPアンプのモデルが備わっています。したがって、リニアテクノロジー社のOPアンプを使用する場合は実際のモデルが利用できます。その他に、他社のOPアンプであってもSPICEモデルが用意されていれば、それを取り込んで利用できる仕組みが用意されているので困りません。
 その他にも、ニーズに応じて必要なモデルを設定できるユニバーサル・オペアンプ・モデルが容易されています。必要とする任意の特性を設定して自由に回路の検討を行うこともできます。

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2008年4月 4日

LTSPICE入門(連載7) LTSPICEを使ってみる(4) 電圧源のパルス設定方法

 電圧源はパルス電圧、正弦波、指数関数、時間・電圧のテーブル設定などが用意されています。通常必要となる基本的な信号源をこれで作成できます。


パルス出力
 パルスの出力については、次に示すパルスのパラメータを設定することができます。


 

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2008年4月14日

LTSPICE入門(連載9) LTSPICEを使ってみる(6) BV(ビヘービア・モデル)で信号源を作成

ビヘービア・モデルの設定
 LTSPICEには、パルスや正弦波や任意の出力を折れ線グラフで設定できるなどシミュレーションに必要な機能をもった電圧源のVoltage、Battery、電流源のCurrent Sourceが用意されています。その他に、BV(Arbitrary Behavioral voltage source)、BI(Arbitrary Behavioral current source)など、各種の関数などを組み合わせて多様なシミュレーションを行える信号源などが用意されています。
 今回このうちのBVを利用して、パルスと正弦波を組み合わせた信号を合成してみます。

 音声信号に反応するスイッチを考えているとき、信号検出回路のマイクからの入力信号シミュレートした時の組み合わせを想定しています。このBVで作成したマイク入力の擬似信号で、音声検出回路の検討を行います。

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2008年4月 8日

LTSPICE入門(連載8) LTSPICEを使ってみる(5)電圧源の正弦波の設定方法

 増幅回路や、フィルタ回路などアナログ回路の信号源の基本となるのが正弦波です。この正弦波をVoltage、batteryのコンポーネントで作成する方法を説明します。

正弦波の設定
 Voltageのコンポーネントから正弦波を出力し、次に示すCR回路に正弦波を加えるテスト回路で正弦波の設定方法を説明します。

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2008年4月16日

LTSPICE入門(連載10)OPアンプを使用した回路 増幅回路

 今回、OPアンプによる増幅回路のシミュレーションを行います。リニアテクノロジー社の実際のシミュレーション・モデルを利用してその特性を確認してみます。

LT1013
 単一電源の一般的な汎用OPアンプの例としてLT1013の、周波数特性、信号振幅の様子などを確認してみます。
 このOPアンプを用いて、10倍の反転増幅器を次のように回路図ウィンドウに作成しました。

 

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2008年4月21日

LTSPICE入門(連載11) ダイオードによる整流回路、 計算結果をグラフに表示

 最近、大容量のDC電源はスイッチング・レギュレータが普通になっていますが、AC100Vの商用電源をトランスで低電圧化して整流・平滑化する従来タイプの電源も、小容量の電源の場合は簡便に利用できるので、まだまだ利用価値があります。
 今回は、実験回路などで利用するDC電源の回路を考えます。AC電源100Vの電源からトランスで十数ボルトの低電圧AC電圧を取り出し、ダイオードを利用した整流回路、コンデンサによる平滑回路で実験用のDC電源を得る場合の各回路の動作状況を検討します。
 シミュレーションは、トランスの出力の低電圧のAC電源から始めます。AC電源はVoltageを正弦波出力に設定したものを用います。

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2008年4月28日

LTSIPCE入門(連載12) ダイオードによる半波整流回路に平滑回路を追加する

パラメータを変化させてシミュレートしてみる
 半波整流回路にコンデンサを追加して、整流した電圧を平準化してみます。

 コンデンサは電荷をためることができます。大きく変化する整流出力を、コンデンサを追加してほぼ一定の直流電圧にすることができます。


出力にコンデンサのみ接続
 ダイオードからの整流された出力にコンデンサのみ接続されている場合、今回のシミュレーションではAC電源の内部抵抗を無視できるほど小さいとしています。そのため、内部抵抗は0として設定していません。

 最初に整流された出力でコンデンサが充電されると、負荷が接続されていないため、ほかに放電される回路がないので、出力は、ピーク電圧18Vで維持されます。

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2008年5月 2日

LTSPICE入門(連載13) ダイオードによる全波整流回路(1)

   今回は、トランスでAC100Vの商用電源と絶縁され、電圧が下げられた交流電源を整流する方法について考えます。
 回路図エディタにトヨデンの次に示す 30V 0.5A(HT3005)の回路図部品が用意されていましたので、このトランスを例にして全波整流回路の例を示してみました。

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2008年5月 9日

LTSPICE入門(連載14) 全波整流回路のリプルについて

 全波整流回路について、直流電源として利用できるようにコンデンサを挿入して整流した出力を平滑化します。その際、コンデンサの容量をどの程度の大きさにすればよいか検討します。
 検討の条件として、前回の整流回路の出力をコンデンサによる平滑回路で平準化し、プラス15Vの安定化電源出力を得るものとします。
 その際、全体の回路をシンプルにするために、三端子の固定出力のレギュレータICを使用して、安定化電源を得るものとします。
 この三端子レギュレータの電圧降下分を3Vとして、平滑化出力の最低電圧は、
    安定化出力の電圧(15V)+ レギュレータの電圧降下分(3V)
   = 15 + 3  = 18V となります。
 ブレッドボードで電子回路のテストを行うときの電源を想定して、0.5Aの最大電流を満足するものとします。
 以上の条件をまとめると、
   安定化出力          15V
   レギュレータのドロップ電圧   3V
   最大消費電流         0.5A
   負荷を   36Ω
として、平滑回路のコンデンサの容量を確認します。

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2008年5月14日

LTSPICE入門(連載15) ブリッジ・ダイオードの全波整流回路して±安定化電源を作る

 整流回路、平滑回路、三端子のレギュレータICを使用して構成した±2電源の安定化電源についてシミュレートしてみます。

 センタ・タップ付きのトランス、ブリッジ整流回路、コンデンサによる平滑回路、±の三端子レギュレータで構成します。
 三端子レギュレータは、リニアテクノロジー製で電圧出力が固定のものは12Vが最大でしたので、±12Vの安定化電源にしました。

LTSP150010.jpg

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2008年5月21日

LTSPICE入門(連載16)ダイオードの動作確認

ダイオードのモデル
   LTspice/SwitcherCADIIIには、デフォルトのダイオード・モデル以外によく利用されるタイプの実モデルが63種類用意されています。シリコン・ダイオード、ショットキー・バリア・ダイオード、ほかツェナー・ダイオード、日亜のLEDなど各種のダイオードのモデルがありました。
 小信号用シリコン・ダイオードのIN4181、ショットキー・バリア・ダイオードRB10L-40(ローム)、デフォルトのダイオードの電圧、電流の関係をDC解析によりシミュレートしてみました。

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2008年5月28日

LTSPICE入門(連載17)トランジスタの動作確認

各タイプのトランジスタが用意されている
 電子工作でもICを使う場合が多いのですが、LEDを点灯するためには電流の出力が少ない、異なった電圧のデバイスに出力が必要なときなどに便利に使っています。
 まず、ICの出力の1mA以下の電流をトランジスタで何十倍かに増幅する回路の動作を確認してみます。トランジスタについては、バイポーラ・トランジスタ(PNP、NPN)、FET(NMOS、PMOS、NJF)についてそれぞれ実在のモデルが用意されています。リニアテクノロジー社ではこれらのデバイスを製造していないので、各社のデバイスが選択できます。

ユーザーがSPICEモデルを追加できる
 ルネサス、ロームなど国内のメーカの製品もありました。電子工作などでよく目にする2SC1815は見つかりませんでした。リストにないデバイスもSPICEモデルのデータがあれば、このリストに追加する方法が用意されています。2SC1815についても、このリストに追加して、簡単に利用できるようにします。

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2008年6月 6日

LTSPICE入門(連載18)新しいトランジスタのSPICEモデルの追加(1)

トランジスタのSPICEモデルを追加する
   LTSPICE/SwitcherCADIIIのユーザーズ・ガイドに、トランジスタなどのSPICEモデルの追加方法の解説があります。次の三つの方法が提示されています。
1. 回路図上に.Modelコマンドで指定
   回路図上に .Modelステートメント デバイスのSPICEモデル・データを記述して実行する方法。
2. Libファイルで .Modelを指定
 エクステントがLIBのデバイス・モデルを格納するファイルを用意します。新しく追加するトランジスタのSPICEモデルのデータをこのlibファイルに格納します。次のSPICE命令で回路図にライブラリ・ファイルの指定を行います。
   .include myltspice.lib 
3. standard.bjtファイルに格納する
 ¥lib\cmp\フォルダにあるstandard.pjtファイルにトランジスタのSPICEモデルを格納すると、あらかじめ設定されているデバイスと同じように、トランジスタの選択画面のリストに追加されます。

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2008年6月10日

LTSPICE入門(19)新しいトランジスタのSPICEモデルを追加(2)

トランジスタのリストにSPICEモデルを追加する 

  回路図のトランジスタのシンボルをマウスの右ボタンでクリックすると、次のトランジスタの仕様を示すウィンドウが表示されます。このトランジスタの仕様を決めるために「Pick New Transistor」ボタンをクリックすると、用意されているトランジスタの一覧表が表示されます。

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2008年6月16日

LTSPICE入門(20)OPアンプのマクロモデルの追加(1)

コンポーネントのリストにないデバイスの追加
 LTSPICEシミュレーションで使用するデバイスのシミュレーション・モデルは、トランジスタやダイオードなどのように.modelステートメントで指定するパラメータ・モデルと、.subcktステートメントにより、OPアンプなど内部に複数のデバイスや回路をもつデバイスを対象としたSPICE用マクロ・モデルがあります。

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2008年6月18日

LTSPICE入門(21)OPアンプのマクロモデルの追加(1)

デバイスのシンボル
  LTSPICEで回路図を作成する時のデバイスのシンボルのデータは、symフォルダにasyのエクステントを持ったファイルとして格納されています。symフォルダは、Program files¥LTC\SwCADIII\libフォルダの中にあります。libフォルダにはこのほかに、subフォルダ(デバイスの回路情報がセットされたlibファイルやsubファイルが格納されている)、 cmpフォルダ(ダイオードやトランジスタなどのパラメータ・モデルのデータ・ファイルが格納されている)があります。

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2008年6月20日

LTSPICE入門(22) トランジスタのアナログ信号増幅(1)

トランジスタの信号増幅回路
 トランジスタのスイッチング動作は、十分なコレクタ電流が流れるように、必要とするコレクタ電流の1/電流増幅率 以上の電流がトランジスタのベースに供給できるように考えれば第一の関門は解決します。
 しかし、トランジスタでアナログ信号の増幅を行う場合は、トランジスタの動作点の設定が重要な課題になります。よく利用されるエミッタ共通の増幅回路で、その動作を確認してみます。基本となる回路をLTSPICEの回路図エディタで作成し、次に示します。

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2008年6月23日

LTSPICE入門(23) トランジスタのアナログ信号増幅(2)

 正弦波の交流信号を増幅しますので、入出力はコンデンサC1、C2で直流成分を切り離します。信号源は電圧源V2を使用して1kHzの正弦波を作成しています。
 入力信号の大きさは0.5Vとしました。この回路の増幅率は、
   R1/R4=10k/2k=5
となり、入力信号に対して5倍の出力が想定されます。
 前回に引き続き、R3の値を8kΩから24kΩまで4kごとに増加して、入出力の関係をシミュレーションで確認します。

QBのシミュレーション結果
 トランジスタのコレクタの出力について、R3の抵抗値を変化させたときのコレクタ出力QCを次に示します。

LTSP230010.jpg

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2008年7月 1日

LTSPICE入門(24) トランジスタのアナログ信号増幅(3)

モンテカルロ解析
 乱数を用いてシミュレーションや数値計算を行う方法をモンテカルロ法と呼んでいます。乱数はさいころを転がしても生じます、モナコ公国のカジノの街の名にちなんでモンテカルロ法と呼ばれています。
 ここでのモンテカルロ解析は、ノイマンの考案した、数値計算やシミュレーションで利用されるモンテカルロ法とは別物で、デバイスの素子のばらつきによる回路の動作の変動を把握するシミュレーションのことを指しています。

トランジスタ増幅器の抵抗のばらつきの影響を確認

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2008年7月18日

LTSPICE入門(25) シミュレーション結果の表示について(1)

入出力信号の比較について
 今回は、フィルタ回路の入力信号と出力信号を比較する方法を検討します。回路としてはCRのフィルタ回路について考えます。今回も、次に示す抵抗とコンデンサのフィルタ回路を例に考えます。

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2008年7月30日

LTSPICE入門(26) シミュレーション結果の表示について(2)

 シミュレーションの結果について、FFT(Fast Fourier transform)を行うことができます。今回は電圧源(Voltage)で三角波、正弦波などの信号を発生しFFTにより高調派の成分を確認してみます。

三角波の作成
 OPアンプなどを利用して三角波発生回路をつくり回路をシミュレートするのが本来ですが、今回は、電圧源のPWLの機能を利用して三角波を作ります。三角波の発生回路は今後別に取り上げます。

電圧源の設定
V oltageをマウスの右ボタンでクリックし、Advancedボタンをクリックし、次のVoltage Sourceの設定画面を表示します。

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2008年8月 5日

LTSPICE入門(27) 電圧制御スイッチについて

 LTSPICEには、電圧で制御できるスイッチがコンポーネントして用意されています。シミュレーション時に回路のオン/オフを任意に行うことができるようになります。オン/オフ制御の電圧源は、Voltage電圧源のPWL機能を利用します。

トランジスタのオン/オフを行うスイッチ
 電圧制御スイッチ(Voltage controlled switch)は、次に示すようにスイッチの端子と電圧制御用のプラス、マイナスの電圧入力端子をもっています。

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2008年8月11日

LTSPICE入門(28) 電圧制御スイッチについて(2)

 トランジスタのオン/オフをスイッチで行うシミュレーションのために、電圧制御スイッチを利用します。

シミュレーション結果
 電圧源V2からPWL(折れ線近似)で単発のパルスV(cv1)が出力されます。V(cv1)が立ち上がり、2Vを超えると電圧制御スイッチがオンになります。V(cv1)の出力の立ち下がりで2Vを通過するときに、スイッチがオフになります。
  これは、
       Model TR-SW SW(VT=2.0)
 VT=2.0とスレショルド電圧を2.0Vに設定していて、ヒステリシスの電圧を設定するVhを設定していないため、デフォルトのVh=0となっているので、VT=2.0の2Vでスイッチがオン/オフされています。

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2008年8月15日

LTSPICE入門(29)シミュレーション結果をWAVEファイルにする(1)

 LTSPICEでは、シミュレーション結果をWavファイルに出力することができます。今回は、次に示すように、OPアンプのプラス入力、マイナス入力にそれぞれ1Vの正弦波を加え、その出力がどのようになるかシミュレーションしてみます。
 OPアンプはLT1677を使用します。リニアテクノロジー社のローノイズのOPアンプです。マルツパーツで通常在庫品と表示してありましたので容易に入手できます。

電源は±3V
 V1、V2は、OPアンプのプラス、マイナスの二電源となっています。

LTSP290010.jpg

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2008年9月 8日

LTSPICE入門(30)シミュレーション結果をWAVEファイルにする(2)

LTSPICEで出力されるWaveファイルの保存先
 前回説明が少し不足したWaveファイル保存先について説明します。パスを指定しないとWaveファイルはカレント・フォルダに格納されます。

カレント・フォルダ
 新規に回路図を作成するときは、カレント・フォルダはC:\Program files\LTC\SwCADIIIになります。そのため新規に作成したファイルをそのまま保存すると、C:\Program files\LTC\SwCADIIIのフォルダに格納されます。このフォルダには、不用意に保存されたDraftXX.ascの名のファイルが残っています。
 新規に作成した回路図ファイルはFile>Save Asで保存します。Save Asを指定すると、次に示すようにカレント・フォルダのウィンドウが表示され、保存先を指定することができます。カレント・フォルダ以外にも任意のフォルダに格納できます。

LTSP300010.jpg

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2008年9月11日

LTSPICE入門(31)シミュレーション結果をWAVEファイルにする(3)

LTSPICEでランダム・ノイズ(ホワイト・ノイズ)を作成 
 前回は、LTSPICEの電圧源を使用して正弦波を作成しました。そのほかにLTSPICEでは、BVコンポーネントを利用し関数を組み合わせることで、多様な出力を合成することができます。まず、正弦波を作成してみます。

BVのコンポーネント
 BVのコンポーネントは電圧源のVと同じ形のシンボルですが、その扱いはまったく異なります。回路図にこのBVをドラッグしてセットします。

LTSP310005.jpg

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2008年9月26日

LTSPICE入門(32)Waveファイルをシミュレーションに利用する(4)

waveファイルを電圧源として読み込む
 LTSPICEはシミュレーション結果の電圧変動などのデータをwaveファイルとして出力することができます。また、LTSPICEで作成したWaveファイルをメディア・プレーヤなどで再生して、前回示したように実際の音として再現できます。
 一方、LTSPICEのシミュレーションの電圧源の信号データとしてwaveファイルを利用することができます。次に示すように電圧源の電圧設定を、 
   wavefile= waveファイル名
で設定します。

LTSP320010.jpg

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LTSPICE入門(33)Waveファイルをシミュレーションに利用する(5)

waveファイルを電圧変動の上限
  電圧データをwaveファイルとして保存するときは、変動の上下限がプラス1Vからマイナス1Vの範囲のデータしか保存できません。この範囲を超えるデータは、上下限の値(±1)に固定されてwaveファイルとして保存されます。そのためクリッピングされたデータとなります。
 ±1Vを超える電圧などの変動をwaveファイルに記録するためには、何らかの方法で電圧の変動の範囲を縮小する必要があります。

BVでシミュレーション結果に演算処理を加えられる
  BV(Arbitrary behavioral voltage source)は、各種の関数、演算が利用できて、いろいろな使い方ができます。その中で、今回は、waveファイルに保存するために、変動の範囲を±1Vの範囲内に抑えるために縮小する方法を検討します。
   VBは次に示すように出力電圧は、
      V=F(・・・)
 関数やほかの電圧源の出力、シミュレーション結果等の加減乗除の組み合わせで設定できます。

LTSP330010.jpg

 

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2008年9月30日

LTSPICE入門(34)Voltage Dependent Voltage Source(電圧制御電圧源)(1)

Voltage Dependent Voltage Source
 前回、±2Vの振幅の電圧信号をwaveファイルに保存するため、BVコンポーネントで、信号の電圧値に所定の倍率を掛けて変換し±1Vの信号に圧縮しました。
 電圧信号を変換するには、この他にeの記号で表される電圧制御電圧源(Voltage Dependent Voltage Source)を利用することができます。今回は、次に示す電圧制御電圧源コンポーネントを利用して、前回同様Waveファイルに保存するために±2Vの電圧信号を±1Vの信号に圧縮します。

 

LTSP340010.jpg

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2008年10月 2日

LTSPICE入門(35)Voltage Dependent Voltage Source(電圧制御電圧源)(2)

電圧制御電圧源でOPアンプを作る
  LTSPICEの場合は制限がありませんので、実際のOPアンプのモデルを複数利用できます。しかし、ほかの無償で利用できる試用版のシミュレータは制限がありますので、利用できるノードの数などが限られています。

 その場合、次に示すような電圧制御電圧源を利用したOPアンプのシンプルなモデルでも、十分目的が達成される場合が多くあります。
 ここでは、電圧制御電圧源でOPアンプの動作をシミュレートします

LTSP350010.jpg

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2008年10月 6日

LTSPICE入門(36)Voltage Dependent Voltage Source(電圧制御電圧源)(3)

電圧制御電圧源の入出力電圧をテーブルで設定する
 電圧制御電圧源の入出力の関係を、入力電圧と出力電圧のペアの数値をテーブルに設定することで指定することができます。
 OPアンプは、電源電圧を超えた出力電圧は出力できません。前回、電圧制御電圧源によるOPアンプのモデルは、この制限がなく出力が無限に増大します。そのため、E1の電圧制御電圧源に電源電圧範囲を超える入力があった場合、出力できる限界値を設定して電源電圧などの限界を超えないようにします。
 テスト信号はV1の電圧源で-40Vから+40Vに変化させ、E1の入出力電圧関係を調べます。

LTSP360010.jpg

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2008年10月14日

LTSPICE入門(37)Voltage Dependent Voltage Source(電圧制御電圧源)(4)

Laplace変換
   電圧制御電圧源のコンポーネントは、ゲイン、テーブルによる変換以外に、フィルタなどの回路を伝達関数で表し、フィルタの入力信号を伝達関数により変換し出力のシミュレーションすることができます。
 次に示すC-R回路の周波数特性を、電圧制御電圧源を利用してシミュレーションします。

LTSP370010.jpg

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2008年10月22日

LTSPICE入門(38) トランジスタを使う2-1 

 今回から、実際のトランジスタのモデルを利用してその動作特性をシミュレーションしてみます。また、シミュレーション結果と実際のトランジスタの動作を確認してみます。

ローム社の2SC1740のモデルを入手する
 次に示すように、Rohm(ローム)社のショットキー・ダイオードのSPICEモデルがLTSPICEのダイオードのリストの中に取り上げられています。

LTSP038010.jpg

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2008年10月31日

LTSPICE入門(39) トランジスタを使う2-2 

トランジスタのエミッタ接地出力特性
  ベース電流とコレクタ電流の関係を、次に示す回路でシミュレーションしてみます。このベース電流とコレクタ電流の関係は、トランジスタのデータシートにエミッタ接地静特性として記載されています。

 ローム社のホームページにある2SC1740Sのデータシートの測定条件と同じ条件でシミュレーションを行いますので、結果を比較してみてください。

 

LTSP039010.jpg

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2008年11月 7日

LTSPICE入門(40) トランジスタを使う2-3

トランジスタによる1石発振回路
 1石のトランジスタ増幅器のコレクタからの出力を、3段のC-R回路を通してベースにフィードバックした発振回路のテストを行います。
 回路は次に示すようになります。

LTSP040010.jpg

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2008年11月11日

LTSPICE入門(41) トランジスタを使う2-4

発振回路のシミュレーション結果を実際の回路で試す
 次に示す前回のシミュレーションで発振を確認した、C-Rによる移相回路による一石発振回路を、ブレッドボード上に再現して実際の発振の様子を確かめます。

 
LTSP041013.jpg

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2008年11月21日

LTSPICE入 門(42) LTSPICE IVへアップデート

LTSPICE 3.0からIVへのバージョンアップ
  2008年11月14日にLTSPICEのバージョンアップがありました。ダウンロードするファイルが今まではswcadiii.exeだったのがLTspiceIV.exeに変わりました。

 また、今まで、ウィンドウのタイトルバーに表示されるタイトルも「Linear Technology LTspice/SwitcherCADIII」から「LTspiceIV」と変更されています。

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2009年2月18日

近刊 電子回路シミュレータLTspice入門編

お知らせ 

このブログで連載をしています「電子回路シミュレータLTspice」を読みやすい形の書籍にした新刊が今月の27日に発売になります。書店で手に取っていただければ幸いです。  <編集部>



電子回路シミュレータLTspice入門編





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