切り離された LPCXpresso LPCXpressoの切り離し手順

 NXPセミコンダクタ社(以下NXP社)の評価ボード LPCXpresso 基板の二つのモジュールを切り離すためには,作戦を立てなくてはならないようです.

基板の切り離しのための条件

 基板を切り離す目的は,切り離したあとのモジュールを使用することです.そのための条件をいくつか考えました.

  • 切り離したあとも動作すること

    開発ツールとして,使用するのが目的なので,切り離す工程で壊してしまっては何にもなりません.とくに切り離し作業中のパターンの保護と静電気に対する保護に気をつけます.

  • 二つのモジュールのどちらも使用できること

    LPC-Link モジュール」だけ取り出したいのであれば,「被評価マイコン・モジュール」側のJ4コネクタ・パターンの穴に沿って切断する簡単な方法があります.しかし,この方法をとると,「被評価マイコン・モジュール」は,事実上使用できなくなってしまいます.ここは,欲張って,どちらのモジュールも生かす方針にします.

  • J4にコネクタを取り付けられること

    LPC-Link モジュール」には, JTAG ヘッダ(J5)が実装されており,必要な信号は,すべてここから取り出すことができます.ところが,このヘッダは,1.27mmという一般的ではないピッチを使用しています.そのため,対応するコネクタを探すのさえ困難です.

    そこで,この記事では,2.54mmピッチの J4 コネクタ・パターンを使用して,開発ツールとターゲットをつなぐことを目標としました.J4にコネクタを取り付けるためには,はんだ付けが可能な大きさのランドを残さなくてはなりません.かなり精密な加工を要求されます.

  • ランドをホコリから保護すること

    J4 コネクタを含む「被評価マイコン・モジュール」のランドには,切り離し後にはんだ付けをする可能性があります.このため,これらのランドに切りくずなどのホコリが付着しないように気をつけなくてはなりません.

  • USBコネクタを保護すること

    開発環境をインストールしたPCとの接続に使用されるのが,USBコネクタです.USBコネクタには,電気的な接点が存在するので,ホコリなどが付着しないように注意しなくてはいけません.また,機械的な力が加わって,変形する恐れもあるため,適切に保護する必要があります.

  いろいろと条件を付けたうえで,考え出した切り離し工程を以下に述べます.

二つのモジュールを保護する

 切り離される二つのモジュールは,主に静電気とホコリから保護しなくてはなりません.静電気からの保護には, LPCXpresso 基板の梱包に利用されていた,導電性のスポンジを使用します.

導電性のスポンジ

 このスポンジが基板表面をおおってくれるので,ホコリからも保護することができます.スポンジには,何か所か穴があいています.このうち,切り離し場所から近いところにある JTAG コネクタ(J5)だけは,あらかじめマスキング・テープでフタをしておきます.

JTAGコネクタの穴をふさぐ

 さらに,ホコリが付着しないようにするためには,袋をかけてしまいます.ただし,この時に使用する袋も導電性である必要があります. J4 コネクタの両側から袋をかけて,すきまからホコリが入らないようにマスキング・テープで密閉します.

導電性の袋をかける

 この状態で J4 コネクタ・パターンの中央部分で切り離してしまえば,作業は終わりです.

ガイドを取り付ける

 しかし, J4 コネクタの周りには,信号線が走っています.もし,切り離し作業中にカッターの刃がそれて傷つけてしまったら,ひとたまりもありません.

 そこで,誤切断に備えて,もう一工夫することにしました.刃がそれたりしないように,ガイドを付けるのです.

両面テープを貼る

 まずは,ガイドを取り付けるための両面テープを取り付けます.両面テープは, LPCXpresso 基板に直接貼りつけて,切り離し後は取り外します.そのため,それほど強力ではないけれど,作業中に動いたりしない程度の強度のテープを選びます.

 写真のように J4 コネクタのランドにかぶせるように貼りつけます.この両面テープには,切り離し作業中に出てくる切りくずがランドに入り込まないようにする作用も期待しています.

ステンレス製の定規を取り付ける

 ガイドとして使ったのは,二枚のステンレス製の定規です.定規を 0.3mm ほどの隙間をあけて,取り付けます.この定規の隙間にカッターの刃を差し込んで切断すれば,まっすぐに,かつ,安全に基板を切り離すことができます.

 次回は,いよいよ基板を切り離します.

田中範明(noritan.org)


トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: LPCXpressoを切り離そう (2)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.eleki-jack.com/mt/mt-tb.cgi/4003





カテゴリ


Copyright (C) 2006-2015 CQ Publishing Co.,Ltd. All Rights Reserved.