光センサ基板が完成しました.まずはライントレース/ロボットの車体に光センサ基板を搭載してみましょう.今回は光センサ基板の搭載とセンサの調整方法について紹介します.
■製作した光センサ基板を車体に取り付けよう
すべての部品を取り付けて配線まで完了したら,光センサ基板をライントレース・ロボットに搭載して車体を完成させましょう.
●L字金具を基板に取り付ける
M3ネジを使ってL字金具を基板の表面側に取り付けます.ネジを取り付ける順番は,写真1に示すように左から,M3ネジ,平ワッシャ,L字金具と基板,平ワッシャ,スプリング・ワッシャ,ナットの順で締めて固定します.
<写真1>ネジの取り付け順序
<写真2>L字金具を取り付けた光センサ基板
●ライントレース・ロボット前方に光センサ基板を搭載する
応用編の第5回で紹介したように,光センサQRB1134がライントレース・ロボットの前方に取り付けてある場合は,製作した光センサ基板と交換します.車体側のL字金具は光センサ基板の固定にも使いますので,外さずそのまま残しましょう.
写真3に示すように光センサ基板をL字金具同士で固定します.光センサの端面と床面間の距離は6mm程度に離します.
<写真3>製作した光センサ基板をライントレース・ロボットの前方に取り付けたようす
●アナログ入力端子にコネクタを接続する
最後に二つのコネクタをそれぞれH8マイコン・ボードのアナログ入力端子(CN1,CN2)に接続します.その前に配線ショートによる事故を未然に防ぐため,H8マイコン・ボードの電源スイッチが「OFF」になっていることを必ず確認しておきましょう.コネクタを装着する際にはあらかじめ乾電池を車体から外しておけば安心です.配線ケーブルは電池ボックス裏面側を通して固定するとよいでしょう.
<写真4>完成したライントレース・ロボットの外観
■光センサ基板の動作確認
●まずは光センサ基板の電源周りのチェックから
ライントレース・ロボットの電源を投入する前に,まずは光センサ基板の配線を必ず確認しておきましょう.ハンディ・テスタなどを用いて導通チェックをします.光センサ基板の+3.3VラインとGND間がショートしていないことを確認しておきます.ショートした状態で電源を投入した場合には,過大な電流が回路に流れます.最悪の場合,製作した光センサ基板だけでなく,H8マイコン・ボード側も壊れる可能性があります.ショート・チェックの際には,二つの半固定抵抗は左/右にどちらか回しきった状態にして,いずれも電源周りがショートしていないことを確認します.
次に,H8マイコン・ボードの電源スイッチを入れ,光センサ基板の電源電圧をチェックしてみましょう.写真5に示すように車体を裏返しにして,基板の電源ラインとGND間が,+3.3Vになっていることを確認します.
<写真5>光センサ基板の電源電圧をチェックしているようす
●ライン検出表示用LEDが点灯/消灯することを確認する
電源ラインのチェックが終了したら,H8マイコン・ボードの電源スイッチを入れてみましょう.まず二つの半固定抵抗を反時計回りの方向(最大抵抗値)に設定しておきます.ライントレース・ロボットを黒色の床などに置き,光センサのフォト・トランジスタ側になるべく反射光が入らない状態にすると,ライン検出表示用のLEDが点灯します.
<写真6>車体を黒色の床の上に置くとライン検出表示用のLEDが点灯する
今度は逆に二つの半固定抵抗を時計回りの方向(最小抵抗値)に設定してみましょう.ライントレース・ロボットを白色の床などに置いて,光センサのフォト・トランジスタ側になるべく反射光が強く入る状態にすると,ライン検出表示用のLEDが消灯します.
<写真7>車体を白色の床の上に置くとライン検出表示用のLEDは消灯する
以上のようにして反射光の受光状態により,二つのライン検出表示用LEDが点灯/消灯すれば光センサ基板は正常に動作しています.次に,光センサの受光感度の調整をします.
■光センサの受光感度の調整方法
●最初に表示用LEDの点灯状態を見ながら受光感度の粗調整を行う
ライントレース・ロボットを白色の床などに置き,赤外LED側からの反射光をフォト・トランジスタ側で受光するようにします.まず二つの半固定抵抗を反時計回りの方向(最大抵抗値)に設定しておきます.このとき光センサの赤外LEDの発光は最も弱くなっていて,ライン検出表示用のLEDは消灯します.この状態で半固定抵抗をそれぞれ時計回りの方向にゆっくりと回転してみてください.あるところまで回転して,赤外LEDの発光を徐々に強くしていくとLEDが点灯します.白色領域ではLEDを消灯させておきたいので,LEDが消灯する点まで反時計回りに逆に少しだけ戻しておきましょう.
次に,ライントレース・ロボットを黒色の床などに置きます.白色領域で消灯していたLEDが黒色領域では点灯する状態になれば粗調整はほぼ完了です.
●Beauto Builder NEOのセンサ数値を見ながら受光感度を微調整する
H8マイコン・ボードとパソコン間をUSBケーブルで接続し,Beauto Builder NEOを立ち上げてみましょう.Windowsの[スタート]メニューから[プログラム] > [Beauto Builder NEO] > [Beauto Builder NEO]で起動できます.
パソコンとH8マイコンが通信している状態であれば,リアルタイムでセンサ・エリアにセンサの値が表示されます.ライントレース・ロボットをそれぞれ白色領域と黒色領域に置くと,センサ1とセンサ2の数値がそれぞれ変化します.ここでは,左側のセンサを「センサ1」に割り当て,右側のセンサを「センサ2」に割り当てています.
<図1>Beauto Builder NEOのセンサ・エリアに表示されたセンサの値
それでは,図2に示すように車体を白黒領域の境界線付近に置き,原点(0点)から離して置いたときのセンサ1とセンサ2の数値をそれぞれ調べてみましょう.
<図2>白と黒の境界を原点(0点)にとり,二つのセンサの数値をそれぞれ測定する.センサ1側はライン左,センサ2側はライン右をそれぞれ原点とする.
センサの値はライン上(黒色領域)では大きくなり,ライン外(白色領域)では低くなります.最大値が4092で最小値が0となることが理想的な特性ですが,図3のように白色領域で300以下,黒色領域で3000以上に設定できていればOKです.左右のセンサの特性はなるべく同じ傾向となるように二つの半固定抵抗を調整しておきましょう.光センサから放射した光は拡散するため,白黒の境界付近(±2mm以内)では急峻な特性になりません.光センサの原理については応用編の第5回に解説があります.
<図3>ラインとレースロボットに搭載した光センサ(RPR220)の特性例
これで光センサの調整は終了し,ライントレース・ロボットのハードが完成しました.次回は,いよいよH8マイコンのプログラムを作り,ライントレース・ロボットを動かします.お楽しみに!
< Yoshihito Shimada >


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