MPLAB IDE V8.10と安価なPICkit-2アダプタ(PICkit 2 Development Programmer/Debugger)を使ったデバック機能は結構遊べそうです。18ピン・マイコンPIC16F819を例に取ると、このマイコンでのデバッグはヘッダ・アダプタなしでできるようになっています。つまり、このマイコンではPICkit-2と実行回路基板に直接接続したままマイコンへの書込のほか、デバッグ(in-circuit debug)までできます。
ほかのマイコンでは、この機能をオンチップ・デバッグとかオンチップ・エミレーションなどと呼んでいます。
今回は、このイン・サーキット・デバッグ(以下、単にデバッグ)を試したので、簡単にレポートします。
ソフト開発環境ツール関連は、下記に説明や案内があります。
PICkit-2によるデバッグ関連
1.デバッグ機能
MPLABとPICkit-2を使ったデバッグ機能は、44ピンのマイコンが搭載された評価基板が付属する「PICkit 2 Debug Express」で試すことができます。PICkit-2のユーザ・ガイドには、この評価基板でのMPLAB操作手順等の説明があります。
別商品の「PICkit 2 Starter Kit」は、20ピンのPIC16F690が搭載されている基板が付属します。この基板でデバッグするときは、別途ICDヘッダ・アダプタが必要になります。
ここで電子工作で使う「デバッグできるマイコン」を考えた場合は、
・ピン数が少ない(18ピンか20ピン)
・DIPサイズ
・デバッグで余分なヘッダ・アダプタを必要としない
・少量でも安価で入手可能
が良いわけです。
この条件に当てはまるものとして、PIC16F818/819があります。これは18ピンPICマイコンでかつ、ヘッダ・アダプタ無しで直接接続&デバッグできます。プログラム・メモリの大きいPIC16F87/88は一応該当品ですが、まだベータ・サポートのままです。
MPLABでは、このような「Select Device」画面で各マイコンのサポート状況をみることができます。
このデッバグ機能は、実際に回路を動かして内部のレジスタ、メモリ変数などプログラム動作を確認できます。これはプログラム開発するときに便利な機能です。例えば、シミュレーション・プログラムを用いては、LEDの明るさで実現する「蛍の光」や、角度を確認するサーボ・モータの動作などできません。
信号入力の例では、デバッグ機能によって、どのような入力値が来るのか実際に読み込んで確認できます。
2.準備
では、これからPIC16F819にてデバッグ機能を試してみます。このデバッグ・テストにあたり、次のようなものを準備します。
1)テスト回路
実験する回路は、PIC16F819マイコンの周辺にLEDを配置したものです。回路図を下記に示します。
回路図は次のようになっています。
・マイコンはPIC16F819を使用
・クロックは内蔵8MHzを使うことで、そのポートRA6,RA7をLED用に割り当て
・A-D変換機能のRA0ポートにテスト用VRを接続(今回は使っていない)
・ポートRA4はデジタルI/Oとして使用
・PICkit-2との接続はヘッダ・ピンを立てる
・RB7,RB6はデバッグ用ポート
ユニバーサル基板で作ったこの回路の基板写真を示します。
この基板とPICkit-2は、別に製作した延長ケーブルで各ヘッダ・ピンと接続します。
2)プログラム
テスト用のプログラムは、アセンブラ言語によるLEDを随時点灯させ、回転しているように見せるものです。
プログラム動作は、次のとおりです。
・プログラムが開始するとLEDは順番に左まわりで点灯回転する
・その点灯順番はRB0からRB5まで、その後RA6,RA7に、さらにRA1からRA4に続き、RB0に戻る
・020番地、021番地はLEDを点灯させるPORT-A、PORT-Bのメモリ変数
・021番地は表示回転速度用のメモリ変数
テスト用ソースプログラム・テキスト
3)赤ボタンPICkit-2アダプタ
初期のPICkit-2アダプタはボタンが黒色です。現在の商品は回路が変更された赤ボタンのPICkit-2アダプタになっています。前バージョンの黒ボタン仕様PICkit-2アダプタでデバッグ機能を使うときはコネクタの所にプル・ダウン抵抗を追加するように指示があります(ただし、筆者は動作未確認)。
次の写真は、その2種類のアダプタです。現在発売している赤ボタンのPICkit-2アダプタ(写真下)は、そのままデバッグ機能で使用できます。
4)接続ケーブルを製作
次は、PICkit-2アダプタと実験回路を接続するための延長ケーブルを作成します。
次の写真は、製作したケーブルと赤ボタン仕様のPICkit-2アダプタです。
次回は、実際に動かしてみます。
後田敏
