切り離された LPCXpresso 切り離した基板をコネクタでつなぐ

 NXPセミコンダクタ社(以下NXP社)の評価ボード LPCXpresso 基板を二つのモジュールに切り離しました.でも,デバッガとして使用するためには,電気的に接続しなきゃいけません.

J4 にコネクタをつける

 二つのモジュールをつないでいたのは, Serial Wire Debug (SWD) と呼ばれるインターフェースの信号線です.すべての信号が J4 コネクタ・パターンに引き出されています.

J4 コネクタの信号線一覧(再掲)
LPC-Link モジュール被評価マイコン・モジュール
信号名ピン番号ピン番号信号名
VIO_3V312VIO_3V3X
JTAG_TMS_SWDIO34JTAG_TMS_SWDIOX
JTAG_TCLK_SWCLK56JTAG_TCLK_SWCLKX
JTAG_TDO_SWO78JTAG_TDO_SWOX
JTAG_TDI910-
JTAG_RESET1112JTAG_RESETX
EXT_POW1314EXT_POWX
GND1516GNDX


 つまり, J4 のパターンを利用して,これらの信号をすべて接続してやれば,元の LPCXpresso 基板と同じように使用することができます.そこで,まずは,二つのモジュールの J4 パターンにコネクタを取り付けます.

J4 へのコネクタの取り付け

 今回使用したコネクタは,日本圧着端子が製造している XH シリーズの S8B-XH-A というサイド型のベース付きポストです.マルツパーツで購入しました.

 「被評価マイコン・モジュール」側のベースは,そのままだと基板の両側にある J6 コネクタ・パターンと干渉してしまいます.このため,ベースをパターンと接触しない程度に削ってあります.

接続ワイヤの準備

 J4 コネクタ・パターンに取り付けたのは,8極のポストです.そのため,8本すべての信号線を配線すれば,二つのモジュールを接続することができます.では,本当のところ,何本必要なのでしょうか.

給電可能な接続ワイヤ

 LPC-Link モジュールから給電する場合には,以下の五本のワイヤを使用します.

給電可能な接続ワイヤの信号線一覧
LPC-Link モジュール被評価マイコン・モジュール備考
信号名ピン番号ピン番号信号名
VIO_3V312VIO_3V3XLPC-Linkモジュールから,3.3Vの電源が供給されます.
JTAG_TMS_SWDIO34JTAG_TMS_SWDIOXSWD インターフェースのデータ入出力信号です.
JTAG_TCLK_SWCLK56JTAG_TCLK_SWCLKXSWD インターフェースのクロック信号です.
JTAG_RESET1112JTAG_RESETX被評価マイコンをリセットする信号です.
GND1516GNDXすべての基準電位を示すグランド線です.


 電源を供給する "VIO_3V3" と "GND", SWD インターフェースに必要な "SWDIO" と "SWCLK",そして,リセットを発生させる "RESET" の五本です. "VIO_3V3" から出てくる電圧は,ショットキー・ダイオードを通っているので,実測では 3.1V に低下していました.

 "JTAG_RESET" 信号は,デバッグ・モードに入るときに "PIO0_0" 端子に与えて LPC1114 をリセットするための信号です. "PIO0_0" 端子は, 汎用入出力(General Purpose I/O: GPIO)として使用することもできる端子です.そのため,一度, GPIO として定義してしまうと,この端子を使ってリセットをかけることができなくなってしまいます.

 そういった場合に備えて,別の対処方法が用意されているようなのですが,その方法については,別の機会に紹介します. "PIO0_0" 端子を GPIO として使わなくてはならないときには,注意しましょう.

外部電源対応の接続ワイヤ

 一方,「被評価マイコン・モジュール」が独自に電源を有している場合には, "VIO_3V3" を除いた四本のワイヤを使用します.通常の独立したアプリケーションの場合,アプリケーション自身が電源をもっているので,この状態で使用されることが多いと思います.

 ここで作成した接続ワイヤは,日本圧着端子が製造している XH シリーズの XHP-8 というハウジングに100mmの圧着済みワイヤを差し込んで作成しました.ハウジングはマルツパーツで,圧着済みワイヤはダイセン電子工業で購入しました.

接続,点火

 ポストを取り付けて,ワイヤを準備したら,接続するだけで今までと同じように使えます.

接続された二つのモジュール

 分離した部分を接続しただけなので,動いて当然ですね.「外部電源対応の接続ワイヤ」の写真はありませんが,同様に使えることを確認しました.

LPCXpresso 基板には, 3.3V 電源を供給するレギュレータが搭載されていません.それでは,どこから 3.3V を供給しているのでしょうか.それは,コントローラとして搭載されている LPC3154 です.

LPC3154 マイコンは, USB の公称 5V の電源から 3.3V の電源を供給する機能をもっています.その許容容量は, 250mA です.ここから, LPC3154 マイコン自身が消費する電流を差し引くと 100mA ほど被評価マイコン基板に供給することができます.それ以上の電流を必要とする場合には,被評価マイコン基板に外部電源を用意する必要があります.

 次回は, LPC-Link 基板をケースに納めます.

田中範明(noritan.org)


トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: LPCXpressoを切り離そう (4)

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.eleki-jack.com/mt/mt-tb.cgi/4006





カテゴリ


Copyright (C) 2006-2015 CQ Publishing Co.,Ltd. All Rights Reserved.