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■スピーカと箱
 スピーカを部品屋さんに買いに行くとスピーカ・ユニットを買うことができます。スピーカ・ユニット単体だと小さな音しかしません。今回は、スピーカを箱に入れる理由を考えながら瓶スピーカを作ってみます。

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■箱の役割
 スピーカ・ユニットの振動板が前後に動くことで空気が振動し音になります。ユニットの前面と後面共に開放されていますから、振動板は両面の空気を震わせています。前面の空気が押されるとき、後面の空気は引かれるので、前後からは振動の波が逆になった(逆位相の)音が出ることになります。逆位相の音を重ねると音は消えてしまいます。

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スピーカ・ユニットの前後から音が出る。

 実際には耳に届くまでの時間が違うので、完全な逆位相ではないため、音が小さくなって聞こえるのです。そこで、スピーカユニットを箱(スピーカ・ボックス)に入れることで、後面の音を耳に聞こえないようにしてしまいます。これが密閉型と呼ばれる形式のスピーカの考え方です。
 スピーカを入れる箱は吸音と遮音が重要です。スピーカ・ユニット後面からの音が、箱の中で反射して振動板を抜けて出てしまったり、箱の壁を通り抜けてしまっては、音がおかしくなってしまいます。そこで箱は十分に厚くて重い素材で遮音すると共に、吸音材を入れて箱の中での反射を防ぎます。

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スピーカ・ボックス内での音の反射や、箱からの音の通り抜けがあると、音がおかしくなる。

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吸音材で箱内での音の反射を防ぎ、厚い壁で音の通り抜けを防ぐ(遮音する)。

■300円スピーカ
 部品屋さんに行くと、小さ目のスピーカ・ユニットは100円程度で安く売っていることがあります。ここでは直径  65mm のスピーカ・ユニットを買ってきました。割と重さがあって、密閉度が高いものといえばガラス瓶があります。そこで、ガラス瓶をスピーカ・ボックスに使ったスピーカを作ってみることにしました。
 吸音材としての綿と、スピーカ・ボックスとして直径 11cm 高さ 11cm で蓋がネジ式で閉められ、柔らかめの材質(ポリプロピレンでした)の瓶は100円ショップで探しました。プラスチック製の容器も売られていますが、音が抜けてしまうため避けます。また蓋は、加工しやすく、綿を詰め込んだときに蓋が外れないものを選びます。

unit-material.jpg

 まずスピーカ・ユニットに赤黒コードを配線し、アンプにつないで見ました。スピーカ・ユニットを手にもち、机に近づけたり遠ざけたりすると裏面からの反射で音が変わるのがわかります。瓶の口に近づけると反射音が強く返ってくるのもわかります。

sp-tests.jpg
スピーカ・ユニットの背面からの反射で音は簡単に変わってしまう。

 瓶の蓋にスピーカ・ユニットの前面から音が出るように穴をあけます。ユニットの外形に沿ってマジックで印をつけ、その印から3mmほど内側に大きな穴をあけていきます。カッター・ナイフで開けていきましたが、力を入れすぎると割れてしまうので注意してください。ここでは割れ目がちょうどケーブルを引き出すのによかったので、そのまま利用しました。

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蓋にスピーカユニットに合わせた穴を開ける。ユニットに現物あわせで線を引き、カッター・ナイフで穴を開けた。

 吸音材の綿を瓶の中に押し込みます。蓋をせずにスピーカ・ユニットを綿の上で鳴らしてみても、音が小さく感じられます。手でスピーカ・ユニットの周囲を覆うと音が大きくなります。ちゃんと蓋をすれば音がよくなりそうです。

 綿を押し込んだら、スピーカ・ユニットを綿と蓋ではさみ、ずれないように蓋をねじ込んでいけば完成です。スピーカ・ユニット単体とは違う音がします。簡単な工作ですが、スピーカ・ユニットの特性が素直に出てくるようです。

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<光永 法明>

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