~ 観測編 ~●温度を観測する 玄箱の活用方法の一つとして、「温度測定」をまとめてみたいと思いました。それというのも、温度観測の記事はインターネットで少なからず見つかるのですが、シンプルで簡単でありながら、種々の手法があれこれと載っているサイトが少なかったからです。
さて、センサ部分とインターフェース部分を自作するのはとても楽しいことなのですが、今回の温度測定の場合、校正がとても厄介です。たとえば、「
秋月温度計の校正」という記事には、その技術以上に涙ぐましい努力を読み取ることができますね。
結局、工作が簡単であっても、計測したデータが最終的に信頼性がなかったりすると、自己満足も半分になってしまいます。こうした所を鑑みて、今回、校正済のデバイスがないかどうか探し始めました。
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温度センサ DS18S20 運良くシンプルで超小型で校正済のデバイスを探すことができました。それが今回紹介している
DS18S20(データシート)です。
小型トランジスタの形状をした DS18S20 は 、3 本(グラウンド、出力、電源)の足があって、何かしらのインターフェース端子から(このICの出力端子に)電源を供給してもらう方法を取れば、2本(グラウンド、出力)の線の接続で温度の計測ができるというところがとても奇妙です。
このデータシートを読んでみると、「±0.5℃ accuracy from -10℃ to +85℃」と書いてありました。これならば、素人が温度を計測するには校正なしで十分でしょう。あるいは、正しく気温や室温を計るには、むしろずっと、設置場所やその環境の対流や副射を考慮しなくてはならないのかもしれませんね。
このような校正済のデバイスであって、絶対精度は気にしないとか、傾向がわかればよいとか、あるいは人間やマシンの温度環境の把握といった一般的用途向けにはぴったりのデバイであるといえましょう。
さてさて、これをどうやって使ったものか。いろいろと Web を漁ってみると、これの詳しい動作を紹介しているページを見つけることができました。それが「
デジタル温度センサー」のページです。
このように詳しいタイミングがつかめていれば、PICやARMといったワンチップCPUでインターフェースさせるのも面白そうです。
始めにみかけた当初、この温度センサはアナログ型(LM35DZ)をディジタル出力に置き換えたものなのかと早合点しました。つまり、
http://oasis.halfmoon.jp/other/pic-ic/675-temp-sensor.html とか、
http://nonchansoft.at.infoseek.co.jp/ondokei1.htmとかのインターフェースに、 A-D 変換部を不要にするデバイスなのかと。しかし、さらに調べを進めてみると、このデバイスは1-Wire ネットワーク・デバイスのファミリだったのですね。より詳しくは、
作ってわかる通信ネットワーク技術が参考になりました(現在、絶版の様子でしたので、図書館で調べました)。
もし、参考書を書店で購入するならば、
センサとインターネット接続 または、
マイコンの1線 2線 3線インターフェース活用入門の書籍が良いと思います。
このデバイスとのシーケンスは、メーカが公表している
データシート(pdf)を読むとわかるのですが、玄箱から制御するにはかなり困難そうです。そもそも、リアルタイムでタイミング調整が必要なデバイスとは、一般の UNIX OS は相性がよくありません。
そうこう考えあぐねていると、1-Wire デバイスとシリアル通信の変換をしてくれるユニットが見つかりました。
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シリアル変換でインターフェースが超簡単に この写真に示すユニットが、1-Wire デバイスとシリアル通信の変換を担ってくれます。 これ(
DS9097U)を利用すると、面倒だと思われるインターフェース時のタイミング調整を不要にするばかりでなく、通信プロトコルをシリアル(RS-232C)に変換してくれるのです。

DS9097U-09 というのは、上述の写真のような形状をしており、内部には
DS2480 というチップが入っています(最新は
DS2480Bになりつつある様子)。
温度センサ(DS18S20)との接続は、モジュラ・ジャック(RJ-11/6P)で接続されますから、6 芯ケーブルの先に DS18S20 を(必要ならばコネクタを付けて)接続します。
ケーブルの先に DS18S20 を付けたところをお見せします。
ここでは、電話線系のケーブルを利用しましたが、ネットワーク・ケーブルを利用するほうが特性的にはよいでしょう。
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温度測定の構成 温度の計測は、これまでにも利用した「USBタイプのシリアル・アダプタ」を適用します。上述している変換アダプタは写真のように接続しておきます。

温度センサのほうは、ショートや断線の予防、また軒下に設置したりすることを考慮して、熱収縮チューブで覆っておきました。

この加工をしてみて気づいたのですが、このように小型であれば、パソコン筐体内の温度測定(CPUフィンに挟むことも可能)であるとか、冷蔵庫内に簡単に持ち込めそうでした(実際に計ってみると興味あるデータが取れるのではないでしょうか?)。
次回は、プログラムを考えます。
<和田 好司>
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