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はてなブックマークに追加   PGA2311PA+コントローラ・セット/CTRL2311の紹介と電子ボリューム回路の製作 (1)

■ はじめに
 オーディオ機器の自作は自分の作った機器で音を楽しむ、電子工作の王道と言ってもよい分野でしょう。真空管から半導体IC、さらにはいろいろな特性の受動部品まで音にかかわる部品を選ぶのもオーディオ機器自作の楽しみの一つです。そのような中、音量をコントロールするボリュームは高品質な製品の入手が年々困難になってきています。
 今回ご紹介する電子ボリュームIC PGA2311は高級オーディオ装置やプロ用機器向けに開発された高性能な電子ボリュームICです。この電子ボリュームIC PGA2311と専用コントロール・プログラムを組み込んだマイコンとのセットがワンダーキットより発売されました。このセットを使うと簡単に高品質の電子ボリュームを製作することができます。
 今回は電子ボリュームの製作と試用レポートをお届けします。

436CQ.jpg
写真1 完成した電子ボリューム基板クローズアップ

○ PGA2311PA+コントローラ・セット/CTRL2311
 電子ボリュームIC PGA2311は歪率0.0002%を誇る高音質な電子ボリュームICで音量を同期シリアルのディジタル信号にて外部からコントロールすることができます。コントロール信号は通常マイクロコンピューターのプログラムなどで作られ電子ボリュームICに与えられるのですが、このマイコンのプログラムの作成にはプログラム開発ツールやマイクロプロセッサなどのそれなりの知識が必要で、我々アマチュアが手軽にPGA2311を使用するにあたってのネックになっていました。そんな中、共立電子産業ワンダーキットより、PGA2311と専用コントローラ・マイコンがセットになった「PGA2311PA+コントローラ・セット/CTRL2311」が発売になりました。
 お値段は、PGA2311単体のお値段に書込み済のマイコン代をプラスしただけの大変良心的な価格設定で、簡単にPGA2311を使用した電子ボリュームを製作することができます。

C1.jpg

写真2 PGA2311PA+コントローラ・セット/CTRL2311
共立電子産業シリコンハウス、エレショップ(通販)で入手できる。

■ PGA2311の概要
 PGA2311には2チャネルの電子ボリュームが内蔵されています。PGA2311の端子接続と機能を見てみましょう。

○PGA2311の端子配列
 まず、PGA2311の端子配列を自作オーディオに最適な16ピンDIPパッケージ品を例に説明します。
 まず、図1の端子接続図をみてください。PGA2311の端子配置は1~8番端子の下側端子をディジタル・コントロールおよびディジタル部の電源端子になっています。8~16番端子はステレオのRch,Lchのオーディオ信号の入出力およびアナログ電源端子になっています。
 ディジタル側端子は4,5のディジタル電源端子を中心としてその外側2,3,6,7番端子がディジタル・コントロール信号のSPIインターフェース端子、さらにその外側1,8番端子にZCEN,MUTE端子といった設定端子が対称的に配されています。アナログ端子側も12,13番端子のアナログ電源端子を中心に14,15,16番端子がLchのオーディオ入出力端子とGND端子、9.10,11番端子がRchのオーディオ入出力端子とGND端子とこちらも対称的に配置されています。
 このような端子配列は、ディジタル信号とアナログ信号、またアナログ信号内でもRchとLchとの各信号・電源のお互いの干渉が最も少なくなるように考えて配置されています。


WSCH2321.png
図1 PGA2311の端子接続

○PGA2311の端子機能
 それぞれの端子の機能を見ていきましょう。
・Lch、Rch オーディオ入出力端子(VINL,R、VOUTL,R)アナログGND端子(AGNDL,AGNDR)
これらの端子はオーディオ信号の入出力端子です。ステレオ使用を考えて2チャネルの電子ボリューム機能にそれぞれL、Rの文字を付しています。L.Rチャネルの各々のオーディオ信号をVIN L,R端子に入力します。電子ボリュームを通ったオーディオ出力はVOUT L.R端子に出力されています。各チャネルのオーディオ信号のGNDは各々のAGND端子に接続します。
 先に述べたようにここでのLch、RchはPGA2311の端子名での呼び方で必ず、ステレオ信号のL・Rチャネルと直接関係はありません。しかしながら、今回ペアで使用する専用コントローラ・マイコンCTRL2311はこの端子名称に合わせてL.Rチャネルを割り当てています。もし、バランス・コントロールを使用する場合でL.Rチャネルを入れ換えて配線した場合はバランス・コントロールの配線も入れ換える必要があります。
アナログ電源端子(VA+,VA-)
 オーディオ信号部の電源端子です。アナログGND端子(AGNDL,AGNDR)との間にVA+は+5V±0.25V、VA-は-5V±0.25Vの電源を接続します。
SPIインターフェース端子(SDI,SCLK,CS,SDO)
 電子ボリュームの設定を同期シリアル信号で受け取るインターフェース端子です。今回はチップセットのコントローラ・マイコンが制御しているので、コントローラ・マイコンの説明書通りに接続するとOKです。シリアル信号のフォーマットおよび機能は説明を省きます。
機能設定端子(ZCEN、MUTE)
 ZCEN端子は、“Zero Crossing Enable Input”と言う機能端子です。PGA2311はディジタル設定で一瞬にボリュームの値を変更することができますが、オーディオ信号の途中でボリューム値を大きく変えると、その時点で信号が急に変化するので変化した瞬間に「プッ」とか「ボッ」とかいう雑音が出てしまうことがあります。ZCEN端子を“High”にすると、PGA2311はオーディオ信号を監視して”0V“にクロスした瞬間にボリューム値を変更します。その瞬間の信号電圧は0Vなのでいくらボリューム値を変えても先のような雑音が出る心配がありません。ただし、16msの間信号がゼロクロスしない場合はタイムアウトになり、強制的にボリューム値を変更します。
 MUTE端子は、“Low”にすると出力が遮断状態になります。すなわち、MUTE端子が“Low”になった場合、PGA2311はオーディオ出力端子と内部バッファアンプとの接続を遮断し、オーディオ信号を遮断します。ZCEN端子が“High”の場合、MUTE信号の動作タイミングは上記のZCEN端子機能に依存します。
ディジタル電源端子(VD+,DGND)
 ディジタル電源端子はPGA2311のディジタル・コントロール部分の電源端子です。ディジタル電源には5V±0.25Vの電源を接続します。

○ PGA2311のゲイン・コントロール
 PGA2311はディジタル・コントロールで設定値1~255まで255段階のゲイン(音量)を設定することができます。ディジタル設定値1段階あたり0.5dBのゲインを可変できます。PGA2311の設定値に対するゲインは以下の式で表されます。


   Gain (dB) = 31.5 - [0.5 ×(255 - N)]

   ここで N=(ディジタル)設定値(1~255)

 つまり、設定値(N)が1の場合、PGA2311は-95.5dB、設定値(N)が255の場合+31.5dBのゲインをもちます。つまり抵抗によるVRのように音量を絞るだけでなく、最大音量にすると約37.6倍の増幅度をもつプリアンプとして使用できます。
 また、設定値(N)を0(ゼロ)にした場合、PGA2311のオーディオ入力はAGNDに接地されてMUTE状態なります。

寺尾 大二

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2009年3月16日 12:53に投稿されたエントリーのページです。

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