DDSチップでいろいろ遊んでみる
--第1回--
必要とする周波数の信号を得るためには、いくつかの手段がありますが、アナログデバイス社のDDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザ)を使うと、比較的簡単に実現することができます。
アマチュアがよく使うチップに、AD9851があります。製作例もたくさん公開されているので使いやすいチップです。ただし、AD9851は1個2500円くらいと少し高価なので、ここでは、半額くらいで入手できるAD9834を使い、DDSでいろいろと遊んでみることにします。
AD9834にはBRUZとCRUZの2種類があり、BRUZはマスタ・クロックが最高で50MHz、CRUZは80MHzで動作します。それぞれ、マスタ・クロックの1/2の周波数を生成させることができます。手持ちの関係でAD9834BRUZを取り上げながら進めることにしますが、AD9834CRUZでもまったく同様に製作することができます。
AD9834は20ピンTSSOPと呼ばれるパッケージです。ピン間隔が0.65mmですから、ハンダ付けが心配になる方がいるかもしれません。しかし、表面実装部品のハンダ付けの「コツ」を身につけることができれば、それほど心配することはありません。
私の場合、表面実装部品を扱うための工具は、精密ピンセットとルーペ、フラックス、ハンダ吸い取り線の四つだけです。はんだごては30Wの一般的なコテ先を使っています。
ここでは、DDSの使い方の解説と表面実装部品のハンダ付けの解説を半分ぐらいずつ織り交ぜながら進めて行きたいと思います。
DDSの仕組みとコントロール方法
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これはAD9834の内部ブロック図です。ブロック図を見るとDDSの出力はDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)から作られていることがわかります。DDS内部ではデジタル信号をアナログ信号に変換しているのです。
デジタル信号を作るのは、DACの手前にあるブロックで、周波数を決めるレジスタ、位相を決めるレジスタ、数値制御発振器、位相情報からサイン波に変換するSIN ROMなどです。これらを外部からコントロールすることで必要な信号を得ることが可能になります。
製作にはDDSをコントロールする部分も必要です。AD9834はSPI(3線式シリアルインタフェース)で制御しています。SPIをPICマイコンからコントロールする例がよく見られます。PICにはSPIプロトコルを操作できるファンクションが内蔵されているので、SPIの細かな動作について意識せずに使用できます。反面、PICにプログラムを書き込むためのツールが必要になるという作業が加わります。
そこでここでは、USB-パラレル・インターフェース用のIC、FT245RLを使用して、パソコンから直接SPIを叩くことにします。
次回は、AD9834とFT245RLを使った回路を解説しながら、プリント基板の設計をしてみます。
