LPC1114 付き LPCXpresso プロジェクトを作ろう

 NXPセミコンダクタ社(以下NXP社)の LPCXpresso 開発環境でアプリケーションを作成するときには,プロジェクトという単位で開発を行います.まずは,新規プロジェクトを作成しましょう.

ワークスペースを作る

 新規プロジェクトを作成する前に,プロジェクトを配置する場所を指定します.この場所のことをワークスペースと呼んでいます.最初に LPCXpresso 開発環境を起動したときに,ワークスペースをデフォルトのままにしました.まずは,この場所を変更します.

ワークスーペース切り替えメニューアイテム

 ワークスペースの場所を切り替えるためには,メニューから「File → Switch Workspace → Other...」を選択します.

ワークスペース指定ダイアログ

 すると,ワークスペースの場所を指定するためのダイアログがあらわれます.この例では, C:\Projects\LPCXpresso\ws01 というフォルダを指定しています.指定方法には,テキスト・ボックスに直接フォルダ名を書き込むほかに, Browse... ボタンをクリックして,ダイアログから指定する方法があります.

 フォルダを指定したら, OK ボタンをクリックして,ダイアログを閉じます.

開発環境初期画面

 すると, LPCXpresso 開発環境画面全体が閉じ,再びスプラッシュが出て, LPCXpresso 開発環境が再起動します.

ワークスペース名の表示

 再起動直後の画面は,変化がないように見えますが,画面右下のステータス・バーの中に,変更後のワークスペース名が表示されています.

 この例の場合,ワークスペースとして新しいフォルダを作成しましたが,フォルダの作成を確認するダイアログは表示されません.

プロジェクトを作る

 作業場所を確保したので,プロジェクトを作成していきます.

プロジェクト作成メニューアイテム

 プロジェクトの作成には,「クイック・スタート・ビュー」のメニューを使うと便利です. Project and File wizards タブを開いて,「MCU project wizards → NXP LPC1100 project templates → Create NXP LPC1100 Project」を選択して,プロジェクト作成ウィザードを開きます.

2010-05-07 LPCXpresso V3.3 に対応し,追記しました.

 上の画像は, LPCXpresso V3.2 のものですが, LPCXpresso V3.3 では,以下のようにメニュー・アイテムが Create NXP LPC1100 C ProjectCreate NXP LPC1100 Semihosting C Project に変更されています.

プロジェクト作成メニューアイテム V3.3

 この「LED チカチカ」プロジェクトを作成するときには,どちらを選んでも構いません.しかし,この後で登場する仮想コンソールを使用するプロジェクトを作成する場合には, Create NXP LPC1100 Semihosting C Project を選択して仮想コンソールを有効にする必要があります.

プロジェクト名指定ダイアログ

 最初に指定するのは,プロジェクト名です.この例では, proj01 としました.テキスト・ボックスにプロジェクト名を記入し, Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.

CMSIS 指定ダイアログ

 次の画面では, CMSIS を使用するかどうかを指定します.

 CMSIS とは, "Cortex Microcontroller Software Interface Standard" (Cortexマイコンのソフトウェア標準)の略で, ARM 社が中心になって定めた, Cortex を使うソフトウェアを記述する際の規格のことです.この規格に従えば,ほかのメーカの Cortex 内蔵マイコンを使用する場合にソフトウェアの再利用ができます.詳しくは, ARM社の Web ページ Cortex Microcontroller Software Interface Standard から情報が見られます.

 このプロジェクトでも, CMSIS 規格に準拠したプログラムを記述しますので, "Use CMSIS" (CMSIS を使用する)をチェックし,使用する CMSIS 規格を確認した上で, Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.

ソースコード情報ダイアログ

 次のダイアログでは,ソース・コードを生成するときに使用する情報を指示します.

 スタートアップ・ファイルは,マイコンのクロック設定などを行わせるためのプログラムが入ったファイルです.通常は必要なファイルですので,ここでもチェックしておきます.また,ソース・ディレクトリは,ソース・ファイルを格納するためのフォルダ名をあらわしています.特に変える必要もないので,デフォルトの src のままとしておきます.

 LPCXpresso 開発環境は, eclipse をベースとして作られているので, eclipse で装備されているソフトウェア作成支援機能を使用することができます.その一つに,ソース・コードを作成するときにヘッダにコメントを作成する機能がありますが,コメントには,ここで指定した作者名や著作権表示が挿入されます.

 設定が終わったら, Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.

使用目的設定ダイアログ

 この画面では,コンパイル時の設定を選択します.多くのマイコンがそうであるように,アプリケーションのデバッグ時には,デバッグ機能などを追加してデバッグを行いやすいプログラムを作成し,実際の製品にする時には,デバッグ用の機能を外して身軽にします.そのための「設定」が "Debug" (デバッグ)と "Release" (公開)です.

 この記事では, "Debug" しか使いませんが,デフォルトのまま, "Release" も残しておきました. Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.

プロセッサ選択ダイアログ

 この画面では,使用するプロセッサを指定します.今回の記事で使用しているのは, LPC1114/301 搭載の LPCXpresso 基板です.プロセッサを選択したら, Finish ボタンをクリックして,プロジェクトの作成は完了です.

ライブラリが足りませんダイアログ

新規プロジェクト 'proj01' は, 'CMSISv1p30_LPC11xx' に依存していますが,ワークスペースには見つかりません.

プロジェクト 'proj01' は,作成されますが,必要とされるプロジェクトがインポートまたは作成されるまでは,正しくビルドされないでしょう.

"Import Example projects" を使い, CMSISv1p30_LPC11xx.zip を指定して必要なプロジェクトを作成してください.

 終わったと思ったら,こんなダイアログが出てきました. CMSIS を使用するということは,それに対応したいわゆるライブラリに相当するファイルが必要です.この段階では,プロジェクトを作成しただけなので,必要なライブラリがないというわけです.

 次は,何かをインポートしなくてはならないのだなと理解しながら, OK ボタンをクリックしてダイアログを閉じましょう.

ライブラリをインポートする

 それでは,さきほどのダイアログにしたがって, CMSIS をインポートします.

インポートのメニューアイテム

 Import Example project(s) メニューは,クイックスタートビューの Start here タブにあります.メニューアイテムを選択すると,ダイアログがあらわれます.

インポートするライブラリの指定

 ダイアログの Browse... ボタンをクリックして,目的のファイルを探します.この例では, C:\Programs\NXP\lpcxpresso_3.2\Examples\LPC1000\LPC11xx\CMSISv1p30_LPC11xx.zip にありました.ファイルを選んだら, Next ボタンをクリックして,次の画面に進みます.

インポートするプロジェクトの指定

 この画面では,選択したファイルから,どのプロジェクトをインポートしてくるかを指定します.このファイルの場合には,プロジェクトは CMSISv1p30_LPC11xx の一つしかありません.チェックされていることを確認して, Finish ボタンをクリックすると,インポート完了です.

試しにビルドしてみる

 これで,必要なものは,すべてそろいました.試しにビルド(バイナリ・ファイルを作成)してみましょう.

ビルドのためのメニューアイテム

 ビルドのためのメニューアイテムは,クイックスタートビューの Start here タブにあります. Build all projects (Debug) をクリックすると,ビルドが始まります.

ビルド完了

 ビルドの実行が始まると,コンソールビューにメッセージが流れていきます.最後に,生成されたバイナリ・ファイルの情報が表示されたら,ビルドは完了です.このアプリケーションの場合には,612バイトのプログラムになったことがわかります.

 次回は,いよいよ,アプリケーション・プログラムを作成します.

田中範明(noritan.org)


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