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2007年12月 アーカイブ

2007年12月 3日

DDSチップでいろいろ遊んでみる
   --第1回--

 必要とする周波数の信号を得るためには、いくつかの手段がありますが、アナログデバイス社のDDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)を使うと、比較的簡単に実現することができます。
 アマチュアがよく使うチップに、AD9851があります。製作例もたくさん公開されているので使いやすいチップです。ただし、AD9851は1個2500円くらいと少し高価なので、ここでは、半額くらいで入手できるAD9834を使い、DDSでいろいろと遊んでみることにします。
 AD9834にはBRUZとCRUZの2種類があり、BRUZはマスタ・クロックが最高で50MHz、CRUZは80MHzで動作します。それぞれ、マスタ・クロックの1/2の周波数を生成させることができます。手持ちの関係でAD9834BRUZを取り上げながら進めることにしますが、AD9834CRUZでもまったく同様に製作することができます。
 AD9834は20ピンTSSOPと呼ばれるパッケージです。ピン間隔が0.65mmですから、ハンダ付けが心配になる方がいるかもしれません。しかし、表面実装部品のハンダ付けの「コツ」を身につけることができれば、それほど心配することはありません。
 私の場合、表面実装部品を扱うための工具は、精密ピンセットとルーペ、フラックス、ハンダ吸い取り線の四つだけです。はんだごては30Wの一般的なコテ先を使っています。

 ここでは、DDSの使い方の解説と表面実装部品のハンダ付けの解説を半分ぐらいずつ織り交ぜながら進めて行きたいと思います。



DDSの仕組みとコントロール方法

AD9834.gif


 これはAD9834の内部ブロック図です。ブロック図を見るとDDSの出力はDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)から作られていることがわかります。DDS内部ではデジタル信号をアナログ信号に変換しているのです。
 デジタル信号を作るのは、DACの手前にあるブロックで、周波数を決めるレジスタ、位相を決めるレジスタ、数値制御発振器、位相情報からサイン波に変換するSIN ROMなどです。これらを外部からコントロールすることで必要な信号を得ることが可能になります。
 製作にはDDSをコントロールする部分も必要です。AD9834はSPI(3線式シリアルインタフェース)で制御しています。SPIをPICマイコンからコントロールする例がよく見られます。PICにはSPIプロトコルを操作できるファンクションが内蔵されているので、SPIの細かな動作について意識せずに使用できます。反面、PICにプログラムを書き込むためのツールが必要になるという作業が加わります。
 そこでここでは、USB-パラレル・インターフェース用のIC、FT245RLを使用して、パソコンから直接SPIを叩くことにします。

 次回は、AD9834とFT245RLを使った回路を解説しながら、プリント基板の設計をしてみます。

2007年12月 6日

はんだ付け
    はんだ付けのタイミング

電子工作に、はんだ付けは「必須」です。
しかし、だれでも最初は初心者です。

電子工作に挑戦してみようとしたものの、はんだ付けで挫折してしまうのは残念なことです。
はんだ付け不良となってしまうはんだ付けのやりかたで、特に多いと思われるのが、

はんだごての先に、はんだをあてて溶かし、溶けたはんだがはんだごての先に付いた状態で「そろ~り、そろり」とはんだ付けする場所に持って行くやり方です。

この方法は、両手を同時に動かす必要がありませんから一見すると楽に見えますが、はんだの中に入っている”ヤニ(フラックス)”成分が飛んでしまって、”いもはんだ”の原因となってしまいます。

はんだ付け作業の流れやタイミングがわかるように動画ファイルを作ってみました。
動画は、8ピンのICソケットを基板にはんだ付けする様子を録画しています。今回の動画では、はんだ付け作業の動作の流れやタイミングを見て欲しいです。
(※本来は、基板を配線バイスで固定して作業します)

動画の内容
 ・ソケットを基板に差し込みます
 ・ソケットの対角線上の2つのピンを軽くまげて、基板から抜け落ちないようにします
 ・はんだごてのこて先の汚れを、こて台のスポンジ(軽く濡らしておきます)で拭き取ります(こては十分に温まった状態)
 ・こて先を基板のはんだ付けしたいところにあてがい、そこの温度を上げます
 ・こて先(とピンと基板の間あたり)にはんだを当てて、はんだを基板とソケットのピンに流します
 ・先にはんだ付けしたところと対角線上のピンを、同様にはんだ付けします
 ・残りのピンも同様にはんだ付けします

私は決してはんだ付けは上手ではないのですが、恥をしのんでの動画を公開します^^;
ちょっとファイルサイズが大きい(約5.8MB)ので、一度保存してから再生すると良いでしょう。

はんだ付けの動画(クリックしてください)はこちらです。

2007年12月11日

DDSチップでいろいろ遊んでみる
   --第2回--

2個のAD9834を使ってみる
 まず、回路図をクリックして全体を見てみてください。この回路ではAD9834を二つ使っています。それぞれのAD9834を同じクロックで動作させておき、片方の出力を90°ずらすという目的のためです。位相が90°異なる局発信号は、ソフトウェア・ラジオのミキサで使うためです。
 74AC74などのフリップフロップを使っても実現できます。しかし、ソフトウェア・ラジオで使うには、目的とする周波数の4倍の周波数の信号が必要となり、そのぶん高い周波数を扱うことになります。
 高い周波数でIQ信号を得るのは少し難しくなります。コスト面から、AD9834を例に取り上げていますが、予算が許せば、AD9851や最近流行のAD9951を使うと、より高い周波数でIQ信号を得ることができるはずです。
 AD9834でもAD9834CRUZを使えば、HF帯をカバーすることができます。もちろん、AD9834を1個だけ使い動作させることもできます。
 次回は、回路の解説を行っていきます。
9834x2.gif
クリックすると大きくなります。この回路図は暫定的なものです。基板の設計・試作を進めていく過程で、変更する場合があります。

2007年12月13日

DDSチップでいろいろ遊んでみる
   --第3回--

ファームウエア不要のUSBインターフェース
 FT245RLはFTDI社がリリースしているUSB-パラレル・インターフェースです。ファームウェアの書き込みは不要で、専用のドライバをパソコン側にインストールしておけば良いという、お手軽にUSBを利用できるICです。

 FT245RLからの入出力はLPTと同じです。さらにBitBangモードが用意されていて、出力ポートを1ビットごとコントロールできます。FT245RLとAD9834の接続はD0、D1、D2が1個目、D3、D4、D5が2個目のAD9834に対して接続されます。本来は、FT245RLとAD9834の間にはバッファを入れるべきかもしれませんが、互いのレベルが同じなのと配線が近いので何も入れていません。試作の段階で不具合が起きたら、バッファを検討してみることにします。またRESETは使っていません。コントロール・ソフトはVisualBasic.NETで書いていきます。

 回路の電源はUSBから取ることにしますが、このときに5Vか3Vで悩みます。FT245RLには50mAまで使える3V出力があります。AD9834はどちらでも動作できます。なぜ悩むかというとAD9834のクロックに使用するOSCは、周波数が高くなるとほとんどが3Vのものになるからです。いっぽう、IQ信号のレベルは5Vを必要とする場合が多いのです。回路図では、OSCの入手性とIQ信号の用途に応じて、3Vと5Vを切り替えることができるようにしてあります。VFOとして使用する場合は、どちらでもOKです。

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