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はてなブックマークに追加   フルディジタル マルチアンプ・システムへの道 (2) 

D級アンプ、フルディジタル・アンプ(2)

●ディジタル・アンプとフルディジタル・アンプ
 ディジタル・アンプかアナログ・アンプかの違いについて、「最終段」と前置きを付けて説明しました。つまり、アンプに最初に入力される信号がアナログかディジタルかの違いについても考える必要があります。
 最初の入力、最終段への入力がアナログかディジタルか、で4種類のアンプがあります。

(1) アナログ入力、アナログ増幅=一般的アナログ・アンプ。
(2) アナログ入力、ディジタル増幅=D級アンプと呼ばれるものが多い。ディジタル・アンプ。
(3) ディジタル入力、アナログ増幅=DAC(ディジタル-アナログ・コンバータ)を内蔵する。AVアンプなどに多い。
(4) ディジタル入力、ディジタル増幅=アナログ信号が介在しない場合、「フル」ディジタル・アンプ。

 (2)と(4) について、内部の仕組みを図解してみます。

slide4.png
図4. 入力信号の処理方法の違い

 (2)では、入力信号を三角波と比較して、いつ増幅段をON/OFFするべきかの判断をします。入力信号のレベルが三角波よりも高い場合にはONとします。この場合にはON時間が多くなり、逆に入力信号のレベルが低い場合にはOFF時間が多くなります。一定時間幅で平均をとってみると、ON時間が多ければ平均値が上がり、OFF時間が多ければ平均値が下がります。この仕組みではON/OFFするパルスの幅で信号の強さを表すので、パルス幅変調(Pulse Width Modulation)、略してPWM信号と呼ばれます。
 (4)では、ディジタル入力に計算を行って、ON/OFF信号を作成します。CDの信号はPCMで44.1kHz/16ビット(つまり65,536段階)ですが、これを 1ビットのON/OFF信号に変換しなければなりません。そのままでは、44.1kHzの周期×65536段階=2.89GHz精度での ON/OFF信号が必要です。これは今のところ実現できませんから、仮に12.288MHzの周期でON/OFFが可能として、たとえば 348kHz周期×32段階のON/OFF幅制御を行います。
 このとき、単純に変換を行うだけでは、情報量が1/256程度に減ってしまいます。これを避けるために、オーバサンプリング(44.1kHzから348kHz周期へ)、ノイズ・シェーピング(ノイズ分布を偏らせる)という技術を使い、低域つまりオーディオ帯域の情報量を上げて(ノイズを減らす)高域の情報量を下げる (ノイズを増やす)ことによって、オーディオ帯域でのS/N比を高く保ちます。詳しくは、参考文献を参照してください。

ディジタル・アンプ製品
 商品として販売されているディジタル・アンプには、以下のようにいろいろなものがあります。

◆アナログ入力のディジタル・アンプ

  • フライングモール
  • トライパス社チップ(TA-2020など)、TI社のTPA3120D2など、使用製品、キット各種
  • オンキヨー A-977など
  • 海外で NuForce、Jeff Rowland、Halcroなど

◆フルディジタル・アンプ

  • TacT
  • ソニー S-Master系列、TA-DR1など
  • Panasonic XRシリーズ
  • KENWOOD VRS-7100
  • ラステーム RSDA302P、U

 しかし、チャネル・デバイダと組み合わせて利用するのに適したものはなかなかありません。ステレオでかつリモコン対応(複数使うので値段も重要)がよいのですが、これを満たすものは現状ではソニーのTA-F501などしかないようです。
 もちろん、安価なPanasinic XRシリーズなども(使用しないチャネル分はむだになるが)利用できます。

◆参考文献、リンク
  • D級/ディジタル・アンプの設計と製作CQ出版社。ディジタル・アンプについて。PWM、ノイズ・シェーピングなどについて詳しく解説されています。
  • 定本 OPアンプ回路の設計、CQ出版社。 アナログ・チャネル・デバイダに必須であるOPアンプの基本です。 
  • 計測のためのフィルタ回路設計、CQ出版社。OPアンプによるハイパス、ローパス・フィルタ、スピーカ・ネットワークで使われるLCフィルタなどについて詳説。 
  • 実践 ディジタル・フィルタ設計入門 、CQ出版社。 Javaアプレットで試しながら、ディジタル・フィルタの動作を見ることができます。
  • はじめてのDSP活用大全 、CQ出版社。DSPとはどのようなものかに興味が出たらどうぞ。
  • C言語によるディジタル信号処理入門、CQ出版社。フルディジタル・チャネル・デバイダを自作する(!)には必読だと思われます。
 洋書ですが、TAB Electronics 「The Audiophile's Project Source Book」 3Wayのアナログ ”リニアフェーズ” チャネル・デバイダが載っています。

◆リンク
 http://staxt2.hp.infoseek.co.jp/deqx.htm DEQX2.6使用記
 http://www.linkwitzlab.com/filters.htm アナログ・フィルタ回路いろいろ
 http://katyan4.exblog.jp/ 改造DCX2496を使用されている。

 http://www.freecon.co.jp/ir_distribution.php 赤外線 リモコン・リピータ

 筆者の所属するKENRICK SOUNDでは、主にJBL社製の大型中古スピーカを取り扱っています。また、この連載の後半で紹介する、チャネル・デバイダDCX2496の出力をディジタルに変更する改造も行っています。

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2008年2月 8日 10:54に投稿されたエントリーのページです。

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