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■ウッドコーン・スピーカ
 ウッドコーン・スピーカ*1)というのはスピーカの振動板が木でできているスピーカです。多くのスピーカの振動板は紙や薄い金属でできているのですが、素材として木を使っています。特性がほかの素材よりも優れているといわれています。
 ウッドコーン・スピーカを製造しているビクターから、ミニコンポ EX-A1 のスピーカをベースにしたウッドコーン・スピーカのキットが出ています。そこで、玄箱PROからの音楽を楽しむために、ウッドコーン・スピーカ・キット SX-WD1KT *2)に挑戦してみました。キャビネットは天然無垢のチェリー材です。大きさが幅120mm×高さ160mm×奥行 233mm, 重さ 1.6kgのスピーカになります。

*1)Victor のウッドコーンスピーカー技術情報
http://www.jvc-victor.co.jp/company/technology/woodcone/
*2)SX-WD1KT の製品情報
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/hifi/sx-wd1kt/index.html
*3)EX-A1 (生産完了品)の製品情報
http://www.jvc-victor.co.jp/audio_w/home/ex-a1/

■用意する工具
 写真のような工具を用意しました。組み立てには、プラス・ドライバ、金槌、3mm の六角レンチ、木工用ボンド、はさみ、定規、マジックが必要です。
 表面をニス仕上げするのに、紙やすり(耐水ペーパ)の400番と800番(それぞれ2枚ぐらい)、木片、ニス、刷毛、薄め液、ぼろ布(ウェス)を用意しました。ニスは油性の色付き(マホガニ色)木工用ニスを使いましたが、水性のほうが扱いやすいかもしれません。またニス塗りに使う刷毛は30mmは扱いにくく 15mm のものに買いなおしました。

SX-WD1KT-工具.jpg
用意した工具。写真には、プラス・ドライバ、金槌、3mm の六角レンチ、木工用ボンド、紙やすりの400番と800番、木片、ニス、刷毛、うすめ液が写っている。

SX-WD1KT-刷毛.jpg
幅 30mm の刷毛は太く、幅 15mm の刷毛のほうが使いやすかった。

■部品を取り出す
 SX-WD1KT は、吸音材やダクトなどの部品がキャビネットの中に入っているので取り出します。スピーカ・ユニットを六角レンチで取り外すと、黒と白の吸音材、ダクト、スピーカ端子などが出てきます。部品をなくさないように組み立てまで、しまっておきます。

SX-WD1KT-部品を取り出す.jpg
キャビネットから部品をとりだしたところ。

■ニス塗りをする
 SX-WD1KT はニス塗りがされていますが、最終仕上げのニス塗りではありません。そのままでもよいのですが、ニスで仕上げをすることにしました。ニス塗りは組み立ての前にします(組み立て後だと、再度分解して塗ることになるがダクトが外せない)。塗装にはあまり慣れていないので、失敗しながらのニス塗りになりました。手順としては、

  1. 400番の紙やすりで全体をすべすべになるまで磨く
  2. 800番の紙やすりで全体をさらに磨く
  3. 磨いたときにでた削りカスを落とす
  4. 1回目のニス塗りをする
  5. 400番の紙やすりで全体をすべすべになるまで磨く
  6. 800番の紙やすりで全体をさらに磨く
  7. 磨いたときにでた削りカスを落とす
  8. 2回目のニス塗りをする
  9. 400番の紙やすりで全体をすべすべになるまで磨く
  10. 800番の紙やすりで全体をさらに磨く
  11. 磨いたときにでた削りカスを落とす
  12. 3回目のニス塗りをする

となりました。結果として3回塗りになりましたが、失敗しなければ2回塗り(8まで)で十分きれいに仕上がると思います。筆者はいきなりキットを塗ってしまいましたが、木片などで十分に練習してコツをつかんでから塗るときれいに仕上がると思います。

SX-WD1KT-1回目.jpg
一度塗りが終了。

SX-WD1KT-2回目.jpg
二度塗りが終了。

SX-WD1KT-3回目.jpg
三度目のニス塗りが終了。このあとで組み立てる。


■磨くときのポイント
 表面はすべすべになるまで磨きます。工場出荷時の表面はかなり凹凸があるようで時間がかかりますが、丁寧に仕上げます。このとき磨く方向は木目に沿った方向にします。磨き傷が目立たないようにするためです。表面に傷が残っているとニス塗りをしても、ニスを通して傷が見えてしまいます。塗料と違ってニスは透明なので見えるのです。手を抜かないようにすると、とてもきれいに仕上がります。
 また、一度ニス塗りをすると、紙やすりの目が詰まりやすいので、2回目の磨き以降では耐水ペーパで水とぎにするといいと思います。

SX-WD1KT-磨き前後.jpg
左は400番の紙やすりで磨いたところ、右は磨く前。

 あて木を使うと平面はすばやく磨けて楽なのですが、1回のニス塗りをした後は使わないほうがいいようです。簡単に削りすぎてしまいます。また2回目以降の磨きは、表面がすべすべに近いので、とても楽ですから、重ね塗りの前には必ず磨きます。

SX-WD1KT-あて木.jpg
木片をあて木にすると平面は磨きやすい。

SX-WD1KT-色の変化.jpg
1回目の磨きが終わると左のように表面の色が淡いピンク色に変わった。右は磨いていない。

SX-WD1KT-2回目の磨き.jpg
2回目の磨きが終わったところ。左の手前の面ぐらいになるのが理想的、ほかの面は塗りむらや削りむらが出ている。

■削りカスを落とす
 キットの説明書には、削りカスを落とすときに乾いた布でふき取るとありますが、固く絞ったぐらいに水を含んだ布のほうが落としやすいです。その代わり表面が濡れてしまうので十分に乾燥させ、ニス塗りの直前に乾いた布で再度磨くとよいと思います。また溝に入った削りカスをとるときは、ゴミをつけないためにニス塗りとは別の刷毛を使います。溝のゴミが塗った表面に出ないように丁寧に落とします。
SX-WD1KT-溝.jpg
溝に入った削りカスも忘れずにとる。

■刷毛とニス
 最初は刷毛に太目のものを使っていましたが、刷毛が含んでしまうニスの量が多く扱いにくかったです。このスピーカぐらいの大きさの場合は 15mm 幅ぐらいの小さ目の刷毛が使いやすいようです。またニスには油性のものを選択したのですが、水性のほうがよいかもしれません。理由は刷毛の洗浄です。一度にニス塗りは終わりませんから、刷毛を再利用するために薄め液で洗うのですが、どうしてもきれいに洗いきれなかったようです。そのため、刷毛にニスの小さなカスが残ってしまい、表面に小さなゴミとして出てしまうような雰囲気がありました。
 水性ニスの場合は刷毛が洗いやすいので、そういうトラブルが出にくいのではと思います。また、刷毛の抜け毛にも注意します。塗る前に毛先を触って抜けるものは抜いてしまいます。

SX-WD1KT-斑点.jpg
気泡ではなくゴミのためにできてしまった斑点。

■ニス塗りのポイント
 ニス塗りのときの刷毛を動かす方向も木目に沿うようにします。刷毛に含ませるニスの量と、刷毛の当てる力の強さ、動かす速さで、一度に塗るニスの量をコントロールします。言葉で説明するのは難しいのですが、ニスを塗った直後に刷毛筋が多少残っているのが、少し待つと広がってわからないぐらいにたっぷり塗ります。塗った面を縦にしてたれるのは塗りすぎです。少なめにしようと心がけるのがよいのですが、強く刷毛を当てすぎるなどして、ニスの量が少なすぎると塗り残しが出て、刷毛筋が残ったままになります。

 ニスを容器から塗りやすいようにカップに移しますが、必要量だけ出すようにします。もし多すぎた場合はもったいなくても、拭き取って捨ててしまいます。追加で塗ったり、無理をして塗るとむらなどの原因になってしまいます。またニスを薄めると塗りやすいと書かれたりしていますが、面積が小さく一度に混合する量が少ないので薄めすぎになりやすいこと、毎回同じ量に混合するのが難しいことから原液で使うほうがよいようでした。

 また、一度に塗る面は1面 (溝で区切られている単位、たとえば、上面と上面の板の断面) にしてしまい、乾燥してから次の面に移ると、時間はかかりますが塗りやすいです。このとき他の面に刷毛がつかないように注意します。マスキングすると楽ですが、セロハン・テープで代用したりせず、粘着力が適当なマスキング・テープを利用します。30mm幅の刷毛では難しかったのですが、15mm 幅の刷毛ならマスキングせずに塗っても大丈夫でした。残念ながら、溝の中の塗装はあまりうまくいきませんでした。

SX-WD1KT-マスキング.jpg
ほかの面を塗らないようにマスキングする。

SX-WD1KT-セロハンテープ.jpg
セロハン・テープをマスキング・テープ代わりに使うと、せっかくの塗りがはがれてしまう。

<光永 法明>

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