「ガーデニングとホーム・セキュリティの電子工作入門」その後(1)
一昨年に出版された『ガーデニングとホームセキュリティ電子工作入門』では、トマトの水耕栽培を取り上げました。筆者がずぼらなため、あまり面倒を見ないのですが、それでも昨年の7月から9月くらいまではトマトをたくさん食べることができました。今年も種から育てています。
この「水耕栽培」連載では、トマトの苗の成長状況と、関連する電子工作の話をする予定です。
一昨年に出版された『ガーデニングとホームセキュリティ電子工作入門』では、トマトの水耕栽培を取り上げました。筆者がずぼらなため、あまり面倒を見ないのですが、それでも昨年の7月から9月くらいまではトマトをたくさん食べることができました。今年も種から育てています。
この「水耕栽培」連載では、トマトの苗の成長状況と、関連する電子工作の話をする予定です。
●水槽はりんご箱
トマトの水耕栽培には、水槽としてはりんごを入れる発泡スチロール・ケースとホームセンターで購入した発泡スチロールの蓋付の箱を利用しました。
昨年1年間利用したので少し汚れていますが、実用上は問題ありません。
●一番安価な金魚飼育用エアー・ポンプを買ってきて
植物の根は呼吸していて酸素を必要とします。普通は土中の空気から酸素を取り込んでいます。水耕栽培の場合は培養液に浸かっているので、根は培養液に溶け込んだ酸素を取り込みます。
根の呼吸を維持するために、培養液に酸素を供給します。この培養液に酸素を供給するために金魚飼育用のエアー・ポンプでバブリングします。りんご箱、購入した箱、それぞれの箱に写真のエアー・ポンプをセットしてあります。
水耕栽培には培養液が必須です。
培養液には植物の成長に必要な養分がすべて含まれていなければなりません。普通の肥料は植物が必要とする三大栄養素 窒素、燐、カリを主体として、そのほかの微量成分は土中に含まれているものを利用します。しかし水耕栽培では、土に含まれている微量成分も用意しなければなりません。
今回使用したハイポネックス・ジャパンが輸入販売している微粉ハイポネックスは三大栄養素以外の微量成分も含まれていて水耕栽培にも多く利用されています。

純水は電気が流れません。純水に塩類が溶け込み、イオン化すると、これらのイオンが媒体となり電気が流れるようになります。この電気の流れやすさを電気伝導度または電気伝導率と呼びます。英語の表記でElectrical ConductivityとなりECと略します。この伝導度を測定する機器を伝導度計、ECメータなどと呼んでいます。
水耕栽培の培養液中には肥料分が溶け込んでいるので、この肥料分の量と電気伝導度に比例関係が期待できます。この培養液中の肥料分の濃度と電気伝導度の関係を調べます。その結果を基に水耕栽培の培養液補充などの管理の方法を考えます。
【ハイポネックスの濃度と電気伝導度】
今回は、培養液の電気伝導度を測定することで、培養液のハイポネックス濃度が推定できるか確認します。
【トマトが色づきはじめました】
トマトの各株に最初に咲いた花(第一花房)から実ったトマトが、真赤になりました。今年初めての収穫です。5月の中旬に花が咲いてから、約2か月で収穫となりました。
7月12日初めて収穫したトマト
これから秋までの間、トマトを買う回数が少なくなりそうです。
台風により茎が折れる
台風4号が近づき、強風のためトマトの茎が1本、折れてしまいました。根元の部分はベランダの柵に縛り固定してあり、その上に大きなトマトが実っていましたが、茎を固定していなかったために、風であおられ途中から折れてしまったのです。
実が生っているところまでは茎を支柱などに固定しておくと、風で茎が折れることはなくなります。
【毎日数個のトマトが収穫できます】
8月に入り暑い日が続きます。真赤なトマトが毎日数個、収穫されます。
今年も、夏の間はトマトを買う必要はありませんでした。
2m位丈が伸びた先端では、まだトマトの花が咲いています。この花の実の収穫は10月末くらいになりそれ以降はベランダでは気温が下がり枯れてしまいます。
培養液の状況
7月以降、培養液のPH、EC(電気伝導度)を測定した結果を示します。7月の前半は雨も多く、あまり温度が上がりませんでした。そのため、培養液の濃縮もそれほど大きくなく電気伝導度ECの値も1.6から2.0範囲に収まっていました。7月末から8月に入ってからは猛暑が続き蒸発のため培養液が濃縮され、ECを1.7位に調整しておいても数日で1/3位の液量に濃縮されます。そのため、ECの値は3.0から4.0以上になりました。PHも変動します。ただし濃縮された分の水を補給するとECの値もPHも元の値に戻ります。
トマトの収穫も一段落してきました。ここで、培養液に酸素を供給するツールとそのエネルギー源について考えます。
今まで行った水耕栽培は、水耕栽培の中でも水気耕栽培と呼ばれるものです。とくに1985年の筑波科学博で1株のトマトの巨木から期間中に1万個以上の実を収穫したことから広く知られるようになりました。
培養液に、酸素を供給するためには魚の飼育に利用するエアー・ポンプを利用しました。電源は主にAC100Vの交流電源を利用しています。これからは、エアー・ポンプのエネルギー源を太陽電池などほかのエネルギーを利用する方法などについて考えます。
太陽電池の特性
通常の電池の場合は、出力をショートすると、電池の内部抵抗で制限される範囲で多大な電流が流れ電池の発熱、発火などの事故の原因となります。しかし太陽電池の場合は、出力をショートしても、太陽電池のPN接合面で光を受けて正孔と電子に分離し外部に取り出された電流が元に戻り正孔が電子で埋められるだけで支障はありません。
水気耕栽培中のイチゴに白い花が付きました。これから寒くなるので、室内に持ち込み温度に注意して赤い実に成るのを期待しています。
循環ポンプの運転制御 時間の計測法
イチゴは一つ少し色づきはじめました。ミニ白菜も葉が茂りだしました。
培養液を供給するためのポンプの運転時間をコントロールするタイマをこれから作ります。そのタイマの計時を制御している基準の時間を抵抗とコンデンサで決めます。
今回は、この抵抗とコンデンサの計時の仕組みを確認します。
コンデンサの充放電のようすを確認する
前回示したC-R回路に具体的な470μFの容量のコンデンサと100kΩの抵抗を割り当てて、充放電のテストを行います。
循環ポンプの運転制御 C-R回路による時間計測
前回は、手作業でも測定できるように、高抵抗と大容量のコンデンサのC-R回路を利用しました。今回は47μFの積層セラミック・コンデンサと100kΩの抵抗を用いたC-R回路で測定してみます。前回より充放電の速度が速いので、ディジタル・マルチメータの目視では測定ができません。
ホームセンターの野菜の種売り場にトマトの種が並び始めました。そろそろ種まきの時期です。種まきして、苗になるころまでに、新しい水耕システムを完成させる予定です。
今回より、連載14回で示した水耕栽培の循環ポンプ制御回路の中核部品、LMC555と呼ばれる汎用のタイマICについて説明します。8ピンDIPの小型のICですが、数μ秒から数十分、1時間以上の長時間のタイマを作ることができます。
汎用タイマIC 555の仕組み
循環用ポンプを探す
前回までで循環ポンプの制御装置について説明してきました。今回から数回で制御装置以外のツールについて説明します。その後、4月25日発売のエレキジャックNo6に添付予定のプリント基板を利用して制御基板を作成します。
循環用ポンプ
今回は、ベランダで手軽にできる大きさを想定していますので、培養液は多くても2から30lくらいを考えています。そのため、ポンプの容量も3から10l/分くらいで、できるだけ小型で安価なものを探してみました。
制御回路の電源を用意
少し遅れていますが、水耕栽培でイチゴが育っています。エレキジャックNo.6の記事の中で青々としていたミニ白菜はもう食べてしまいました。
上記の写真は、4月25日発売のエレキジャックNo.6の特設記事「春だ、水耕栽培を始めよう」で作った水耕栽培装置でイチゴを栽培している様子です。実もいくつかなっています。
現在の、制御回路の利用状況を紹介します
現在、ユニバーサル基板、試作基板、付録の基板の3枚作り、5台のプランタで栽培しています。
(1) ユニバーサル基板 : (a)野菜用の少し大きいプランタ、(b)、(c)中型のプランタ2台を制御
(2) 試作基板 : (d)積み重ね式ストッカ利用のプランタ、(e)タワー型のプランタ
(3) 付録の基板 : (f)芽を出し、もう直ぐ苗になるカボチャを予定