LPC1114 付き LPCXpresso

 2009年末,NXPセミコンダクタ社よりARM社Cortex-M0 コアを搭載した LPC111x シリーズのマイコンが発表されました.その評価ボードである LPCXpresso を使用してアプリケーションを作ってみましょう.最初のアプリケーションは,おなじみの LED チカチカです.

LPCXpressoの構成

 NXPセミコンダクタ社(以下NXP社)の評価ボード LPCXpresso 基板は,「LPC-Link モジュール」と「被評価マイコン・モジュール」の二つの部分から構成されています.

LPC-Link モジュール

 USB コネクタが搭載されている部分が LPC-Link モジュールです.

LPC-Link モジュール

 ここには,被評価マイコンの制御を行うために ARM9 マイコン LPC3154 が搭載されています.このマイコン自身のファームウェアを書き換えるために,基板上には LPC3154 用の JTAG コネクタ・パターンもあります.

 一方,被評価マイコン側のインターフェースとしては, 10ピンの JTAG コネクタ(J5)が用意されており,ほかのターゲット基板と接続することができるようになっています.

 ただし,この LPCXpresso 基板を単体で使用する際には, SWD インターフェースを使用してデバッグを行います. SWD インターフェースについては,後で取り上げます.

被評価マイコン・モジュール

 LPC-Link モジュールの反対側には,被評価マイコンが搭載された被評価マイコン・モジュールがあります.

LPC1114 マイコン・モジュール

 被評価マイコン・モジュールには, Coretex-M0 内蔵の LPC1114 マイコンが搭載されています.接続されている水晶発振子(Y2)の固有周波数は,12MHzです.マイコン内部では, PLL を使って,内部クロックを生成しています.

 また,大電流出力に対応した PIO0_7 端子には,アプリケーション用 LED (LED2)が接続されています.この記事では, LED2 を点滅させるアプリケーションを作成します.

SWD インターフェイス

 LPC-Link モジュールと被評価マイコン・モジュールの間は,数本の配線だけで接続されています.

SWD インターフェイス部分

 ところで,これら二つのモジュールをつないでいる配線は,なんでしょうか. ARM チップの開発というと, "JTAG" と呼ばれる規格がよく使われます.ところが, "JTAG" の配線には最低でも5本の信号線が必要です.これらの信号線がつながれた端子は, "JTAG" で接続された時には,使用できません.これは, LPC1114 のようにピン数の少ないマイコンの場合には,大きな問題です.

 そこで,考え出されたのが, Serial Wire Debug (SWD) という規格です.この規格によれば,開発ツールとマイコンの間に必要な信号線の数は,2本にまで減らすことができます.これらの信号線は, J4 と書かれているコネクタ・パターン部分に数本の電源線とともに出ています.

 それぞれのモジュールは,物理的に切り離すことで,独立して動作させることができるようになっています.しかしながら,二つのモジュールの間には,「Vカット」などと呼ばれるような切り込みが入っておらず,シルク印刷があるだけです.そのため,きれいに二つの基板に切り離すには,かなりの工夫と度胸が必要であると思われます.切り離し作業は,続く記事で挑戦してみたいと思います.

LPCXpresso は,何を指す言葉なのか

 この基板には, LPCXpresso という名前がついています.また,次回以降使用する開発環境にも LPCXpresso の名前がついています.紛らわしいので NXP社LPCXpresso の呼び名について問い合わせてみました.

 その結果, LPCXpresso というのは,ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにつけた名前だということです.そのため,両方がそろって LPCXpresso と呼ばれます.

 では,基板と開発環境は,それぞれ何と呼んだらいいかというと, "LPCXpresso board" と "LPCXpresso IDE" と呼ばれているそうです.そこで,この記事では,「LPCXpresso 基板」と「LPCXpresso 開発環境」と呼んで区別することにします.

田中範明(noritan.org)


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