回路シミュレータSpiceでは、周波数に対する利得と位相の変化特性のシミュレーションをAC解析(AC analysis)と呼んでいます。
前回の(1)で設計した3種のLCLPFのAC解析方法を、回路図の作成から順を追って説明します。
LTSpiceを起動し、[File]→[New Schematic]を選択すると、図2-1の画面になります。
まずは部品の配置ですが、部品配置に使用するアイコン群はツール・バーの右に位置しています。
●信号源の設定と回路の作成
最初は信号源ですが、アンドマークのアイコンをクリックすると、図2-2の部品選択画面が現れます。信号源は画面下の右端にある[voltage]を使用します。[voltage]を左クリックして選択状態にしてから[OK]をクリックし、回路図に配置します。
コイルは専用のアイコンがあるのでこれをクリックし、図2-3に示すように部品回転のアイコンをクリックしてコイルを都合の良い向きに設定します。
コンデンサ、抵抗、グラウンド・マークも同様に、専用のアイコンをクリックして回路図に配置していきます。
部品の配置が完了したら、図2-4に示すように配線のアイコンをクリックし、部品間を配線していきます。
図24 部品間の配線
配線が完了したら、部品定数の設定です。
信号源にマウス・ポインタを置くと、図2-5に示すように人の手に変化します。この状態で右クリックすると、図2-6の設定画面が開きます、交流信号として使用するので[Advanced]をクリックすると、図2-7の設定画面が開きます。AC解析の信号源として使用するので[AC Amplitude]に1、[AC Phase]に0、[Series Resistance]に0を設定します。
図2-8に示すようにコイル定数を設定しますが、今回はインダクタンスの値のみ設定しました。コイルの直列等価抵抗値が判明している場合は[Series Resistance]に設定します、設定しないとデフォルトの1mΩになります。コンデンサ、抵抗も同様に定数を設定していきます。

回路図の作成が終了したら、最後にシミュレーション結果のグラフをわかりやすくするために回路図にネット名を記入します。図2-9に示すアイコンをクリックし、任意のネット名を設定します。今回は各フィルタの出力、3か所に記入しました。

●解析コマンドの設定
次は解析コマンドの設定です。図2-10に示すように、[Simulate]→[Edit Simulate CMD]をクリックし、図2-11の設定画面を開きます。
AC解析をするので[AC Analysis]のタブを選択します。
[Type of Sweep]でX軸の周波数軸をログにするかリニアにするか決定します。[Octave]と[Decade]がログになり、2倍または10倍の周波数間を何点解析するか指定します。
[Start Frequency]にスイープ開始周波数を、[Stop Frequency]に終了周波数を設定します。なおSpice系のシミュレータは10の6乗はMEGと記入します。Mと記入するとミリの意味になり10の-3乗になってしまいます。
解析コマンドを設定すると、図2-12に示すように回路図上に設定値が現れ、これでシミュレーションの設定が完了です。
図2-13に示すシミュレーション開始アイコンをクリックすると、シミュレーションが開始しされ、終了すると画面上部に空白のグラフ画面が現れます。
図2-14に示すようにグラフ化したい個所にマウス・ポインタを置くとマーカが現れます。そして、左クリックすると利得と位相のグラフが描かれます。
図2-15が三つの出力を指定した結果です。
利得の目盛りを任意な値にする場合はマウス・ポインタを利得の目盛りの位置に持っていきます。すると、スケールが現れるので、左クリックすると図2-16の設定画面が開きます。

位相も同様に操作すると図2-17の設定画面が開きます。

図2-18が完成した利得・位相-周波数特性のグラフです。
グラフの色は[Tools]→[Color Preference]で図2-19の設定が面が開きます。筆者の場合は、画面を貼り付けハードコピーを取ったときにインクの消費量が少なくなるよう、Back Groundの色を白にしています。回路図も同様にして自由に色が指定できます。

LTSpiceではグラフ画面をアクティブにして[File]→[Export]を設定することにより、グラフのデータがテキストの形でファイル化できます。しかし利得・位相ファイルは直接エクセルでグラフ化できず、テキストを修正しなくてはなりません。実測データとシミュレーションの値をグラフで比較したいときが多々あるので。この点はLTSpiceの残念なところです。
極座標のデータで,



